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[WBS] 船内はまるで豪華客船!?観光客を狙うカーフェリー!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

豪華客船による船旅が人気となっていますが、最近では乗客とクルマを一緒に運ぶカーフェリーの人気も高まってきています。

2014年には210万人だったカーフェリーの利用者が2017年には238万5,000人と13%以上も増えました。

フェリーの運行会社も大部屋に雑魚寝のイメージを一変させる豪華客船なみの船を投入して、気軽な船旅の楽しみ方をアピールしています。

株式会社フェリーさんふらわあ

[blogcard url="http://www.ferry-sunflower.co.jp/"]

大阪・南港。

停泊しているのはカーフェリー「さんふらわあ さつま」です。

約25年ぶりに建造されたさつまはこの日が初航海。

多くの荷物を積んだトラックを載せて鹿児島県の志布志に向かいます。

いらっしゃませ。

そこへ乗り込んで来たのは観光客。

カーフェリーの新たな顧客開拓を進めるのは井垣篤司社長です。

「カジュアルクルーズ」、リーズナブルな価格でいつでも乗れるというサービス。移動がクルーズになれば観光事業として非常に強いものになる。

吹き抜けの開放的なエントランスホールが観光気分を盛り上げます。

客室

そして客室は…

デラックスルームになります。

ベッドやソファを備えたホテルのような造り。

シャワーとトイレが全ての部屋についている。シニアと女性に優しい。夜中に共用のトイレに行くのは非常におっくうということで、利便性を優先した。

こちらはさんふらわあで初めて投入した最上級のスイート。

窓の外にはプライベートのバルコニーも。

まるで豪華客船の一室のようです。

予約はこの部屋から入る。上等級から埋まっている。

船旅

午後6時過ぎ、色とりどりの色テープがはためく中、350人のお客様を乗せ船は大阪・南港を出発しました。

志布志までの船旅は約14時間。

お客様は思い思いのスタイルで過ごします。

飲みながら移動。風呂入りながら移動。着いたら朝、現地。いいじゃないですか。

新幹線とか飛行機は早いがしんどいですよね。船内でウロウロしたり、食事したり、風呂入ったり、すごい楽しい。

海を眺めながらお湯に浸かれる展望大浴場も好評のようです。

こちらの部屋を訪ねるとなんと客室内にワンちゃん。

ペットと一緒に旅行を楽しむ人が増えていることからこの部屋を用意しました。

飛行機だったら貨物室に預けないといけない。一緒の部屋に泊まれるのは魅力。

この部屋がなかったらこの船に乗っていない。

こうした個室は全部で94部屋。

大部屋を減らした分、客数は減りましたが業績には追い風になるといいます。

当然、運賃価格も従来より高い設定になっている。個室が埋まれば増収になる。

翌朝、志布志港に到着。

さんふらわあ さつまの初入港を地元の人達が歓迎してくれました。

今回の新造船の建造費は約100億円。

夏には新たにもう一隻投入する予定です。

井垣社長の勝算

カーフェリーにかける井垣社長、その勝算は?

カジュアルクルーズと言っているが別の言い方でいうとLCCだと思う。空のLCCは事業を拡大している。海のLCCとしての可能性はあると思う。

株式会社丸正フーズ

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船旅人気とともに今回の新造船投入を後押ししたのが貨物需要の増加です。

宮崎県えびの市に工場を構える丸正フーズ。

肉牛の飼育から加工まで一貫して行っています。

出来た商品を大阪まで運ぶためにフェリーを活用しているのです。

この日のドライバーは水口誠司さん。

今から志布志港に行く。2時間ぐらい。

工場から大阪まで陸路では約820キロの道のり。

一方、工場から志布志港までなら80キロほどと10分の1程度で済みます。

トラックが志布志港に到着した頃、大阪行きの搭乗手続きカウンターはすでに大混雑。

この日もほぼ満室状態です。

しかし水口さんが向かった先には「トラックドライバー専用エリア」と書かれています。

その中は…

ベッドが広い。

ベッドが付いた完全な個室です。

自宅と同じ状態。8~9時間休養がとれる。ゆっくり寝られることが一番いい。

フェリーを使う場合、ドライバーは船内でゆっくり休めるため船が到着した先で日中、フルに仕事が出来るのです。

またフェリーの活用は経営面でもメリットがあるといいます。

丸正フーズの入江洋海常務は、

走る距離が短くて、トラックの痛みが少なく、整備に関する費用を削減できる。すべての面でコスト計算していて輸送費が安く上がるという数字が出ている。

フェリーさんふらわあの攻めの経営

フェリー離れによる経営危機から回復し25年ぶりに投入した新造船。

これを機に攻めの経営に転じます。

会社がなくなるかもしれないところから新造船ができた。今後はこの新造船を武器に新しい航海に出る。

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