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[WBS] 一部抗菌せっけん販売禁止!「殺菌効果の根拠なし」

2016年9月8日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

アメリカ

ワシントン市内のスーパー。

石けんやボディーソープの棚を見てみると、人気商品として「Anti Bacterial(抗菌剤入り)」の商品が売られています。

種類も数多くあり、人気があることが伺えます。

殺菌効果を謳ってアメリカで長年人気を集めてきた「抗菌石けん」。

しかし、FAD(アメリカ食品医薬品局)は9月2日、トリクロサンなどの成分を含む一部の抗菌石けんやボディソープなどを販売禁止にすると発表しました。

FDAはこれらの商品が「通常の石けんより殺菌効果が高いという根拠がない」と指摘。

また「トリクロサン」と「トリクロカルバン」は人間の菌への抵抗力を弱めたり、ホルモン作用に悪影響を与えたりするリスクがあるとしています。

トリクロサンを含む石けんはアメリカで40年以上前から市販されています。

ただ、FDAは病気の予防には通常の石けんと水による手洗いを推奨していて、該当する成分を含む抗菌石けんについては今回、販売の禁止に踏み切りました。

抗菌石けんを使っている人は

その製品が「良くない」というのであれば、もう使わない。体に悪いのでしょう。

「一部の抗菌石けんは体に悪い」と報じられていたので驚かない。

販売の禁止についてFDはメーカーに対して1年間の猶予を与えていますが、消費者は厳しい目を向けています。

このためアメリカでは該当する殺菌剤の使用をやめるメーカーも出始めています。

日本国内の石けん

日本国内で流通している石けんは大きく2つのカテゴリーに分けられます。

「化粧品」として販売されている石けんと、「医薬部外品」として販売されている石けんです。

医学部外品は殺菌・消毒・抗菌などの具体的な効能を謳うことができ、製造や販売には厚生労働大臣の承認が必要になります。

「医薬部外品」の石鹸などの成分の中にはアメリカで販売禁止になった「トリクロサン」や「トリクロカルバン」などの成分を使用している商品もあります。

今回のFDAの発表について日本側はどう受け止めているのでしょうか?

日本政府

菅義偉官房長官は

対象品の種類、範囲、根拠となる研究報告などFDA(アメリカ当局)の措置の詳細を確認し、日本でも同様の成分を含む製品の確認を早急に実施している。

調査結果によっては今後、日本でも規制を?

調査結果を踏まえ、厚生労働省の審議会で日本が取るべき措置を検討したい。

菅義偉官房長官は9月7日、日本でも今後、「抗菌石けん」に規制を設けるべきか検討する考えを示しました。

この問題を所管する厚生労働省は

情報収集中だが、今すぐ規制を設ける状況ではない。

としています。

ライオン株式会社

[blogcard url="http://kireikirei.lion.co.jp/"]

ライオン株式会社のキレイキレイは今回指摘された成分は使用していません。

花王株式会社

[blogcard url="http://www.kao.co.jp/bioreu/"]

ビオレuのハンドタイプの泡のハンドソープ5種類で「トリクロサン」を使用していましたが、アメリカなどで議論になっているのを見て、2015年に別の殺菌成分に切り替えました。

「トリクロサン」や「トリクロカルバン」を使用した商品

「薬用せっけんミューズ」を販売するレキットベンキーザー・ジャパン株式会社、naive薬用ハンドソープを販売するクラシエホールディングス株式会社、コラージュフルフル泡石鹸を販売する持田ヘルスケア株式会社、薬用柿渋石けんを販売する双日コスメティックス株式会社にWBSは取材を申込みました。

それに対して

医薬部外品として厚生労働省の承認を得ていて効能や安全性に問題はない。

と4社、共通の回答を返してきています。

また、「薬用せっけんミューズ」を販売するレキットベンキーザー・ジャパン株式会社は

これまで健康被害の問題は認識していない、消費者の懸念を考慮して今後、安全性などの検証をしていく。

としています。

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