女子高校生のバレーボールチーム。

監督に就任したのは全日空の幹部候補生。

普段は空港のグランドハンドリング(地上支援業務)。

バレーボールは素人なのに一体なぜ?
組織の中で管理職になると自分より高い専門性を持っている部下にどう接するかなど様々な問題に直面する場合があります。
こうした課題を乗り越えるための新たな取り組みが始まっています。

全日本空輸株式会社
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バレーボールの試合をする女子高校生。

チームの監督を務めるのはなんと全日空の管理職。

現役のバレーボール部員に対し監督は皆バレーボールの素人。

監督はどうしたらいい?何かやったほうがいい?

これは2日間でどうチームを作り上げるかをミッションにした管理職研修です。

2日目には試合を行い優勝チームを決めます。

株式会社Waisportsジャパン
[blogcard url="http://waisports.co.jp/"]
この研修を主催するのはスポーツを活用した教育事業を手掛けるワイスポーツジャパン。

ワイスポーツジャパンの松田裕雄社長は、
競技スポーツは結果・プロセス・原因が同じテーブルで見える化されている。

自分を見直すには非常に分かりやすい。

ワイスポーツジャパンは筑波大学発のベンチャー企業。

このプログラムの目的は自分より能力が高くて年が離れたメンバーをリーダーとしてまとめることで管理職能力を養うことだといいます。

研修1日目

参加した高校生は13校から132人。

そして全日空グループの43歳から51歳の中間管理職17人が監督を務めます。

高校生もシャッフルされ、初めて合うメンバーでチームを結成。
1つのチームに1人か2人の監督がつき、どうチームを作るかはそれぞれの裁量に任されます。


始めは皆、手探り。
なかなかメンバーの間に入り込めない人も…
斉藤俊哉さん
受講生の一人、斉藤俊哉さん(51歳)。

合い言葉を決めなきゃならない。

合い言葉は「斉藤さんだぞ」。

合い言葉が「斉藤さーん」なの?
斉藤さんだぞ。

斉藤だぞ?
斉藤さんだぞ。

そんなんで優勝できそう?

女子高生とのコミュニケーションに戸惑いを見せます。
斉藤さんは羽田空港にある全日空スタッフの制服を管理するグループ企業に勤務。

およそ1万2,000人分の制服を厳しく管理する部署で副センター長として60人の部下をとりまとめます。


斉藤さんの部下は、
大きい声をはりあげるよりは縁の下の力持ちというタイプ。

部下からは穏やかな上司との評価が。
社員の人材育成に力を入れている全日空グループではこれまでも様々な研修を実施。

その中でバレーボールチームの監督になるという研修は今回が初めてです。
全日空空輸の國分裕之取締役は、
部下のメンバー、一人一人と向かい合って一人ずつ把握して、いいところを生かして落ちこぼれがないようにしてみんなで盛り上げることに役立つのでバレーのチーム作りで学んだことを職場でも実践してほしい。

斉藤さんは勝負にこだわるだけでなく、みんなで楽しく参加することをチームのコンセプトに掲げました。

明るく笑顔で目標「優勝する」。

これを2日間でよろしくお願いします。

マネージャーの高橋さん、プレーは一緒にする?

プレーはしないかたちでお願いします。

一緒に手伝ってくれるとうれしい。

主力選手だけでなくマネージャーにも声を掛ける。

研修2日目
この日はトーナメント戦で優勝を争います。

試合に向け、どのチームも熱が入ります。


全力でやれば何かが返ってくるから。

全員で空いてるところを見て、中にどんどんいっちゃっていいから。

試合開始
いよいよ試合開始。

思いっきりだよ、1本思いっきりいこう。

普段は穏やかな斉藤さんも大きな声で盛り上げます。
チームはまとまってきたようです。
しかし敢え無く初戦で敗退。

そしてとうとう最後の試合。

コンセプトどおり、楽しく笑顔で。

誰だと思ってんだよー!

斉藤さんだぞー!

いつの間にか掛け声も息がぴったりです。
最後は粘り勝ち!。

よく頑張りました。

笑顔でできたし良かったね。

おめでとう。

結果は10チーム中9位ですが皆笑顔です。

チーム「ミスター・サイトウ」の松橋裕美さんは、
チームがバタバタしているときも良いところ悪いところを分析してくれるので悪い雰囲気にならずに楽しくできた。

林茜里さんは、
バレー経験が無いのにみんなのことを気遣ってくれてよかった。

優勝したのはチーム「ちゃわんむし」。


チーム「ちゃわんむし」の関根美空さんは、
1~2日でまとまらないと思ったが楽しく仲良くできてよかった。

1週間後
研修から1週間、職場の斉藤さんを訪ねると、

本当に楽しい時間を過ごさせてもらって今日で1週間だが脳が刺激される状態が続いている。

本気で向き合うことや名前を呼ぶこと、チームでやる、全力でやる、全員参加とか職場に生かせることは多い。

自分よりも専門性が高い部下をどう統率するか。

主催するワイスポーツジャパンは今後、このプログラムの需要が拡大すると見込みます。
ライブでリアルな空間を使った学びの場の提供が非常に大きな可能性を持つ。
