
ウクライナメディアによると10日に続いて11日も南部のザポリージャや西部のリビウなど複数の都市にロシア軍による大規模なミサイル攻撃があったということです。一連のミサイル攻撃を受けてアメリカやドイツはミサイル攻撃を防御する高度な防空システムをウクライナに供与することを表明しました。早ければ数日以内に届けられる見通しです。今後の戦況はどう変わるのでしょうか。
ウクライナへのミサイル攻撃続く
「防空システム」強化が急務
10日、ウクライナ各地で確認されたロシアからのミサイル攻撃。映像には車や歩行者が一斉にその場から離れる様子が捉えられていました。
ミサイル攻撃を受けたのは首都キーウを含めウクライナ全土に及びます。
攻撃から一夜が開けた11日、街のいたる所にミサイル攻撃の爪痕が…
ウクライナ政府は10日のミサイル攻撃で全土で少なくとも19人が死亡、105人が負傷したと明らかにしました。
首都キーウの地下鉄の駅。シェルターの機能も持つため今も多くの住民が身を寄せています。次の攻撃はいつなのか、住民は憔悴した様子です。
住民

きのうの攻撃はとても怖かった。軍事施設以外も標的にしてがくぜんとした。
空からのミサイル攻撃をどう防ぐのか。注目を集めるのがミサイル攻撃を防御する防空システムです。
今のウクライナの防空システムは主に旧ソ連製。ウクライナ国防省によると10日の攻撃では全土に75発のミサイルが打ち込まれ、そのうち41発を撃墜したとしています。
ゼレンスキー大統領は防空システムの強化を急ぎ、アメリカのバイデン大統領との会談ではアメリカが持つ高度な防空システムを提供してもらう確約をとりつけました。
さらにドイツからも…
ドイツ国防省
(10日 ツイッターへの投稿)

最新の防空システム「IRIS-T SLM」を渡す。ミサイル攻撃に対抗するために役立つはずだ。
アメリカ・ドイツ 防空システム戦況に影響
ウクライナ さらなる供与呼びかけ
ドイツが供与を決めた背景には今回の爆撃でキーウにある自国の大使館の関連オフィスの入居するビルが被害を受けたことがあるとみられます。
ウクライナに供与する新たな防空システムについて、ドイツの国防省は数日以内に最初の1基が現地に到着するとの見通しを示しました。
ドイツのメディアは自国での使用実績のない最新鋭のシステムと伝えています。
アメリカとドイツの防空システムの性能について専門家は…
軍事ジャーナリスト
潮匡人氏

ドイツ製の防空システムはもともと空対空、戦闘機から発射して敵の戦闘機に向けて撃つ。
そのタイプのミサイルを地対空ミサイルとして運用できるように一部改修したものが今回供与される。
アメリカもドイツも基本的に20~30kmの範囲、いわゆる「拠点防空」のシステム。
限られた範囲の拠点を守る防空システムはこれまでもイスラエルが開発・配備している「アイアンドーム」などがあり、同時多発の攻撃に対して一定の効果を発揮してきました。
しかし専門家は戦況への影響は限定的との見方を示します。
軍事ジャーナリスト
潮匡人氏

防空システム1基でウクライナ全土をカバーできるといえば到底不可能。
迎撃範囲などの数字だけでなく誘導方式、どうやって正確に命中するのか。
誘導方式が例えばドイツ製とアメリカ製では根本的に異なっている。どちらが良いかは言いがたい。
両方ある、いろいろなものを組み合わせているシステムにするのが一番軍事的には効果が高い。1ヵ月後、同じようなことが起きたとしたら迎撃率はもう少し高まるだろう。
こうした中、G7(主要7ヵ国)はオンライン形式で緊急の首脳会合を開催しています。ロシアの攻撃を非難し、対ロシア制裁の継続を確認する見通しです。
またゼレンスキー大統領も出席し、G7各国に防空システムのさらなる供与などを求める方針です。