
先週イギリスで開かれた世界最大級の航空展示会。今回はコロナ禍を経て3年ぶりの開催で脱炭素を目指した環境配慮型の最新の機体が多くお披露目されました。そしてもう一つ注目を集めたのが軍事防衛分野です。この分野では日本とイギリスの新たなパートナーシップも垣間見えました。
イギリス 世界最大の航空ショー!注目は脱炭素と…戦闘機
ロンドン郊外の飛行場で開かれたファンボロー国際航空ショー。航空産業関係者が一堂に会する世界最大の航空展示会です。
ロンドン支局
中村航記者

ファンボロー国際航空ショーではさまざまな最新技術についての発表も行われています。超音速飛行機の最新技術について発表が行われようとしています。
アメリカのスタートアップ「ブーム・スーパーソニック」が手掛ける超音速飛行機「オーバーチェア」の発表会。65人の乗客を乗せる旅客機、21世紀のコンコルドとも呼ばれます。
ブーム・スーパーソニック
ブレーク・スコル創業者兼CEO

乗客が画期的なスピードのメリットを得られる路線は地球上に数百はある。
例えば東京~シアトルを4時間半で飛べば航空会社にとっても大きな利益だ。
今回の国際航空ショーは燃費の良いボーイング社の機体など環境配慮型の展示が増加。空飛ぶタクシーと呼ばれる人が乗るドローンの存在も目立ちました。
一方、3年前に比べて規模が縮小したのが日本の三菱重工業。模型やパネルでの技術展示はありますが、以前は国産ジェット機「スペースジェット」について実際の機体や飛行展示もしていました。しかし、この事業は2020年に凍結してしまったのです。
そこで新たに力を入れるのが防衛分野の展示です。
三菱重工業
防衛・宇宙セグメント
小山貴之課長

無人機を活用した監視システムで重要インフラや海岸線などを監視して不審船や不審者を無人機でアプローチする。
こちらは地上、空、海面、水中から無人ドローンで監視するセキュリティーシステムです。
三菱重工業
防衛・宇宙セグメント
小山貴之課長

三菱の防衛のメインは航空機や艦艇、戦車だが、それ以外にも新しい宇宙、サイバーや無人機など新しい領域にも広げて活動したいので注力している。
日本でも岸田総理が防衛費増額の方針を示すなどウクライナの戦争を受け、航空産業では防衛分野への関心が高まっています。
なかでも注目を集めたのがイギリスの主要企業「BAEシステムズ」。WBSの取材中にもイギリス政府高官の姿が…
BAEシステムズ
ビジネス開発ディレクター
ジョン・ストッカー氏

ウクライナで起きている恐ろしい出来事が世界中の人や各国政府にとって防衛・安全保障の重要性を再認識させる重要な出来事になったようだ。
BAEはイギリスの次世代戦闘機「テンペスト」の開発を担っています。今回は機体のコクピットなどを含む胴体部分を初めてお披露目しました。
こちらはコクピットを抜き出したモデル。操縦パネルがなくヘッドマウントディスプレイに操縦に必要な情報が表示される仕組みです。
最新鋭の人工知能で敵の攻撃を察知できるほか、無人飛行も可能な有人戦闘機になる予定です。イギリス政府は5年以内にデモ機の初飛行を行い、2035年の完成を目指しています。
実はこの「テンペスト プログラム」にはイタリア、スウェーデンに加え日本企業も参画しています。
BAEシステムズ
ビジネス開発ディレクター
ジョン・ストッカー氏

日本の産業界のパートナーとは非常に強い協力関係を築いている。
BAEと三菱重工業のほか、ロールス・ロイスとIHIもだ。
テンペストの開発で日本企業が担っていたのはエンジンやレーダーでの技術協力でしたが、最近さらに踏み込んだ協力の可能性が浮上しています。
イギリス
ジョンソン首相

テンペストの開発でイタリアだけでなく日本ともパートナーシップが急成長する可能性がある。
日本の自衛隊がもつ「F-2戦闘機」の開発計画を現在進んでいるテンペストの開発と統合するという報道も一部では出てきているようです。そうなれば日本としても費用が大幅に抑えられ、イギリスと対等なパートナーとして効率的な開発が可能になります。
BAEシステムズ
ビジネス開発ディレクター
ジョン・ストッカー氏

日本は防衛産業が非常に盛んで防衛投資は非常に大きなものだ。
日本の戦闘機部門との関係を発展させることはBAEシステムズにとって非常に重要だ。