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[モーニングサテライト]【輝く!ニッポンのキラ星】機械で手打ちに負けない麺!香川・宇多津町 製麺機メーカー[株式会社大和製作所]

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地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。

今回は香川県にある製麺機メーカーに注目しました。従業員70人足らずの小さなメーカーが国内シェアトップを占めるようなった驚きの戦略とはどんなものなのでしょうか。

株式会社大和製作所

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埼玉県さいたま市にあるうどん店「藤店うどん大宮店」。いわゆる行列ができる店、多くのお客様でにぎわっています。

人気はこの肉汁うどん。国産の豚バラ肉、油揚げ、ネギなどコシのある麺とよく絡みボリューム満点の食べごたえのある一品。

藤店うどん大宮店の菊池忍店長。

麺は機械で作っている。

手打ちと同じようなクオリティーが機械でも出せるのでスピードの速い機械を導入した。

小麦粉に水を加え、職人の手練りを再現したミキサーで生地を作ります。

生地は1日寝かせた後、再び機械に戻します。

足踏み作業を簡略化したこのプレス機を使い、短時間でコシのある強い生地に仕上げます。

そして生地全体を均等に伸ばした後、機械が好みの太さにうどんを1本ずつ切り分けてくれるのです。

練り・プレス・伸ばし・切りという製造工程を機械で全てこなすことができます。

機械を製造しているのは大和製作所です。

多くの讃岐うどん店がある香川県宇多津町。

この地に製麺機をつくる企業「大和製作所」がありました。

1975年に創業した大和製作所。従業員67人、売上高は10億円にのぼります。

うどんだけでなく、ラーメンやパスタなどの製麺機も扱い、店舗の中に置ける小型製麺機の分野では国内トップシェアを誇ります。

大和製作所の藤井薫代表。

うどん専用マシンの「真打」。

高品質な手打ち職人の麺がこの機械で簡単にできる。

大和製作所の最新機はタッチパネル式。生地を練る時間やプレス回数などを設定することで麺の柔らかさ、コシの強さなど店の好みに合わせた生地を作ることができます。

また、生地を伸ばす部分にはセンサーが付いていて、0.1ミリ単位で生地の厚さを調整できるのです。

この製麺機があれば世界中どこでも手打ちに遜色ないうどんを作れると現在、20ヵ国以上の飲食店などで導入されています。

代表の藤井薫さんはもともと川崎重工業のエンジニア。飛行機と船のエンジンルームの設計などに携わっていましたが脱サラし、製麺機つくりを思い立ちました。

スタートするにあたって世界でトップになることがポリシー。

トップになるためにはおいしい麺を作れる機械の開発。

これが一番大事。

自前で研究所をつくり、麺の材料となる小麦粉や塩などを分析し、さらに完成品の食感や味までデータ化し、麺の質を一定に保てるよう、そのノウハウを機械に詰め込みましたが製麺機はあまり売れませんでした。

売れなかった原因の一つがお店の廃業率。

うどん店が4万軒あって1年間で4,000軒が閉店していた。

閉店すると機械が市場に中古機として流れてしまう。

余計に機械が売れなくなる。

機械を広めるためには実際に使っている店を繁盛させる必要があると考えた藤井さん。

そこでこれまで蓄積した製麺や味に関するデータを使い、麺の学校を解説したのです。

うどんに関する知識から繁盛店のノウハウまで実習を交えて6日間をかけ集中的に教えます。

昆布15g、煮干し33g、トータル60gになるように合わせると讃岐だしと同じような白だしができる。

その卒業生はいまや5,000人以上に。

麺の学校の卒業生が製麺機を購入。その後、店が繁盛するとその評判を聞いて入学者が増えるという循環が生まれ、2005年には小型製麺機にトップになりました。

いま開発を進めているのは手作業の3倍のスピードでゆで卵の殻剥きができる機械や製麺された麺をラッピングし、テイクアウトに対応する機械です。

コロナ下でイートインのお店が非常に厳しくなる中でイートインだけに頼らない、テイクアウトをメインにした店づくり。

そういうものをこれから提案しながら、同時にハードソフトの提供をもっと進めていきたい。

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