2月12日、東急電鉄やJR北海道など大手鉄道会社4社がタッグを組み、北海道で豪華観光列車を走らせると発表しました。
関東の私鉄の雄、東急電鉄が北海道に上陸して列車を走らせる、その理由を取材しました。
東京急行電鉄株式会社
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2月12日、都内で開かれた会見。
にこやかに手を組むのは東急の髙橋和夫社長やJR北海道の島田修社長など日本の鉄道を支える4社のトップです。
JR北海道の島田社長は、
北海道胆振東部自身の影響を受けた北海道を応援していただくこと。
観光振興と地域活性化を目的として観光列車の走行プロジェクトを立ち上げたい。
観光列車
4社が発表したのはJR北海道の路線に東急やJR東日本が観光列車を走らせる計画です。
来年5月から東急が走らせるのが「ザ・ロイヤル・エクスプレス」。
一昨年からJR横浜駅から伊豆急下田駅の間で運行している定員数国内最大級の観光列車です。
ピアノの生演奏を聞きながら豪華な食事を堪能できるのが特徴。
1泊2日食事付きのプランで14万円からという豪華観光列車です。
北海道に大手私鉄の観光列車が乗り入れるという異例の計画。
東京急行電鉄の髙橋社長は、
JR北海道の島田社長より今回の話をいただき大変光栄に思っている。
1年半をかけてノウハウができた。
ちょうどいいタイミングで北海道の地でチャレンジではあるがトライをしたい。
東急が旅行プランの企画・販売や車内サービスを行い、JR北海道が運行管理を担うという手法で運行します。
このほかにもJR東日本が東北エリアで運行する「びゅうコースター風っこ」を北海道で走らせます。
北海道旅客鉄道株式会社
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こうした計画の背景にはJR北海道が置かれている厳しい状況があります。
当社の厳しい経営環境にもご配慮いただいて各社からご協力いただけるということで、この話を進めたい。
そのJR北海道のターミナル駅「札幌駅」。
冬の観光シーズン真っ盛りとあって駅の中には多くの観光客が。
こちらは札幌と新十津川町を結ぶ札沼線の終着駅「新十津川駅」。
たった1両のディーゼル車の前には平日にもかかわらず熱心に写真を撮る人の姿がありました。
福岡・北九州市から来た。
鉄道愛好家たちが集まる理由とは…
実は日本一早い最終列車なのです。
この駅から出発するのは午前10時発のこの列車1本のみ。
最終かつ唯一の列車でした。
JR北海道は来年5月にこの区間を廃止することを決定。
実はこの区間の1キロあたりの1日の平均乗客数を示す輸送密度はJR北海道でもワースト1位の57人。
1,500万円の収入を得るために3億2,900万円もの費用が掛かっているのです。
地元の利用者は…
「無くなると不便?」
困る。
夏はバスでもいいけど、冬は困る。
ずっと使ってきた。最初は寂しかった。
足がなくなるから。だけどしょうがない。
JR北海道の今年度の業績予想は175億円の赤字。
在来線だけではなく、北海道新幹線を含め抱える27全ての線区が赤字です。
2016年11月、島田社長は、
維持運営コストについても議論しないと。
なくなったら困るということだけでは現実の路線維持は難しい。
国も2019年度からの2年間で助成金などおよそ400億円を投入。
収益確保の策としてインバウンドを取り込む観光列車の強化を指示しました。
JR北海道は人気が高まる観光列車のノウハウを東急やJR東日本から吸収し、関連事業を強化させる考えです。
一方、東急は北海道でザ・ロイヤル・エクスプレスを走らせ国内外で認知度を高める狙いがあります。
北海道地区のグループ事業が元気になることもあるが、広く認知させることで本来の目的、伊豆活性化に総合的に寄与する。