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[WBS] 「脳の健康」でヒットを狙え!カルピス由来成分で集中力アップ!

2019年7月25日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

最近目にすることも増えた「機能性表示食品」。「脂肪の吸収を抑える」のような健康維持に役立つと期待できる機能を表示することを認められています。

現在販売中のものを集めてみました。

「体脂肪を減らす」や「脂肪や糖の吸収を抑える」などダイエットに関わる機能を目にすることが多いです。飲み物やお菓子のほかにサプリメントもあります。

こうした機能性表示食品、2015年に始まった比較的新しい制度ですが、市場規模はおよそ1,900億円で拡大を続けています。

そこに今、続々と登場しているのが集中力アップや記憶力の維持などが期待される脳の健康に関する商品です。一体どのようなものなのでしょうか?

アサヒ飲料株式会社

[blogcard url="https://www.asahiinryo.co.jp/"]

アサヒ飲料が7月25日に発表した新シリーズ。カルピスやウェルチなどの定番商品に「はたらくアタマに」という共通のロゴが。

アサヒ飲料の岸上克彦社長、

機能性表示食品の中で初めて注意力の維持と計算作業の効率維持。2つの「頭の働き」をサポートする成分を配合した「はたらくアタマ」シリーズ。

アサヒ飲料は今回始めてブランドを横断してシリーズを展開。

年令を問わず、働く幅広い世代に飲んでもらいたいといいます。

「アタマのはたらき」をサポートするというカルピス。その味は…

石川瑠美記者、

サッパリしている。全体的にさっぱり、スッキリした味わいです。

実験でこの成分を中高年に飲んでもらったところ注意力や計算作業の効率が改善されたといいます。

アサヒグループ研究開発センター

この新シリーズが開発されたのがアサヒグループの研究開発センター。

中ではカルピスなどの乳製品飲料の研究開発や炭酸飲料の試作が行われています。

頭の働きをサポートする商品にするためにアサヒ飲料が着目したのがある成分です。

アサヒ飲料の商品開発研究所、阿部彰宏さん、

これがそのラクトノナデカペプチドを粉末にしたもの。

ラクトノナデカペプチド

脳の栄養や神経伝達物質の量を増加させるメカニズムを持つこの成分。

カルピスの製造過程で発見されました。

「これを口に含んでも大丈夫ですか?」

大丈夫です。

星佑紀記者、

苦い。これはちょっと苦すぎますね。

それを入れて飲み物にしています。

あまりの苦さに開発メンバーも戸惑いを隠せなかったといいます。

「良薬口に苦し」ということで機能性飲料は苦いものが多いが、今回は特別苦いということもあって、「この苦みを本当に飲むんですか?」という話になった。

商品開発のポイントはいかに苦みを抑えるか。

そのために材料や製造工程を徹底的に見直し、味作りには従来商品の2倍の時間を費やしました。

そんな中で完成した新シリーズ。

例えばウェルチを見比べてみると新商品は若干白っぽく見えますが…

従来品の味は、

美味しい。いつものウェルチの味です。

新商品は、

全然違いがないですね。苦味が感じられないです。

一方、ブラックコーヒー。見た目に違いはほとんどど見られません。

従来品の味は、

苦みもきいていて美味しい。

新商品は、

これは分からないです。元々苦味のあるもの、苦みで気になるところは全くなく、説明なしで出されても全く気づかないと思います。

コーヒーや抹茶ラテはオフィスで働く人に気持ちを切り替え注意力を高める目的で飲んでもらう狙いがあるといいます。

ラクトノナデカペプチドを飲みやすい味に仕立てたので、皆さんにはいろいろな味を試してもらって開発の苦労を感じてもらえれば。

機能性表示食品などの健康を意識した分野でのアサヒ飲料の販売実績は3年でおよそ1.8倍に増加しています。

独自の機能をアピールして成長を加速させたい考えです。

今回、関与成分ペプチドをそれぞれのブランドに付与することで1つずつのブランドがより太く、いわゆる枝葉が広がってくる。

ブランドそのものの価値がさらに強化される。この両方が今回の狙い。

三生医薬株式会社

[blogcard url="http://www.sunsho.co.jp/"]

脳の健康に着目する企業はほかにも。

サプリメントの製造大手、三生医薬が開発したのは認知機能の改善が期待されるサプリです。

三生医薬の又平芳春常務執行役員、

1粒当たりプラズマローゲン1mg配合。

プラズマローゲン

認知症の一つであるアルツハイマー病の改善につながると期待されているプラズマローゲン。

一体どんな成分なのでしょうか?

アルツハイマー病の原因物資、アミロイドβを分解する力が非常に強い。

このプラズマローゲン、どこから取るかというと…

甘味、塩味、酸味、苦味、うま味、5つの味覚を持つ稀有な食材「ホヤ」です。

東日本大震災の風評被害で輸出が減り、大量廃棄されていたホヤの中にプラズマローゲンが多く含まれているのです。

ホヤからプラズマローゲンを抽出する工場を覗いてみると…

そこにはホヤを乾燥させて粉末にしたものがありました。

この粉末をエタノールに入れて撹拌していきます。

三生医薬の研究開発本部、黒野昌洋さん、

抽出した液を個体と液体に分離します。

ワイン色の液体にプラズマローゲンが入っています。

これをさらに濃縮していくと…

これがサプリメントの原料。

1粒にホヤ4個分のプラズマローゲンが入っているこのサプリ。

三生医薬は2019年3月、機能性表示食品として申請しました。

2025年問題で後期高齢者に団塊世代が入っていく段階になると650万人が認知症になるという推計があって、残念ながら治療薬が出ていなことを考えると予防に力を入れざるを得ない。

その中の解決法としてホヤ由来のプラズマローゲンの可能性は非常に大きい。

三生医薬はFDA(米食品医薬品局)の認証も申請中。

海外展開を図り20年までに10億円の販売を目指します。

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