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[WBS] 2019年最優秀日本株ファンド!なぜ「オーナー企業」のみに投資!?

2019年5月8日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

国内株の投資信託ファンドの去年1月から12月までの1年間の騰落率。つまりは1年で価格がどれだけ上がったかを示すランキングです。

去年はアメリカの利上げや米中通商摩擦による日経平均株価の急落などもあり、2位以下が軒並みマイナスということになっています。

そうした中で1位となったのが東京海上のジャパン・オーナーズ株式オープン。こちらだけは5.76%のプラスという好成績を残しています。

5月7日に発表された格付投資情報センターのR&Iファンド大賞で最難関とされる国内株式投資信託部門の最優秀ファンドにも選ばれました。なぜこのファンドが好成績を収めているのか、そのヒミツを探りました。

東京海上アセットマネジメント株式会社

[blogcard url="https://www.tokiomarineam.co.jp/"]

ジャパン・オーナーズ株式オープンを運用する東京海上アセットマネジメント。

2013年の運用開始以来、その責任者を務めるのが北原淳平さん(38歳)。

運用額はおよそ330億円。

リーマン・ショックや中国、アメリカの貿易問題があったり、外部環境を乗り越えて成長し続けられる企業はオーナー企業が多い。

オーナー企業

このファンドは経営者が会社の株式を5%以上持つ、いわゆるオーナー企業に限って投資をしています。数年おきに社長が変わることが多いサラリーマン経営者の企業の株は一切保有していません。

柳井正氏が率いるファーストリテイリングや孫正義氏が率いるソフトバンクグループなどが代表的なオーナー企業にあたります。

ただ、大塚家具や大戸屋などオーナー企業はお家騒動に揺れることもあります。

なぜオーナー企業にこだわって投資をするのか?

オーナー企業は日本ではネガティブに受け止められることが多いが、実際はそんなことはなくてオーナー自身が株主なので、株主目線で長期にわたり利益を最大化する経営が可能。

二つ目が迅速な意思決定ができる。

一般的にはファンドは市場環境や為替相場などの外部要因を分析し、今後業績が伸びる企業を選別することが多い。しかし、このファンドはそうした分析はあまり重視しないといます。

正直、私は外部環境の変化を当てる能力はない。

外部環境を予想するのではなく、そこに対応できる実行力のある経営者を選別することに力を注いだ方がリターンが上がる。

こちらが最新の主な投資先。

 銘柄比率(%)
1ZOZO6.7
2アダストリア6.5
3ファイバーゲート6.4
4ウェルビー6.2
5ディスコ6.1

もちろん、すべてオーナー企業です。

株式会社ZOZO

[blogcard url="https://zozo.jp/"]

最も投資をしているのが前澤友作氏が率いるZOZOでおよそ22億円。2月から買い始めたといいます。

ZOZOを巡っては去年12月、一律で値下げする「ZOZOARIGATO」キャンペーンを打ち出すも、加盟店からは不評を買い、ZOZO離れの動きが鮮明に…

先月、キャンペーンを終了するなど混乱が続きましたが、その最中に買ったのだといいます。

オーナー企業は特に失敗したときの意思決定が早い。

数ヶ月しかたっていない段階で肝いりで始めたことを手のひらを返せるのはオーナー企業の強み。良いところが出たと評価している。

短期的なリターンよりも前澤社長の長期的な戦略に期待したためだといいます。

株式会社シルバーライフ

[blogcard url="https://www.silver-life.co.jp/"]

そんな投資戦略を取る北原さんが去年最も成功したのがシルバーライフというオーナー企業です。

シルバーライフが手掛けるのは高齢者向けの弁当宅配サービス。ある工夫で急成長中だといいます。

週に3回、当社の工場から配送されます。

調理は不要になります。

調理済みの食材が工場から配送されるため、店舗にある調理器具は炊飯器と鍋のみ。作業は弁当に詰めるだけというシンプルさにこだわっています。

フランチャイズオーナーにとっては参入しやすい条件が揃い、全国671店舗まで拡大しているのです。

売上はここ5年で3倍となり、65億円を超えました。

株価も2017年10月に上場して以来およそ2倍となっています。

多くの有望なオーナー企業を発掘してきた北原さん。この日はあのシルバーライフを訪問。

上場以来、この企業に投資をしている北原さん。ある質問をぶつけます。

アクシデントなどで社長を辞めるとこの会社はどうなるか?

シルバーライフの清水貴久社長は、

今この業界、この事業を私以上に伸ばせる人はいないと自負。

自身を持って頑張っていきたい。

直接対話を終え納得した様子の北原さん。

実は投資先のオーナー企業には必ずあの質問をぶつけているといいます。

「どういう答えを期待?」

私が好きなのは「私がいないとこの会社は立ち行かなくなる」、そういう企業に投資をしたい。

「『しっかりと優秀な後輩に引き継ぐ』と言いそうだが?」

そういう企業は私以外のファンドに買ってもらったらいい。

弁当業界なんでほとんど知らない。逆にそれは知らなくていい。

業界に精通するより、業界で活躍できるオーナー経営者を見つけることに注力する。

オーナー企業に投資するという独自の視線で実績を上げる北原さんらの投資信託。

株式会社格付投資情報センター

[blogcard url="https://www.r-i.co.jp/index.html"]

今回R&Iファンド大賞の最優秀賞に選出したアナリストは有望なファンドの見極め方についてこう説きます。

格付投資情報センターの岡忠志チーフアナリストは、

上昇局面だどどの銘柄を買っても大きく上がる。なかなか真価はわかりにくい。

株価の急落局面でいかにうまく運用できるか、そこでファンドの真価がわかる。

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