強い個性で会社を率いるアパレルの大手2社がネット通販をめぐり激しい攻防を繰り広げることとなるのでしょうか?
ユニクロを展開するファーストリテイリングは10月9日、ネット通販を強化するための核となる施設を報道陣に初公開しました。
ただユニクロが力を入れるネット通販の分野ではすせにZOZOが圧倒的な地位を築いています。
さらに体型が測れるゾゾスーツを使って今度はユニクロの牙城である製造小売業に参入しようとしています。
アパレルの売上においてネット通販の存在が高まる中で競争は激しさを増しそうです。
株式会社ファーストリテイリング
[blogcard url="https://www.fastretailing.com/jp/"]
東京湾沿いに大きくそびえ立つ「UNIQLO CITY TOKYO」。
ファーストリテイリングの本社機能を持つオフィスと物流倉庫が一体となった施設です。
10月9日、その巨大倉庫が初公開されました。
山川龍雄キャスター、
ここがユニクロが公開した物流センターの3階部分です。ほぼこのフロアは人がいません。
こちらはユニクロのネット通販専用の物流倉庫です。
これまでひとつひとつ人の手でバーコードを読み取り行っていた検品を箱ごと機械に通すだけ。
バーコードではなくRFIDと呼ばれる無線タグが全商品についているので箱に入っていても商品情報が一度に把握できます。
人手を要するのは商品を箱に詰め込む作業のみ。
こうして人でのかかる作業を徹底的に省き、90%の自動化を達成。
注文から発送までの時間は大幅に短縮されたといいます。
物流システム大手のダイフクと協業することでこうした自動化を可能にしました。
柳井正会長兼社長、
できるだけ最短で世界中に自動倉庫を作りたい。
今後、1,000億円規模の投資をして、こうした自動物流倉庫を全世界に広げていきたいといいます。
「全世界の最短とはどのくらいの期間?」
多分ここに出席の人は反対すると思うが、2~3年くらいでできるのではないかと。
担当者も思わず苦笑いするほど急ピッチで自動化を進める理由はネット通販の強化です。
現在、国内のネット通販の売り上げは全体のわずか1割ほど。
それを2020年代には3割まで引き上げる目標を掲げています。
株式会社ZOZO
[blogcard url="http://zozo.jp/"]
ユニクロがこうした改革を急ぐ背景にはあの人の存在も…
ZOZOの前澤友作社長、
月に行ったらきっといい仕事ができると思うから月に行く。
大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの前澤氏は10月9日、先月発表した月を周回する計画についての会見を開きました。
テスラのイーロン・マスク氏にゾゾスーツを渡して、なんてクレージーなアイデアなんだと喜ばれた。
これで体を測って宇宙服を作ってともちろん話した。
前澤氏は月への壮大な夢だけではなく本業についても自信をのぞかせます。
ファッションという分野においては自分たちがイーコマース(電子商取引)の業界をけん引していく自負を持って事業をしている。
アパレル市場でネット通販が存在感を高めています。
柳井正氏
これに対し柳井氏は、
ZOZOみたいなところが全部アパレルの市場をとるとは思っていない。
われわれの方が企画・製造・販売・市場調査まで全部できるところが強い。
ただ、ユニクロはネット通販の分野への対応が遅れています。
そんな中、ZOZOはゾゾスーツと呼ばれる採寸用のスーツをお客様に無償で配布。
そのスーツで計測した体型データを元にお客様のサイズにピッタリ合った服を販売するサービスをいち早く市場に導入しました。
ゾゾスーツに関してはノーコメントにさせていただきたい。
あんな難しいことをせずとも採寸できる仕組みは世界中にたくさんある。
プライベートブランドを推し進め、製造小売業に乗り出したZOZOに対しても反応は冷ややかです。
「アマゾンあるいはZOZOTOWN、そういうところとの競争の行方が気になります。この両社と比べたときの強みは?」
彼ら(ZOZO)は単純にモール。製造能力、商品を企画する能力、客様の志向、体感的に感じる能力があるようには思えない。
前澤友作氏
一方で前澤氏は今後も強気の姿勢です。
自分がやっていることに自身を持っている。
他の会社に影響を受けながら何かをやることはない。
自分たちのやりたいことを信じて突き進むのみ。