レストランやコンビニサービス業の年中無休はこれまで当たり前でしたよね。
しかし、この年末年始は人手不足を背景に、年中無休が転機を迎えています。
株式会社テンアライド
[blogcard url="https://www.teng.co.jp/"]
東京・渋谷にある年中無休の居酒屋「天狗 宮益坂店」。
この年末、ある異変が…。
約270席、この店を取り仕切るのは入社10年目の店長、宮内洋さんです。
働くスタッフは厨房とホールを合わせて約10人。平日の営業時間は昼から夜までと長く12時間あります。
スタッフ30人のシフトを宮内さんが調整しますが、忘年会シーズンで稼ぎ時の年末に急な欠員が出た時にはその穴埋めに入ることもあるといいます。
人が働いていない時間に働くのが当たり前という時代で私もやってきた。
そのような中、2017年この天狗などを運営するテンアライドではある決断を下しました。
122店の全店で創業以来初となる大晦日の休業を決めたのです。
宮内さんは、
大晦日に休むのは初めて。家族と過ごせるのは本当に幸せ。
お客様の反応
大晦日休業はいい決断。どこかがやらないと始まらないので。
遊びに来ている人が入れる店が少なくなるのは残念。大晦日ギリギリまでは営業するのが難しい。そういう時代。
この店舗、多い時には1日800人が来客。大晦日の売り上げも少なくありません。
しかし、休んだ分は他の日で補えばいいというのです。
テンアライドの芳澤聡人事部長は、
従業員の労働環境改善によるモチベーションアップが大きい。年末年始はずっと忙しい日が続くので大晦日の休みで元旦以降に頑張ってもらえる。
年末年始の休み
実はいま年中無休が当たり前だった業界で年末年始に休む動きが急速に広まっています。
定食屋チェーンの大戸屋は従業員の健康のためとして直営店の半分以上で大晦日と元日を休みに。
その他に中堅コンビニやファミレスでも元日に休業にする店が出てきています。
さらにソフトバンクでは販売店の約7割、2,500店舗を元日休業に。代理店が9割を占める販売店では売り上げ競争も過酷なため休業する店に支援金を出すことで休みやすくしました。
こうした動きに街の声は、
やっぱりやっていてほしい。年齢的に外食のほうがうれしい。
昔、飲食店で働いていた。年末年始は家族で過ごしたい。
株式会社リクルートジョブズ
[blogcard url="http://www.recruitjobs.co.jp/"]
年末の時給は年々右肩上がり。過去最高の水準となっています。
それでも採用側は人を集めるのが難しいといいます。
リクルートジョブズの宇佐川邦子センター長は、
年末年始、皆さんが楽しむ時期、それを支える人も必要。残念ながらそこで働いている人は皆さん休みたい。
例えばサラリーマンの副業の募集をかけたり、シニアが代わりに入る短期間の募集が増えている。
大阪王将 渋谷駅前店
[blogcard url="https://www.osaka-ohsho.com/"]
年中無休を打ち出していた企業はこれまでとは別の働き手を求めています。
24時間営業をするこちらの中華料理チェーン。
シフト表を見せてもらうと外国人の名前がズラリ。従業員の9割を占めるアルバイトは全員外国人です。
村山敬祐店長は、
すべて外国人留学生。ベトナム人とネパール人と中国人。
この店では年末年始の期間は時給を25%アップさせアルバイトの人手を確保。
ベトナム人アルバイトは、
お金が欲しいから働きます。同じ時間働いてもお金がもっともらえるから。
それでも元日だけは休みにせざるを得ませんでした。
従業員に長く働いてもらうためには年中無休を諦めることもやむを得ないと考えています。
従業員の労働時間などを考えるとやはり休業が適正なのかな。営業時間を短縮して余った時間はスタッフとコミュニケーションをとりたい。
人手不足の中、年中無休をやめる動きはまだまだ広がっていきそうです。