[ガイアの夜明け] 「絶望職場」を今こそ変える!(3)

「絶望職場」を今こそ変える!

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岐阜一般労働組合

岐阜県大垣市。

岐阜一般労働組合の甄凱さん(59歳)。

入っていい?

甄凱さんはトラブルを抱えた実習生を保護する活動をしています。

前回の放送では縫製会社で働く5人の中国人実習生が助けを求めてきました。

日曜日以外は毎日15時間半働いていました。休みは7ヶ月でたった1日だったんです。

彼女たちの給与明細を見せてもらうと残業は197時間、しかも時給は最低賃金を大きく下回る400円。これだけ働いて手取りは月14万円に届きません。

これまで働いた分を法律が定める最低賃金で計算すると未払い賃金は1人約630万円に上ります。

ところが、

社長は「払う金がない」って言ったんです。会社が雇った弁護士は「会社には支払能力がないから倒産するしかない」って。

彼女たちが働いていた会社は賃金を払わないまま倒産したというのです。

縫製工場

その会社の様子を見に行ってみました。

作業場のプレハブ小屋を覗くと何故か働く人の姿が・・・。

ワタシ入ったらあかんがね。

社長夫人です。

ワタシ入ったら不法侵入やで。

ワタシ人間違うで、入ったらダメ。

この会社の実習生は20人。甄凱さんに相談した5人は解雇され、他の実習生はまだ働いていたのです。

ワタシらはここからは違う。人間が違います。

突然の引っ越し

4日後の7月3日。

会社に異変が・・・。

ミシンが運び出されていきます。

一方、実習生たちのアパートにも動きがあります。

引っ越しの作業をしているわ。食器とかベッドとか荷物を全部出している。

甄凱さんに助けを求めた5人以外の実習生はを移動させるというのです。

そこへ縫製会社の社長がやって来ました。

アパートはどうなるんですか?

会社は潰れちゃったから、6月末で。

14人の実習生をどこに連れて行く?

分からない、あなたに関係ない。

社長はそのまま走り去ってしまいました。

14人の実習生

9月7日、静岡県浜松市。

外国人の実習生を保護している甄凱さんの姿がありました。

やって来たのは岐阜の縫製会社で働いていた14人の実習生が連れてこられた場所。

彼女たちからも助けて欲しいと連絡を受けたのです。

この会社の社長です。

社長さん?申入書を持ってきています。

この子たち何を今困ってます?

実習生たちも外に出てきました。

14人をこっちに連れてきて仕事を継続させて、そういうことは事実ですよね?

彼女たちが撮影した工場内の様子。義父の会社で製造していたものと同じブランドの服をここでも作っていました。

違うデザインもあるけど、ブランドは岐阜の会社で作ったものと同じよ。

彼女たちが住んでいた部屋には二段ベッドが並べられ10人が寝起きしていました。

この状態で家賃と光熱費が1人月3万円も引かれていたのです。

7月は半月働いて給与は6万9,000円。家賃などを引かれて手取りは3万2,000円でした。

「お前たちは前の会社に捨てられた犬だ」「感謝しろ。今働けるだけでありがたいと思え」って言われたわ。

どうしたらいいの?

ほとんど稼いでいない。日本に来るためにどれだけ借金をしたか。

作業場にあった発注書。宛名にはあの義父の会社の名前が、日付は3日前の9月4日。岐阜の会社が受注してここで実習生に作らせていたのです。

しかし、あの会社は倒産したはずですが・・・。

「岐阜の会社は倒産したのでは?倒産したのになぜここに発注書が来る?9月4日付で。」

違う会社でしょ。当たり前じゃないかバカ。

「たまたま同じ名前だけど?」

私はそこら辺の事情は知りません。関係ないから。

黙ってりゃいいんだこんなのは。話す必要ないんだから。

もう中国帰れ、お前ら。

するとそこへパトカーが・・・。誰かが通報したようです。

結局、警察が介入し14人の実習生は甄凱さんたちに保護されることに。

新会社

9月中旬、岐阜県大垣市。

倒産したという実習生がいた会社を尋ねると建物が新しくなっていました。

駐車場を潰して大きくなっています。

あの社長です。一体どういう事なのか?

登記簿を調べてみると社長が6月末で倒産したと話していた会社はこの時点でまだ存在していました。

さらに調べてみると意外な事実が・・・。

あの社長が新たに別の会社を作っていたのです。設立は6月1日。未払い賃金のトラブルが表面化した直後です。

以前の会社名は「C」で始まるアルファベット、一方の新しい会社は「ク」で始まるカタカナ。文字は違いますが読み方は全く一緒です。

さらに所在地は隣り合っていて業務内容も同じ、代表者も同じ、あの社長です。

外国人技能実習の問題に取り組む指宿昭一弁護士に登記簿を見てもらいました。

破産申立をしているのにほとんど同じ会社を立ち上げている。代表する取締役も同じでなぜ新しい会社を立ち上げているのか疑問を感じる。前の会社を潰さないでそのまま続けることはできたと思う。なぜ続けることができたのに続けなかったか、未払い賃金の支払いを免れるためだと思う。

技能実習生から賃金を請求されて会社を潰してしまうというケースはとても多い。こんなことが許されていいわけがない。実際にはものすごく多く行われている。

担当弁護士

11月24日、岐阜県大垣市。

甄凱さんと実習生が真相を正すため岐阜の会社に向かいました。

社長、こんにちわ。事務所変わったんですね。

もう返したから前の会社。全部返したから終わったんです。

今どうなっているんですか?新しい会社やっているんですか?

新しい会社と言うか、新しい会社ですけど、弁護士先生から話がいっていると思うんですけど。

社長が今ここで何をやっているか教えてほしい。

聞いてくださいよ、弁護士先生に。

弁護士と話せと黙り込む社長。

仕方なく担当弁護士に電話を掛けます。

担当の弁護士は、

破産した会社の社長が事業をやっちゃいけないの?

そういうやり方を繰り返すことが正しいと思っているわけ?

だってやれるんだもん。法律が認めているんだから。ラーメン屋が潰れてラーメン屋をやっちゃいけないの?再起を図るために。

やってもいいんえすけれども、前のことを責任もってやるべきでしょ。

だから破産させたじゃん。

実は甄凱さん、この弁護士からある手続きを勧められていました。

未払い賃金の立替払い制度

それは会社が倒産し、未払いの賃金があった労働者に国が立て替えて支払うという制度。

財源は企業が払っている労災保険です。

しかし、この制度で受け取れるのは直近6ヶ月の賃金だけ。しかも、額面の8割です。

「立替払制度」で国に支払ってもらって、また新しい企業をおこして同じことをやる。国は困るんじゃないですか?

いけなくないもん、国がいいって言っているんだから。

そういう理解ですか。

実習生の未払い賃金を国に肩代わりさせ、また新し会社を立ち上げる。この会社の弁護士は法律上問題はないと主張したのです。

指宿弁護士に確認すると、

確かに今の立替払制度上、国から立て替え払いした賃金を新会社に返してくれと言えない。おそらく1円も返ってこない状況になる。制度上の不備があるのではないか。

未払い賃金が払われていないあの実習生たち。ビザが切れるため帰国が迫っていました。

私たちは最後まで戦います。

彼女たちの最後の戦いとは一体?

手紙

12月5日、東京・代々木。

甄凱さんと実習生たちの姿がありました。

毎日、このブランドの作っていたんです。

それは若い女性に人気のブランド。値段は1万3,000円。

彼女たちはこのブランドの孫請け会社で働いていたのです。

タグには「MADE IN JAPAN」の文字。品質の高さをアピールしています。

これを1時間に1枚作っていたわ、時給400円でね。

実習生たちを「安い労働力」として使う。日本のアパレル業界で頻繁に起きている。仕事を発注する会社の責任を聞きたい。

彼女たちはアパレル会社の社長宛てに手紙を書いていました。

苦しい毎日でしたが最新のデザインの美しい洋服を縫うことは私たちの喜びでした。1人600万円の未払い残業代はもらえないままです。

綴られていたのは、この実情を知ってほしいとい思い。

そして最後に、

私たちのような実習生をこれ以上出さないと約束してください。

と書かれていました。

間もなくビザが切れて帰国する彼女たち。

向かったのはアパレル会社の本社です。

事前に連絡をしていたので社員が外で待ち構えていました。

要請文をお届けにあがりました。

では頂戴致します。

この商品、おたくのブランドの商品ですよね。

これでよろしいですか?

もう結構です。

このアパレル会社にとって彼女たちは孫請け会社の工員。直接の取引がない場合、日本の法律では責任は問われません。

中に入らないの?

入れない。

会社側は彼女たちの思いをどう受け止めたのか?

取材を申し込むと、

法的義務のないことについて、取材には応じられません。

と文書で回答がありました。

メイド・イン・ジャパンを影で支え続けた外国人技能実習生たち。

彼女たちのように理不尽な目に合っている実習生たちが日本各地に大勢いるのです。

こういうことを引き続きやれば外国人技能実習生は日本からいなくなる。これから日本は外国人の労働力が必要になってくる。早めに国として考えて、この問題を直す義務があると思う。

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