コロナ禍の7月末に異例の上場を果たしたある企業に注目します。
こちらの男性がその企業のトップですが、高校を中退し自らホームレスの道を選んだという型破りな経歴の持ち主です。
独自のサービスを生み出すその舞台裏を取材しました。
株式会社Sun Asterisk
[blogcard url="https://sun-asterisk.com/"]
東京・世田谷区にある千歳船橋駅周辺でも新型コロナによる影響が出ていました。
飲食店を経営する関将一さんが向かったのは…
駅から徒歩5分、最近出た掘り出し物の物件です。
広いですね。
元々はパチンコの景品交換所。
関さんが使ったのは不動産マッチングサイト「テナンタ」です。
その特徴は、
これだと情報を載せておけば良い物件のオファーが来るので効率が上がる。
求める物件の情報を登録すると不動産会社が見つけてくれるのです。
関さんが経営するのは和泉屋吉之助。
テイクアウト需要の高まりを受け新たな店を出すことを狙っています。
テナンタには現在730社が登録。
コロナ前と比べて倍以上に増えているのです。
サービスを手掛けたのが革ジャン姿の小林泰平社長(36歳)。
この日やって来たのは東京証券取引所。
経営するサンアスタリスクがマザーズに上場を果たしました。
公開価格700円に対し注目の初値は…
1,200円くらい。
市場からの期待があると受け止めて。
ここから先、ここから先どうするか。
市場からの期待が高まる小林社長、実は異色のキャリアが…
東京都庁のすぐ横にある新宿中央公園。
ここは小林さんにとって思い出深い場所です。
寝床ない時にこの辺とかはちょこちょこ寝ていた。
17歳の頃、音楽活動に没頭していた小林さんは名門高校を中退。
家を出てホームレス生活を送っていたのです。
できる仕事をやるという感じで日雇いで雇ってくれるところに行ったりとか。
自分らしく楽しく生きるための方法が世の中に無いと思っているよりは無一文の状態だろうが何だろうがやっていけることはやっていける。
行動を起こすことは大事だと思った。
その後、一念発起し当時では未知のIT業界へ。
今ではエンジニア1,000人以上を抱える企業のトップになったのです。
それが小林さんが社長を務めているサンアスタリスク。
そのビジネスモデルがこちら。柱のひとつが起業家の支援です。
起業家の悩みである資金調達やIT技術者の確保などをサポートし、解決するのが仕事。
その成果に応じた報酬を起業家からサンアスタリスクが受け取る仕組みです。
あの不動産仲介サービス「テナンタ」も企業家の思いを形にした新たなサービスでした。
考案したのが小原憲太郎さんです。
一からサポートし、去年サービスがスタートしました。
「サンアスタリスクとテナンタの関係は?」
思いを持ってチャレンジしたい人たちの足りないところを補うから会社に来てくれればなんでもやれるよと。
「一緒にやろうぜ」みたいな。
僕らみたいなゼロからサービスを作り上げる段階の時は何でもできるスーパーマンみたいなエンジニアが必要。
そのタイミングで入ってくれるのは相当難しい。
開発をサポートしたエンジニアの一人がベトナム人のチャン バー チョンさんです。
サンアスタリスクのベトナム側に入って4年経って3年前に日本に異動になった。
新しい仕事に興味を持っている。特に日本のサービス。
サンアスタリスクは創業時からベトナム人のエンジニアを積極的に採用し、成長してきました。
ベトナムの首都ハノイ。
高層ビルの中にサンアスタリスクのオフィスがあります。
こちらのオフィスではベトナム人のエンジニアが1,000人働いています。
ベトナムの大学と提携し日本語が使えるエンジニアを育成。
1,000人以上の社員が日本企業のITサービスの開発・運営を手掛けているのです。
日本でIT人材が不足する中、小林さんが見出したのがベトナムだったのです。
仲間がいないとかお金が無いとかいろいろな理由で諦めてしまう。
そういったことを諦めなくていい社会にしたい。
価値創造に夢中になれる、世界を支えるインフラになりたい。
開発したサービスはコロナ禍で大きく需要を伸ばしています。
音楽配信などを手掛けるUSENはサンアスタリスクが手掛けたオンラインシステムを導入。
法律学を学んでいます。
2月から面接は全てオンラインに切り替えました。
利用企業は現在、コロナ前の3倍以上に急増しています。
ホームレスから飛び込んだITの世界。
小林さんは今…
自分たちらしく、サンアスタリスクらしく、突き進めるということ自体、僕にとって最高に幸せでワクワクする。
社会に価値を生み出していく、やり続けていくことが最高の恩返し。