[WBS] 岐路に立つ太陽光発電!来年買い取りが終わる!?

ワールドビジネスサテライト(WBS)

環境に優しいエネルギーとして自宅に太陽光パネルを付けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

発電した電気を自宅で使えるだけでなく、余った分を電力会社に売って収入を得ることもできます。

ただ来年以降、こうした状況が大きく変わりそうです。

普及・拡大を続けてきた太陽光発電がいま転機を迎えています。

國井範彰さん

埼玉県行田市。

こちらの一軒家・・・

國井範彰さん(75歳)、いまは一人で暮らしています。

調理に使うのはIH(電気コンロ)。

この家はオール電化です。

家の裏に案内してもらうと、

あそこに付いているのが太陽光発電。南と西に付いている。

両方で3.15キロワット。

太陽光パネルは2007年に設置しました。

電気代の足しになり、エコに役立つかと。

國井さんは昼間発電した電気は自分の家で使い、余った分を電力会社に売っています。

電力会社に売ったのが金額では1万7,520円。

5月は売電金額から発電しない夜間に買う電気代を引いたおよそ1万3,000円が収入です。

「たいてい黒字になる?」

いまはそう。逆転することはない。

固定価格買取制度で48円の買取価格だから。

固定価格買取制度

民主党政権下で始まった固定価格買取制度。

太陽光などで発電した電気を10年間、同じ価格で電力会社が買い取る制度です。

太陽光発電の買取価格をそれまでの2倍の48円にしたことで一気に普及しました。

しかし・・・

「来年以降は?」

一部ではゼロとも聞きます。

実は制度開始から10年となる来年以降、固定価格での買い取りが順次終了します。

2019年は53万件が対象です。

来年以降は電力会社が買取価格を決めますが10円前後に急落するとの見方も。

手続きを忘れるとゼロ円になることも・・・

さらにおよそ10年ごとにパネルの部品交換などで十数万掛かることも多い。

FIT(固定価格買取制度)で設置費用に見合う電気代収入があったというのは少し違う。

九州で異変!出力抑制とは?

熊本県和水町。

ここでも太陽光発電を巡って異変が・・・

1.8メガワットの出力を持つメガソーラー。

10月20日土曜日の朝、1人の男性がやって来ました。

向かったのは発電した電気を電力会社に送る装置。

何をするのか?

止めます。

その瞬間、発電量はゼロに。

芝浦グループホールディングスの久野大介主任、

九州電力から出力抑制の要請があり発電所を停止させるために来た。

「雲一つない晴天だが?」

30万円ほどの売電収入があるはずだった。

出力抑制とは一体?

出力抑制

電力会社は日頃から企業や家庭の消費電力を予測し、火力や水力などで発電量を調整しています。

発電量と消費量の差が大きくなると周波数が乱れ大規模な停電を起こしかねない。

九州電力はここ数年、停止していた原発を再稼働。

現在、4基が稼働しています。

加えて太陽光発電も年々増加。

発電効率の良いこの季節、消費量が減る週末は電力が供給過多になるとして今月、九州電力が初めて太陽光発電の出力抑制に踏み切ったのです。

佐賀県嬉野市にあるこちらのメガソーラー。

ここも出力抑制の対象となりました。

チョープロの定富勉取締役、

11時~14時は本来伸びないといけない。出力抑制がかかっている。

ここでは発電量の多い昼前後だけ抑制されていました。

実は最近作られたメガソーラーの多くは電力会社が遠隔で出力抑制が行える装置の設置が義務付けられています。

出力抑制をかける回数に上限はなく、損失補償もありません。

「事前に通告は?」

ない。

「事後に通達は?」

なかった。

九州電力は今月初めて出力抑制を実施。

対象は9,759件でした。

以降、3回実施しましたが初日以外は対象件数を明かしていません。

太陽光発電は企業にとって事業計画が立てづらいものになりつつあるといいます。

今後新しく事業としてやるかといえば、買取価格も落ちていて出力抑制がどれだけかかるかも不透明。

資金調達も含めなかなか進んでいかないと思う。

普及拡大を唱えてきた太陽光発電を巡る政策はいま大きく変わろうとしているのでしょうか?

経済産業省

エネルギー政策を取り仕切る経済産業省。

今回、WBSはそのトップを直撃しました。

世耕経済産業大臣、

基本的には太陽光も風力も再生可能エネルギーはまだ入れなくてはいけない。

その前提として電気が余った場合の対処は考えねば。

国は今年示したエネルギー基本計画でも再生可能エネルギーを主力電化に目指すと明記しました。

ただ今は電力が余った場合、天候に左右され発電量が不安定な太陽光発電は原発よりも先に抑制の対象となります。

蓄電がしっかりできる、余った分を蓄電して、電気が足りない場合に提供できれば制御の必要がなくなる可能性もある。

今現実としてコスト的にも成り立ちにくいのが現状。