
アパレル業界の衣服の廃棄問題と地方を中心に衰退が進む商店街の問題。こちらの2つの社会課題をビジネスを通して同時に解決しようと立ち上がった高校生たちがいます。18歳の挑戦を追いしました。
高校生がビジネスで解決!
アパレル廃棄×街の活性化
岩手県南部に位置する奥州市。人口11万人ほどの街です。
中心部にある水沢駅前の商店街を覗くとほとんど人の姿はありません。
住民

下火、商店街は。
昔は閉めている店はなかった。
住民

昔は結構にぎやかだった。
人通りも多かった。
今では閉まったシャッターばかりが目立ちます。
その駅前から車で5分ほどの場所にある県立水沢商業高校。ここに商店街にかつての賑わいを取り戻そうと動き出した高校生がいます。
大山あかりさんたち4人。商業科に通う3年生です。
あるビジネスを通じて商店街を活性化しようというのです。
それは…
水沢商業高等学校
大山あかりさん

アパレル廃棄問題。
アパレルブランドは結構服が売れ残っていて、それをアパレル店が不足している私たちの地域で販売して新たな販路になったらどちらも解決する。
自分たちで新たな店舗をつくり、捨てられる服を販売する。寂れた街の活性化とアパレルの廃棄問題、この2つを同時に解決しようというのです。
水沢にあるのはほとんどが低価格帯の店。4人の調査では住民のおよそ8割が衣料品の購買環境について満足していないと回答しています。
そこに商機があると1年生の時から温めてきたビジネスプラン。復興庁が主催するコンテストでは優秀賞も受賞しました。
このビジネスを実現させるため4人はある人を頼ることに。
山本昌一さん、大阪にある大手の在庫買取会社の社長です。
山本さんはアパレルブランドなどがどうしても売り切ることができなかった服の在庫を定価の1割ほどで買い取り、それを自社の店舗や通販サイトを通じて2割ほどの価格で安く販売しています。
今年5月、その山本さんに在庫の服を提供してもらえないかと依頼していたのです。
ショーイチ
山本昌一社長

彼女たちのこのビジネス提案はいいところに目を付けた。
高校生でこれだけ熱くなれるのはうらやましくなった。
山本さんがこの日、奥州市までやって来たのは、あの商店街で店舗用の物件を視察するため。
和風の内装、以前は着物の店でした。しかし、10年近く使われないままで窓や鏡には長年こびりついた汚れが、壁は剥がれています。
水沢商業高等学校
小竹美貴さん

こんなところで店ができるのか。
思っていたより汚い。
ショーイチ
山本昌一社長
全部白く塗ってもらう。
そしたら清潔感が出る。

山本さんの後押しもあり、この場所に店を開くことが決まりました。
9月下旬、大阪。大山さんたちの姿がありました。
向かったのは山本さんの会社の倉庫「シューイチ物流倉庫」。自分たちが店舗で扱う在庫の服がどういうものか知るためにやって来たのです。
ショーイチ
山本昌一社長

例えばこの辺はブランドの商品。
よく知るブランドも大量に売れ残っていたことに驚きを隠せません。
ショーイチ
山本昌一社長

こういう商品はブランドの服だからタグを切らないといけない。
在庫を買い取る際にブランド側からは名前が分からないように売って欲しいという依頼が多くあるため、一つ一つブランドのタグを切っていたのです。
大山さんたちもやらせてもらうことに。服を切らないよう慎重にハサミを入れます。
ショーイチ
山本昌一社長

これでブランドが分からない状態。
そして10月のオープンに向け店で扱いたい服の要望を山本さんに伝えます。
水沢商業高等学校
渡辺柊さん

岩手県は寒いので暖かいアウターとかあれば。
水沢商業高等学校
小野寺優美さん

柄ものよりシンプルな服の方が嬉しい。
ショーイチ
山本昌一社長
「暖かいもの」と「シンプルなもの」を送るようにするので。

そして10月、水沢駅前の商店街。開店準備が進んでいました。
若者から高齢者まで幅広い客層に対応するために婦人服などおよそ700点を揃えました。
倉庫でタグを切ったあのセーターは1万4,000円だったものが1,500円。
そしてオープン当日。開店時刻を過ぎると店には続々とお客さんの姿が…
こちらの女性、ズボンやトップスなど合わせて4点をお買い上げ。
お客さんに渡していたクーポンの裏側を見ると「あなたの買い物がアパレル廃棄問題の解決につながります」とのメッセージ。4人のアイデアです。
地元のお客さん(60代)

なかなか地元でいい洋服店がない。
こういう店ができてくるとありがたい。嬉しい。
山本さんも嬉しそうです。
店には若者の姿も。
地元のお客さん(20代)

思っていたより、いろいろな種類の服があって見ていて楽しい。
商店街に賑わいが戻る最初の一歩となるかもしれません。
水沢商業高等学校
大山あかりさん

お客様がいっぱい来て少し安心した。
微力ながら廃棄医療を減らすことに貢献できているのではないか。