各国の主要銀行の大規模な金融緩和で世界的に金余りといわれていますが、その影響もあるのかもしれませんが実はアート作品の価格が上昇していて、マーケットが活況になってきています。
そうした中、そのアート市場を支える新しいテクノロジーが注目されています。
SBIアートオークション株式会社
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東京・代官山。建物の外に人だかりができています。
中で開かれていたのは…
87万円からまいります。
87万円、90万円、93万円、95万円、97万円、100万円、105万円、会場前方のお客さま。
現代アートのオークションです。
新型コロナウイルスの影響でリモート開催が主流でしたが、最近はリアルで開催が復活。活気が戻っています。
想定価格は770万円でスタートしたこちらの絵画「ロッカク アヤコ"無題"」。
2,000万円。会場前方のお客さま、2,000万円です。
2,100万円、408番のお客さま。
2,150万円。
想定価格のほぼ3倍で落札されました。
そして最も注目を集めたのがイギリスを拠点にする匿名の芸術家、バンクシーの作品「Avon and Somerset Constabulary」です。
こちらは2,900万円からスタート。
3,200万円、3,400万円、3,600万円、3,800万円、4,000万円、4,200万円、4,400万円、4,600万円、5,500万円、5,700万円。
やはり価格が上がり続けます。
6,000万円、6,500万円、7,000万円、7,500万円、7,700万円、8,000万円、8,000万円、8,000万円です。
よろしいですか?8,200万円とかないですか?
それでは落札します。
8,000万円。
海外からの顧客も参加していましたが入札したのは日本国内の顧客でした。
この日は419点が出品され、落札総額は8億円を超えました。
かつては想定価格の2~3割で落札されるケースがほとんどでしたが、今は2~3倍を超える高値での落札が増えているといいます。
SBIアートオークションの加賀美令さん、
アートの落札価格が上がってきていて、アートを投資のように、資産のひとつとして考えて投資対象としてとらえる人が増えてきている実感はある。
投資対象として注目されるアート作品。
それだけに作品が本物だということを証明するこうした作品証明書も重要になっていますが、ある問題が横たわっています。
偽造ですね。
偽造の証明書が出回っていたりするので大変気をつけている。
見破るのが難しい偽造された証明書も少なくないといいます。
そこでオークション会社では今回、作品を証明するための新たなサービスを導入しました。
会場の椅子を見てみると…
「ブロックチェーン」と書かれています。
ビットコインなど仮想通貨に使われている改ざん不可能なブロックチェーン技術を使いデジタルな証明書を発行するというものです。
東京大学発のスタートアップ企業が開発したサービスでこのICチップがカギとなります。
スタートバーンの高仙雅さん、
チップを携帯が読み込むので”証明書”が携帯に表示されます。
スマホが読み込んだのはICチップの呼び出したオンライン上のデータ。
作品の作者名やこれまでの所有者が誰だったのか、全データが改ざん不可能なかたちでブロックチェーン上に記録されているといいます。
ブロックチェーンは改ざんできないし、削除もできないという特性を利用して安全にデータを保存していく。
作品情報だけでなく、来歴の情報や展示歴の情報など作品に関係するいろんなデータを入れることで、ひとつのブロックチェーン証明書として新しい概念の証明書をつくっていこうと。
デジタル化の流れはアート業界にも広がるのでしょうか?
オークションの参加者に聞くと、
今後はデジタルの方向に時代は進んでいますので作品の真贋などもデジタル化されていくと思う。
新しい時代だから古い紙にこだわってもしょうがない。
デジタル化に賛成します。
今回落札された419作品のうち36作品に対して顧客の要望でブロックチェーン証明書の添付が決まったということです。