企業が福利厚生のひとつである社員食堂にかける従業員1人あたりの費用の推移を現したものです。
2001年度は1ヶ月あたりおよそ2,700円だったのが、リーマンショック後の2009年度には大きく減少しました。
そして昨年度はおよそ1,700円となりまして、この2お年で1,000円も減少したことになります。
今年度はコロナの影響でさらに大きく落ち込むと予想される中、社員食堂を守るための新たな取り組みが始まっています。
株式会社LEOC
[blogcard url="https://www.leoc-j.com/"]
東京・江東区のLIXIL本社。
昼時、地下1階の社員食堂に案内されると…
このような形で寂しさはありますよね。
先月から休業していました。
以前は人気の社員食堂で1日1,200人が利用していたといいます。
ところがコロナで利用者が激減。休業したいと申し出たのは社員食堂の運営会社LEOCからでした。
LEOCの小川毅さん、
通常時の5割くらいないと収支が見合わなくなってしまう。
LIXILでは在宅勤務の拡大で出社する社員が10分の1以下に激減。赤字は避けられない状況でした。
決まった人数が利用するのが社食の計算しやすくて良いところ。
ただそれは食事の数があってこそ。ダメージは大きい。
複数の社員食堂を運営するLEOCの売り上げは前の年の7割まで減少。
トップシェフが監修する外食よりも美味ししい社食を売りにここ数年、社食事業の売上を伸ばしていたLEOCですが、社員食堂の運営に重点を置いた戦略が新型コロナにより裏目に出てしまったのです。
社員食堂をどうするのか、LIXIL側も頭を悩ませていました。
LIXILの谷亘総務部長、
企業側としても福利厚生の大事な一部。
社食をなくすことはまず考えていない。
一角をカフェスペースに…
今後は昼時以外にも軽食を提供。営業時間も大幅に伸ばしより多くの社員に利用してもらうことを検討しています。
株式会社グリーンハウス
[blogcard url="https://www.greenhouse.co.jp/"]
一方こちらは社食運営会社のグリーンハウス。
年商1,500億円の大手企業も苦境に陥っていました。
グリーンハウスの足立和彦さん、
社員が集まる場の象徴だった社食環境がコロナで一変した。
新規の食堂計画の中止や見直しが相次いでいる。
グリーンハウスも主要な関東エリアの売り上げが前の年から3割も減少。
グリーンハウスの赤澤俊哉さん、
今までなかったことだったので。
どうなってしまうんだろうというのが正直な気持ち。
ここはグリーンハウスが社員食堂を運営するオフィスビル「新宿パークタワー」。
8階にあるこちらの社員食堂はこのビルにオフィスを構えるおよそ40の企業が共同で利用しています。
「ご利用できません」という札を立て、ついていない席に座ってもらう。
コロナ対策を施し、営業を続けていますが利用者の人数制限も影響し売り上げは以前より4割も落ち込んでいました。
グリーンハウスの寺嶋崇さん、
新たな売り上げにチャレンジしなければならない。
そこで始めたのがスマホを使ったテークアウトのサービスです。
利用者がメニューから弁当を選び、受け取り時間を設定すると…
厨房ではそこから時間を逆算し調理をスタートします。
揚がったばかりの豚カツは絶妙なタイミングで弁当に。
今後はテークアウトにとどまらず出前形式など社員食堂の新たなサービスを目指しています。
食堂で待っていてもお客様は来てくれない。
このビルのお客様に持っていくとか、お客様のいるところに弁当を持っていく必要がある。
株式会社エデンレッドジャパン
[blogcard url="https://ticketrestaurant.jp/"]
そして自宅でテレワークをしていても社員食堂を利用できるサービスもあります。
お昼過ぎ、広告会社「エムシードゥコー」に勤める中澤聡さんについていくと…
使える店がいっぱいある。
赤い印のところ全てが社員食堂だというのですが一体どういうことなのでしょうか?
赤い印の一つ、近所の小洒落たカフェ「珈琲や」にやって来ました。
これがマーク。こういったところが使えます。
そこにはチケットレストランの文字が。
会社から支給されたこのカードで支払うと食事代の半額を会社が負担してくれるといいます。
今日のランチはこちら。チーズがたっぷり乗ったキーマカレー(950円)。実質の支払いは500円を下回ります。
このシステムの加盟店は全国およそ6万店。
テレワークを推進する企業からの問い合わせが増えているといいます。
コロナでよりいっそう会社に出社することがないので使いやすい。
新型コロナの感染防止に向け食事のあり方が問われる中、社員食堂の姿も大きく変わろうとしています。