無印良品を展開する良品計画が4月4日、都内に世界旗艦店をオープンさせます。
一体どこに建つのかというと、JR山手線の有楽町駅。そこから徒歩5分ほどの並木通り沿いにある銀座でもとてもいい場所です。
無印良品の旗艦店というと、これまでは有楽町店がありましたが土地の契約期間の終了に伴い、その近くに新たな旗艦店を建てたというかたちです。
そして、この新しい店舗には世界で3番目となる「MUJI HOTEL」が入るほか、無印良品としての店舗面積が世界最大を誇るなど並々ならぬ力が注がれています。
中でも特に力を入れているのが食の展開です。
その狙いを取材しました。
株式会社良品計画
[blogcard url="https://ryohin-keikaku.jp/"]
4月4日にオープンする無印良品 銀座。
売り場は1階から5階まで。無印良品の店舗としては世界最大を誇ります。
MUJI HOTEL
さらに特徴的なのがホテルです。
無印良品が店舗にホテルを併設するのは国内では初めて。
ホテルのベッドや寝具、アメニティグッズはすべて無印良品の商品です。
しかも、これらすべてホテルの下にある店舗で販売しています。
ホテルで使って気に入ればベットや枕なども買い求めることができます。
MUJI Diner
そして地下にも、日本で初めてとなる店が…
無印良品食堂「MUJI Diner(ムジ ダイナー)」です。
並ぶのは神奈川県の小田原漁港から直送された魚。
ムジ ダイナー銀座の小林寿春さん、
9時半に漁港から軽トラックで東京に向かう。
刺身、カルパッチョ、煮魚が提案できる。
さらにこちらでは…
宮崎ハーブプレミアム牛。基本的には1ヵ月に1回1頭買い。
ステーキ、ハンバーグ、赤ワイン煮を部位によってお客様に提案する。
無印良品が生産者から直接仕入れた食材を使って料理をして店内で提供します。
良品計画の松﨑曉社長、
もともと無印は原料を全世界から調達し、直接仕入れることで価格合理性を出してきた。
それについては食についても全く変わらない。
さらに無印ではあえて規格外の魚も積極的に仕入れるなどの工夫で全体の価格を抑え、お客様のリピートにつなげる狙いです。
生鮮食品売り場
ホテルとレストラン、国内初の施設をふんだんに取り入れた無印良品銀座ですが、いま一番力を入れているのが店舗に入ってすぐの野菜が並ぶ生鮮食品売り場です。
生産者がいま食べることが一番おいしい、どう食べたらおいしいか分かっているので、生産者に店に来てもらう。もしくはわれわれがお客様に情報を伝える。
こういうことをきちんと取り組んでいきたい。
野菜も関東近郊を中心に全国の協力農家から直接仕入れています。
株式会社風の丘ファーム
[blogcard url="http://kazenooka-farm.eco.coocan.jp/index.html"]
東京の都心から車でおよそ2時間の埼玉県小川町。
銀座の無印良品が取り扱う野菜の一部がここで栽培されています。
「何を収穫している?」
無印良品に野菜を納品している風の丘ファームの田下隆一社長、
菜の花を収穫している。
軸の太いところがコリコリしておいしい。
田下さんのこだわりは農薬と化学肥料にこだわらない有機栽培。
自然な甘みとみずみずしさに自信を持っています。
ただ今回、銀座で野菜を販売することに少し戸惑いを感じたといいます。
日本でも一番高い銀座で野菜を売るのはなかなか信じられないところも。
銀座という立地だけではなく、マイナー野菜に対するお客様の反応も心配のタネ。
菜の花というと「ナバナ」しか思い当たらないし、店にはそれしか売っていない。
今回、「高菜の菜の花」とか「小松菜の菜の花」などさまざまな菜の花を出荷している。
田下さんが栽培している復数の菜の花。
都内の有名レストランなどに販売していますが、一般的なスーパーなどには流通していません。
こうした馴染みのない野菜が売れないと田下さんは考えていましたが、無印良品からそれがセールスポイントになると説得されました。
知らない野菜でも「おいしいものをアピールしたい」という無印良品の考え方はありがたい。
また朝どれ野菜を近隣の物流拠点に納品すれば、その日の夕方には銀座の店頭に並ぶという仕組みも強みです。
食品を強化する理由
「ニトリなどに押されているから食品を強化するのか?」
全く違う。
家具は家具として競合と戦っていく。
生活雑貨をカバーするために食を拡大するわけではない。
それではなぜ食に力を入れるのか?
食品を扱うのは何より来店頻度が高まる。
今まで来ていないお客様が来てくれることも購入量増加につながる。
「全体の中で食品の売り上げの割合は?」
食品の売り上げは7~8%。
2030年を目標に30%くらいに上げる。