五重塔に見える建物に鳥居、まるで日本の神社のように見えますが、実はここはロシアの首都モスクワに登場した日本広場という施設です。
実は最近ロシアでは日本関連のビジネスが人気だそうです。コロナ禍でもロシアに進出する日系企業の狙いとは一体何なのでしょうか?
SENDAI
ロシアの首都モスクワ。
中心部のショッピングモールに去年10月、ある日本食レストランがオープンしました。
こちら「センダイ」というお店です。
そのメニューはお肉の味を生かしたローストビーフ和牛。
押し寿司の具材を和牛のユッケにした和牛ロール。
野菜たっぷり、熱々の和牛せいろ蒸し。
そしてこちら、日本でも人気の肉寿司です。
モスクワ支局のバレリー・ベロゼロフ記者、
お肉の寿司を食べたことは一度もないですがちょっと食べてみます。とても新鮮な感じがとてもします。美味しかった。
センダイでは和牛350キロ分を一頭丸ごと買い取り日本から仕入れています。そのため部位ごとに調達するほかのレストランより3分の2から半額ほどの値段で提供できるといいます。
センダイの共同創業者、村田知義さん、
肉料理で一番人気はステーキですが、ロシアの人はステーキしか知らないのでおいしい料理の方法がいろいろあることを広めていきたい。
日本のクオリティーを武器に拡大を狙います。
こんなにいろいろな形で食べられるところはない。とても面白い。
コロナが落ち着いたらもっと人気になる。
日本的なサービスと味をモスクワで提供しているのはすごい。
本当に日本に近いピュアな味。
センダイのセミョーン・シン料理長、
日本では牛肉の質の開発を300年やっている人たちがいることを知った。
その時にどうにかしてそれをロシアに持ってこれないかと思った。
この店はスタートにすぎない。われわれの挑戦のほんの一部だ。
株式会社ラウンドワン
[blogcard url="https://www.round1.co.jp/"]
そして意外な業種の日本企業も先月、ロシアに上陸しました。
日本のユニクロなども入るモスクワでも人気の商業施設。そこにできたのが…
それでは参りましょう。始球式です。
屋内スポーツ施設を運営するラウンドワンです。
ラウンドワンは日本で103店舗、アメリカですでに43店舗を展開していますが、次の海外進出になぜかロシアを選んだのです。
責任者の中川淳さん、日本でも国内スポーツ施設1号店の支配人でした。
「ターゲットは子どもではなく大人?」
10~30代がメインのターゲットだが老若男女楽しんでもらえるラインナップ。
誰もが楽しめる内容とは…
まずはアミューズメントエリアです。日本やアメリカから取り寄せたゲーム機が200台ほど揃っています。
コーナーの一部ではゲームで貯まるポイントを景品と交換できる仕組みを採用しました。
ポイントの運用ではロシアで展開する日系企業、SBIバンクとの協業も実現しました。SBIバンクが家族口座として提供する銀行カードで一部のゲームでそのまま遊べるのです。
SBIバンクの藤井脩祐さん、
ラウンドワンのターゲットも家族でSBIバンクも個人向けに家族銀行というサービスがある。
ターゲットがマッチしているのが大きい。
そしてこちら、屋内スポーツ「スポッチャ」のエリアです。
ロシア初上陸というバッティングマシーンやこちらもロシアでは珍しいアーチェリー、ビリヤードなど大人向けの施設もあります。
ここはどういう内容のアトラクションなんでしょうか?
マイナス20度を下回る日もある極寒のロシアでは冬に外で遊ぶ事は難しいですが屋内で楽しめる施設は多くありません。ラウンドワンはここに商機を見出しました。
特に冬でも中でできるスポーツなので。
日本のクオリティーで大満足。ロシアのサービスと違い店員も信頼できる。
実は特に気を配ったのが接客と清掃でした。お客様に目を配り、仕事の合間に店内を清掃することを徹底。ここでも日本のクオリティーが一つの武器になっています。
ラウンドワンのクオリティーを維持してロシアでやっていく。
複数店舗を展開して、店の形態や数を確認して進めていく。
コロナ禍でもロシア進出を図る日本企業。長年、日本企業のコンサルティングをしてきた専門家によると様々な業種に可能性があるようです。
デロイト・トウシュCISの高橋渉パートナー、
レジャー・エンタメ・医療医薬・外食や農業、日系企業が積極的に進出していない分野。
かつロシアで可能性がある分野がターゲット。日本の文化や日本食もロシア人に関心が高い。
いま進出することは未来への種まき。コロナ禍で存在感を示せればコロナが落ち着いた後、一気に拡大へ。そんな思惑もあるようです。
モスクワ以外にも100万人都市が10以上ある。地方ではモスクワで発展したものは展開される。
次のステップとして地方進出は考えられる。