会社の不正を見つけて内部通報をしたら上司に知られてしまった。
そんな社員を守る法律を改正する審議が今の国会で始まります。
法改正は不正の芽を摘み取り社員が安心して働ける環境作りにつながるのでしょうか?
オリンパス株式会社
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あなたは不正を見つけたら通報できますか?
できるんじゃないか。
会社のためというものもちろんあるけど、お客様のためでもある。
レベルによると思う。刑事事件なら絶対する。
セクハラ、パワハラレベルだと難しい。通報すると筒抜けになる、社内で。
内部通報は匿名とは言われているが難しいと思う。
他の会社で結局は誰が通報したかわかっていると聞いた。
社会人3,000人を対象にした調査では4割以上が不正を知っても通報しないと回答。
その理由を見てみると、報復が怖いが25%、職場での嫌がらせが怖いという意見が22%でした。
濱田正晴さん
過去に内部通報したことで不当な扱いを受けた人物がいます。
濱田正晴さん(59歳)。
大手精密機械メーカー「オリンパス」の現役社員です。
濱田さんは営業職だった2007年、当時の上司を社内通報。取引先の社員を不適切に引き抜いたと通報窓口に届け出ました。
しかし、濱田さんが通報したことがその上司本人に伝わってしまったのです。
その後、濱田さんは報復人事を受けたとして裁判を起こしました。
濱田さんは裁判で証拠として採用された資料を見せてくれました。
まず、見せてくれたのは…
全社員にはこのオリンパスグループのコンプライアンスカードが配布されて、秘密の原酒が保証され、通報者が不利益な処遇を受けることは一切ありません。
会社が守秘義務を守ると信じて通報した濱田さん。
しかし、通報から3週間後、社内調査の担当者から驚きのメールが届きました。
社内調査の結果、上司による引き抜きは道義的な問題があったと指摘していたものの、そのメールの宛先には上司や人事部長も含まれていたのです。
ビックリ仰天というか、ビックリですまなく、頭の中が真っ白になった。
守られなかった守秘義務。
その後、濱田さんは畑違いの部署への異動を命じられました。
仕事は文献調査などが中心、業務中の社内の人との接触も禁止されました。
さらに上司からは執拗な嫌がらせを受けたといいます。
やる気がないならいいよ、お前。
指示どおり成果の説明するつもりがないのだったらいい。
私の質問も…一方通行じゃなくて…
お前は説明するんだよ。
一方通行でいいんだよ。
お前がやったことを説明しろといっているわけで。
お前、お前って。
お前ってそんなに不満か?
その後、濱田さんとオリンパスの裁判は最高裁まで続きました。
判決では人事異動は無効なこと、パワハラを受けていたことなど濱田さんの主張が全面的に認められました。
濱田さんは現在の法制度の問題点を指摘します。
「もし当時に戻っても通報するか?」
無断漏えいへの刑罰が法律に入るなら通報する。
現状では守秘義務を果たさなくても罰則がありません。
しかし、今回の法改正では守秘義務を守らなかった内部通報窓口の担当者に30万円以下の罰金を科す罰則規定などが加わります。
今回の法改正は罰則が入ったということで私としては及第点。
濱田さんは法改正案に一定の評価をする一方、5年目の見直しを法律で明記しながら14年の月日がかかっていると指摘します。
これまで法律の不備を訴え続けてきたのに、なぜここまで動かなかったのか。
遅すぎる、被害を受けた人がたくさんいると推測されるので。
この法改正案を担当する衛藤消費者担当大臣は…
「なぜ時間がかかってしまったのか?」
消費者庁も見直し規定の趣旨に即してガイドラインの作成、施工状況の調査など必要な対応はやって来たが、なかなか法改正にこぎつけるところまでいけなかった。