[WBS][治る最前線]前立腺がんの最新治療!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

シリーズで伝えている「治る最前線」。

今回は前立腺がんです。

食事の欧米化や高齢化などによって患者数が増加していますが多くの場合、重症化するまで自覚症状がないのが特徴です。

その最新治療を取材しました。

前立腺がん

都内にある東京慈恵会医科大学附属病院。

この病院に入院する川村政史さん(76歳)。

数ヶ月前、検査で前立腺がんが見つかりました。

うそだろと思った。

自覚症状は頻尿だけ。夜に2~3回トイレに起きる。

この日、医師から病状の詳しい説明を受けました。

白っぽいところが前立腺。

黒っぽいところが前立腺がん。

これは川村さんの検査画像。

黒く映っているのが前立腺がんです。大きさはおよそ1センチ。

前立腺は膀胱の下にある男性にしかない臓器で排尿や性機能に重要な役割を担っています。

前立腺がんの患者数はおよそ21万人。

10年で患者が倍増している病気です。

東海大学医学部付属八王子病院の泌尿器科、小路直准教授は、

現在、行われている治療は前立腺全体に対するものが一般的。

そうすると排尿や性機能に影響を及ぼす。

自覚症状なく進行する前立腺がん。

手術をしない治療の最前線を追いました。

体内から放射線照射

先程の川村さん、幸い早期のがんだったため手術をしない新しい治療を受けられることになりました。

治療は局所麻酔を使って行います。

まず医師が用意したのは、

これが針。前立腺全体に刺します。

股の下から直径3ミリの筒状の針を前立腺に向けて刺していきます。

こんな感じ。

レントゲン画像に針が映し出されました。

針の数は合計14本。

次に特殊な治療器具を取り出しました。

中には長さ5ミリほどの金属がびっしりと入っています。

この金属から弱い放射線が出ています。

行われるのは小線源治療というもの。

小線源治療

放射線を出す小さな金属を前立腺に入れ放射線でがんを治療します。

放射線を体内から直接照射しがんを治療するので効果が高く、また排尿や性機能への影響も少ない。

これを針の後ろに付けて押し込んでいく。

先程刺した針の中を通し放射線を出す金属を前立腺に挿入していきます。

30分ほどで70個の金属が前立腺に挿入されました。

これは川村さんのレントゲン画像。

黒く映っているのが放射線を出す金属です。

そして医師が特殊な注射器を用意しました。

中には2つの薬剤が入っています。

これを体内に注射するとおよそ10秒でこのような固体状になります。

ハイドロゲルと呼ばれる素材です。

前立腺は大腸と接する場所にあります。

大腸は放射線に弱いため放射線があたると炎症を起こしたり、粘膜に穴が開くことがあります。

そこでこのハイドロゲルを前立腺と大腸の間に注射し、壁を作ることで大腸にあたる放射線を減らすのです。

入れます。

ハイドロゲルを注射します。

以上。

治療は2時間ほどで終了しました。

これは別の患者の検査画像。

白く映っているのがハイドロゲル。

前立腺と大腸の間におよそ1センチの壁ができました。

この治療は今年の6月から保険が適応され治療費は3割負担の場合、およそ30万円。

東京慈恵会医科大学附属病院の泌尿器科、三木健太診察副部長は、

がんには多くの放射線を当て尿道にはあまり放射線がいかないようにする。

前立腺の中で放射線の強弱が付けられるのが小線源療法の特徴。

手術に比べ男性機能や尿もれに影響がないとされている。

がんをピンポイントで攻撃

早期の前立腺がんにはさらに新しい治療も登場しています。

今年8月、前立腺がんが見つかった片山昭次さん(74歳)。

手術をせずに治す最新の治療を受けることになりました。

手術だったら入院が2~3週間かかると言われた。その後の安静が1ヵ月。

この病院だったら翌日に退院し、普通の生活ができると言われた。

そうできたらいいと思う。

片山さんが受ける体に負担が少ない治療とは・・・

使うのはソナブレードと呼ばれる最新の治療器。

先端から超音波を発生する仕組みです。

入れていきます。

肛門から器具を入れていきます。

器具の先端から発生した超音波をがんに集め、98度の熱で死滅させます。

モニターでがんを確認しながら器具を操作します。

今から始めていきます。

白くなったのはがんの組織が破壊されるのを示している。

黄色い縦線が超音波を照射している場所。

徐々に白くなりがんが死滅していくのが分かります。

お疲れさまでした。

照射は20分ほどで終了しました。

この治療は現在、保険が適応されず治療費は全額自己負担で95万円。

前立腺を選択的に部分的に治療できるのが最大のメリット。

排尿や性機能を温存するのは意義のあること。

選択肢が広がる前立腺がんの治療。

早期発見のため定期的に検査を受けることが大切です。

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