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[WBS]「台湾統一」への布石?中国 超大型プロジェクトの思惑

2022年3月15日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

いま東アジアで緊迫化したいるのが中国と台湾の関係です。中国から台湾に最も近い平潭島ではある超大型プロジェクトが進んでいました。取材してみると台湾統一を推し進める中国側の思惑が見えてきました。

中国 台湾に最も近い島に…巨大橋建設で統一圧力!?

中国南部・福建省。市街地から車で1時間ほど走ると…

巨大な橋が現れました。実はこの橋、習近平指導部肝いりの超大型プロジェクトだといいます。

橋の入口には「京台」の文字が。これは…

「『京台』とは?」

から湾までという意味だ。

なんと北京と台湾をつなぐ橋だというのです。

現在は本当から平潭島までが開通。2035年には高速道路と鉄道で台湾までつながる計画です。

あの列車に乗って台湾へ行こう♪

2035年に♪

SNSに投稿された動画は100万回以上も再生。台湾統一の機運を盛り上げます。

平潭島の岬には台湾海峡を背にした撮影スポットも。観光客が記念撮影をしていました。

観光客は…

台湾まで一番近い場所だから見てみたかった。

「台湾への橋は?」

実現すると思う。「2035年に台湾へ行く」の歌のように。

台湾のおいしいものが毎日食べられる。

これは8年前に平潭島の映像。台湾名物の夜市を再現し、大勢のお客さんで賑わっていました。

さらに中国政府は補助金や法人税減税などの優遇策を導入。

台湾パイオニアパークと銘打ち、台湾企業を積極的に誘致したのです。

ところが…

北京支局の杉原啓佑記者。

こちらは台湾の企業が多く誘致されているというビジネスパークですが、ご覧の通り人影がほとんどなくひっそりとしています。テナントには空きが多く出ているようで入り口には鍵がかかっています。

中を見せてもらうとガラガラ。

ようやく入居者と見つけ声をかけてみると…

中国本土の会社だ。

台湾の人たちとは取引もないし、知り合いもいない。

なんと台湾パイオニアパークに入居しているのはほとんど中国本土の会社だといいます。一体なぜなのでしょうか。

事業が失敗することもあるからテナントの出入りはある。

大手企業が入るときのためにスペースを空けて待っている。

今も営業を続けている台湾料理店を見つけました。

台湾の店はここだけ。みんな台湾に帰った。

平潭島は人口も少ないし商売に向かない。ずっと補助金がもらえるわけでもない。

一時は補助金目当てで進出した台湾企業も中台関係の悪化やコロナによる観光客減少もあって平潭島から撤退していったというのです。

中国の李克強首相。

中台関係の平和的発展と祖国統一を後押ししなければならない。

台湾独立勢力の活動には断固として反対し、外部からの干渉にも断固として反対する。

先週閉幕した全人代で改めて台湾統一への強い意思を強調した中国。

国防費は去年よりおよそ7%多い26兆円あまり。経済成長が鈍る中でも軍備増強を推し進めています。

台湾への圧力を強める中国。

今のウクライナ情勢は平潭島に住む台湾の人達にとっても他人事ではないといいます。

小さい台湾がどう中国と戦えばいいの。

市民は戦争ではなく平和を祈っている。

ビジネスや観光の架け橋となれるのか、平潭島は問いかけています。

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