今日のロングセラー研究所は「伯方の塩」です。
誕生には意外な背景がありました。
伯方塩業株式会社
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1973年、王・長嶋を要する巨人が9連覇の偉業を成し遂げたこの年、食卓に欠かせないロングセラー商品が誕生しました。
それが「伯方の塩」。
は・か・た・の塩♪
塩はだいたい伯方の塩を使う。
発売から44年、変わりゆく次代に流されない、真のこだわりに迫ります。
伯方の塩
瀬戸内海に浮かぶ愛媛県の大三島。伯方の塩を製造する伯方塩業が拠点を構えています。
どんなこだわりがあるのか?
武田清隆社長、
伯方の塩を作る最初の工程で輸入した塩を海水で洗う。
伯方の塩の原料として使われているのはメキシコとオーストラリアから輸入した塩の結晶。これを一度、海水で溶かし海水の中にある「にがり」を含ませます。
塩辛さがまろやかになるほか、ほんのりと甘さも感じられるといいます。
その後、釜の中で110度まで熱し、水分を飛ばしていくと自慢の塩が姿を見せます。
さらに仕上げの乾燥にもこだわりがあります。
釜から出して遠心分離機で振るとにがりまでなくなるので自然乾燥。
こうして1週間ほどかけて作られる伯方の塩。国内にとどまらず30カ国に出荷しています。
伯方島
この「伯方の塩」という名前は大三島の隣りにある伯方島に由来します。
江戸時代から塩作りが盛んだった伯方島。
櫓のようなカタチをした塩田がそこかしこに広がっていました。
しかし1971年、塩の安定生産を図りたい国は科学的な製法のみを許可し塩田を全て潰してしまいます。
伯方島で生まれ育った武田社長も当時、やるせない思いを抱いていました。
絵を描くと言えば塩田を描きに行っていた。それがなくなって寂しかった。
自然な塩を求める消費者たちは5万人の署名を集めるなど大々的な運動に乗り出しました。これを受けて国も規制を一部緩和します。
塩田の復活は認められませんでしたが島の住民が中心となり1973年に伯方塩業を設立。
科学的ではないあの製法での塩作りが始まりました、
そしてついに、
これが40年ぶりに再現した塩田。
伯方島を再現した塩田、2002年によぷやく塩田での塩作りが認められました。
平らな部分に海水を流し日光で水分を飛ばした後、
ハの字型になっているのは竹の枝。海水を落とすと風と太陽の熱で蒸発していく。
こうして濃縮した海水を釜で炊き上げて作られるのが純国産ともいえる「されど塩」。
たかが塩と思わず塩を大切にして欲しいという思いから「されど塩」と名付けられました。
代々伝わる塩作りへのこだわりを育み続ける伯方塩業。そのロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意とは?
選んでもらうために特徴をつくりコツコツやる。