地域の頑張る企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
大きく育ち過ぎて使いづらい国産の木材をヒット商品に生まれ変わらせた広島の企業を取材しました。
中国木材株式会社
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郊外にある大きなホームセンター「コメリパワー四街道店」。
目につくのはずらりと並んだ木材。コロナ以降、自宅で楽しめるDIY用品の木材が好調なのです。
中でも、
今売れているのが2m杉のカフェ板。
このカフェ板、側面が「く」の字にまがっているのが特長。
並べるだけでピタリとくっつきます。
初心者でも簡単に組み立てられ、様々な使い方ができるのです。
長さも手ごろで棚とかよく作っている。
ちゃんとした杉板。
長持ちすると思って買った。
3cmという厚さに加え、国産の杉を使用しているので高い耐久性を誇ります。
パワー四街道店の興津大輝グループリーダー、
月平均で200枚売れる。
前年対比で300%以上伸びて販売。
2019年にはグッドデザイン賞を受賞。
1年で3億円以上を売り上げています。
広島県呉市は瀬戸内海の要所となる呉港を持ち、古くから鉄鋼や造船が発達してきました。
その地域にカフェ板を作っている製材最大手、中国木材がありました。
1955年創業、従業員2,500人。
売り上げは1,200億円に上ります。
中国木材の堀川智子社長、
アメリカから購入しているベイマツ原木。
船で太平洋を超えてやってきた。一船丸ごと降ろして加工する。
アメリカ産の松を使った住宅用の木材が事業の柱。
全国の木造の戸建住宅のおよそ3分の1に中国木材の製品が使われています。
輸入材を扱ってきた中国木材がカフェ板にも使う国産材に力を入れ始めたのが18年前。そのワケは…
国内の林業が衰退してしまったため、どんどん山の木が太くなってなかなか活用されないままに。
安い輸入木材に押され使われていなかった国産の木は大きく育ち過ぎていたのです。
原料や伐採のコストが高く、多くの企業が取り扱いを避けていましたが、
大きな工場で大量生産してコストダウンするノウハウがあった。
国産材でやっていけるんじゃないかなと。
2003年に国産杉を使ったオリジナル商品を開発。
当初は建築具材として業者に向けて販売していましたが、10年前のDIYブームで一般の消費者への売り上げが拡大しました。
さらに2014年には日本一の杉の産地である宮崎県におよそ400億円を投資し、国産杉専用の工場を建設しました。
大きな原木をどう利用するか、知恵を絞って生まれたのがカフェ板。
2017年、大きく育った国産の杉を生かし通常よりも幅が広い20cmの幅のカフェ板を開発しました。
こちらがカフェ板の生みの親、新谷光生さん。
杉は柔らかくて軽いと同時に中にたくさん空気を含んでいる。
人間が触れる部分に適した木材でDIYには最適な樹種。
杉は空気を多く含んでいるので保温性も高く、断熱性も優れています。さらに乾燥させると丈夫になるという特徴も武器となり大ヒットとなりました。
気軽に買える価格で一般の人の一番身近に国産の杉があるようにしたい。
中国木材はさらなる国産材の活用を考えています。
日本の林業を活性化させるために山林の取得も進めている。
切って使ってまた植える。
CO2の吸収で地球環境にも貢献したい。