スナック菓子などの商品パッケージが実際にどれくらい消費者を惹き付けているのか。
これまで人が予測するのがなかなか難しかった、この魅力というものをAを使って可視化する取り組みがビジネスの現場でいま広がりを見せています。
株式会社プラグ
[blogcard url="https://www.plug-inc.jp/"]
東京・千代田区に本社を構えるプラグ。
食品や日用品のデザインなど手掛ける会社です。
プラグの小川亮社長、
新商品の開発はいかに早く出すか、短い時間でいかに良いものを出すかを各メーカー悩んでいる。
こんな状況の手助けになればとプラグの小川社長が開発したのがAI(人工知能)によるデザインの魅力の可視化です。
カルビー株式会社
[blogcard url="https://www.calbee.co.jp/"]
4月16日から始めた新サービス。売り込もうとやって来たのは大手菓子メーカーのカルビーです。
今回、試験的に魅力度を測定するのはすでに販売している商品のパッケージデザイン。
4,000枚以上のデザイン画像。それに対する400万人以上の評価を学んだAIが最高5点で点数をつけます。
比較用に選考過程でボツとなったデザインも入れて一緒に評価します。
待つこと1分ほど。
結果はこんな結果。
最終的に採用されたデザインがAIの評価でも1番高く評価されました。
従来、カルビーではデザインを絞り込み、数案作るまでで半年。さらにモニター調査して、最終的にデザインを決定するといいます。
しかし…
カルビーのマーケティング本部、松下千桂さん、
基本的には調査は1回しかできないので、期間や費用の問題もあり、調査用のデザインを作るまで手探りで自分の感性だけで動かしている。
こういったサービスがあると自分の指針ができる。
プラグでは来年の夏頃までにバージョンアップを進め、どこがどのように評価されたなどや年齢や性別などのターゲットごとの測定も可能にするといいます。
悩みながら捨てた案の中に良いものがあるかもしれない。
一瞬で選べると調査の質も上がる。
山﨑俊彦准教授
魅力をAIで可視化することは学術的にも研究が進められています。
東京大学情報理工学系研究科の山﨑俊彦准教授は、
刺さる、映える、響くものを解析して、その理由や要因を説明する。
例えばプレゼンテーションをする男性の動画をAIで解析すると、男性が具体例を上げて話したタイミングでは魅力的を表す数値が急激に上がっていました。
さらにプレゼンのスライド資料では改行おかしな箇所など魅力を下げる要素は濃い色で表示されます。
7~8割ほどの精度で予測したり、アドバイスできるという結果が得られた。
これらの解析はあらかじめ読み込ませた膨大な過去データを基にAIが行います。
こうしたAIを使った魅力の可視化は今後ますますビジネスの分野で広がっていくといいます。
AIの精度を高めるだけでなく、なぜ買いたい気持ちになったのかを心理学、社会学の人たちとコラボレーションしながら分野を広げていく。