
調味料が入った袋をうまく開けられずにハサミを探したり、力が入りすぎて中身をこぼしてしまったりという経験はありませんでしょうか?
そんな小さなイライラを解消してくれるロングセラーの技術を探ります。
旭化成パックス株式会社
[blogcard url="https://www.asahi-kasei.co.jp/pax/index.html"]
国鉄が民営化されJRが誕生した1987年。ある技術が世に広まろうとしていました。
フィルム包装を簡単に開けられれる「マジックカット」です。
寿司についてくる醤油からたれやからし、さらにはカップ麺のスープまで「こちら側のどこからでも切れます」が目印。
小さな袋もストレスなくサッと切れるスグレモノです。
あるとうれしい。切りやすい、開けやすい。
料理をしている途中で、すぐに切れるのでいい。
約2,000種類の商品に使われ販売総額は数百億円にのぼるロングセラー技術。マジックカットの秘密を探ります。
マジックカット
マジックカットは旭化成グループが開発した技術です。
フィルムシートをマジックカットに加工する機械があります。
旭化成パックスの上尾工場製造部の高橋良雄さんは、
こちらの回転刃がマジックカットを施す加工刃。
刃の表面を拡大してみると無数のトゲ。これがフィルムに当たると約0.5ミリの傷が等間隔につきます。
加工前のフィルムは指ではなかなか切れませんが、加工刃を押し付けていくと、わずかな力でも小さな傷が裂けてつながるためどこからでも切れるようになります。
開発のきっかけ
マジックカットは30数年前、旭化成役員の苦い体験がきっかけで開発されたといいます。
旭化成パックスの曽根辰夫社長は、
当時の専務が出張帰りに新幹線の中でビールとつまみを買った。
出張帰りの新幹線。車内での楽しみにビールをゴクリ。ここでつまみに手を伸ばしますが袋が開きません。結局、ビールはすすむものの目の前のつまみはおあずけに。
会社に戻った役員は悔しさを技術陣にぶつけました。
指先で簡単にどこからでも切れる袋を作れないか。
しかし袋の先に切れ込みをたくさん入れるのは輸送中に開いてしまうのでNG。薬品でフィルムを柔らかくするのは食品を扱うためNG。レーザーを当てて穴を開ける方法はコストがかかるためNG。
そこでチケットの半券を切るときのミシン目をヒントに「マジックカット」を発案。
1987年に特許を取得しました。
普及するために
しかし発売はしたものの普及が進まない。
そこで旭化成はある決断をしました。
大きく方向転換し、同業他社にこの技術を使っていただく。
1993年、旭化成は大日本印刷と提携し「マジックカット」をライセンス供与しました。
これを機に数十社と契約を交わし、マジックカットは各社が使える技術として普及しました。
そんなマジックカットのロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意
曽根辰夫社長は、
小さなことでも使う人に快適な生活を届ける。