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[WBS]空間ごと転送 変わる観戦![東京オリンピック×WBS][日本電信電話株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

大会8日目を迎えた東京オリンピック。

柔道女子78キロ超級の素根輝選手が延長の末、相手の反則負けにより金メダル獲得です。さらにフェンシング男子エペ団体でも、日本フェンシング会にとっても歴史的となる史上初の金メダルを獲得しました。

これで日本の金メダルは17個目となり、前回の東京とアテネの16個を抜いて史上最多です。

最高峰の舞台で活躍する選手たち。その姿を最先端の映像と通信技術で世界に伝える日本の企業を取材しました。

日本電信電話株式会社

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日本選手の苦戦が続いたバドミントン競技。混合ダブルスで渡辺勇大選手・東野有紗選手のペアが今大会初めてとなるメダルを獲得しました。

実はこの競技で選手以外にも入念な準備を進めてきた人たちがいます。

それがNTTのプロジェクトチームです。開幕前、競技場近くの施設を訪ねるとある最新技術の実験が行われていました。

そこにあったのは10分の1スケールのバドミントンコート。

田口智也記者。

こちらはバドミントンコートの模型ですが、何もなかった空間に選手が立体的に浮かび上がりました。

NTTが東京オリンピックで初めて実用化するべく研究開発を進めてきた技術です。

試合会場で撮影した高精細な8K映像からAIが選手の部分を切り出して配信。会場から遠く離れた疑似コート上に空中映像として投影することで、まるで選手が目の前でプレイをしているような臨場感を表現することができます。

複数のカメラが捉えた映像から選手の動きだけを欠けることなく切り出し、瞬時につなぎ合わせる技術。

現在、NTTが世界トップレベルだといいます。

NTTの木下真吾主席研究員。

通信会社の世界一を狙うNTTとして、空間を空間として通信するのは誰もやったことがないので通信の世界を変えていきたい。

空間を共有するような、テレビとは別の感動を届けたい。

そして7月30日、実際のバトミントンコートを再現した特設会場でこの技術が報道陣に公開されました。

男子シングルスの実際の試合が会場で再現されます。

実物大の大きさで見ると臨場感が全く違いますね。シャトルが高く上がった時に少しシャトルの行方が見づらい時もありますが、まるで選手がその場にワープしてきたような、そんな感覚を覚えます。

本来であればNTTはこの技術を導入したパブリックビューイング会場を設置する予定でしたが、コロナで計画は中止に。

世界に日本のテクノロジーだと発信したかったのでPV中止は残念。

何十億人が注目しているので世界に認められると広がりやすい。

できる限りのことはしたい。

パブリックビューイングは実現しませんでしたがNTTのこの技術が一部で活かされた競技があります。

舞台は神奈川県江ノ島。7月31日からメダルレースが始まるセーリング競技の会場です。

妹尾理紗記者。

セーリング会場に来ています。海の上には大きなモニターが浮いていて現在の試合の様子が映し出されています。

横幅55メートルの巨大なモニター。

映し出されていたのは客席がある防波堤からおよそ10キロ先で行われている試合のリアルタイムの映像です。

セーリング競技は沖合で行われるため、双眼鏡を使用して観戦するのが一般的なスタイルです。

今回のレース会場も江ノ島を起点に鎌倉や葉山など広範囲に渡るためほとんど肉眼で見ることができません。

そこで横幅が広いモニターを設置し、リアルタイムで映像を映し出すことでより高い臨場感を味わってもらおうというものです。

海の上に大きなディスプレイがあったら面白いというのが最初。

最初にここにディスプレイが浮かんで絵が出たときは本当にうれしかった。

一見、大きなスクリーンに映像を映し出しているだけに見えますが、実はさまざまな技術が結集されています。

その心臓部ともいえるNTTのオペレーションセンター。今回、特別に撮影が許されました。

撮影船が3台、ドローン1台、4台の映像がここに送られてくる。

モニターに映し出されていたのはNTTが撮影した超広角の映像とドローンが捉えた映像。

競技コースの近くに撮影線を複数台出し、4Kカメラやドローンでレースを撮影。

その映像データを高速・大容量が強みの5G通信で一度ここに集約し、リアルタイムで合成します。

その上で先程のスクリーンに表示させています。

さらに5Gの低遅延性を生かして会場から遠く離れた東京・有明のオリンピックのメディアセンターにも同時にこの映像が見られます。

海外のメディア関係者は…

このスクリーンを気に入っている。

結果から現在のレースの様子までいろいろな情報を得られる。

とても素敵な技術なので、ここに座ってスクリーンを見ている。

無観客やパブリックビューイングの中止で今大会で新技術を完全な形で披露できなかったNTT。

それでもテクノロジーで今後のスポーツ観戦に新たな価値を生み出したい考えです。

世界にこういう技術や未来があるという発表の場にしたかった。

セーリング以外でも野球やサッカーにどんどん展開していきたい。

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