[WBS]「カルロス・ゴーン、カリスマの功罪!」ゴーンが変えた「ニッサン車」!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日産の前会長で11月に逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者の経営者として功罪を検証する企画「カルロス・ゴーン、カリスマの功罪!」。

2回目となる今回のテーマは「ゴーンが変えた『ニッサン車』」です。

ゴーン前会長は日産のクルマ作りや販売戦略の何を変え、日産の将来にどのような道筋をつけたのでしょうか。

日産自動車株式会社

富士スピードウェイに集まった日産ファン。

そこでお披露目されたのがEV(電気自動車)のフォーミュラカー。

日産は12月からフォーミュラEのレースに参加します。

日産のファンは、

技術的にはあれほど面白い物はないと感じた。

他のメーカーより先駆けて電気自動車を出してくれたので、日産が世界を先駆けてくれたらと思っている。

フォーミュラEに使われているこの技術、始まりはあのクルマでした。

リーフ

2009年8月、

ゼロエミッション時代をリードし、自動車産業の新たな時代を切り開く。

リーフはその第一歩だ。

2009年に日産が発表したEVのリーフ。

ゴーン容疑者は2016年までに150万台を販売する強気の目標を打ち出し、ハイブリッド車ではなくEVに大きく舵を切ったのです。

しかし航続距離が短いことへの不安などから販売台数は伸び悩み、目標台数には遠く及んでいません。

そうして積み上げた日産のEV技術はどれほどのものなのでしょうか?

よかエコバス号

熊本市内を中心に1日120キロほど運行するこちらの路線バス。

実は電気で走るEVバスです。

スムーズです。

静かな感じがする。

どんな仕組みなのかエンジンルームを開けると・・・

リチウムイオンバッテリーがエンジンルームに2個、さらに前方に1個、合わせて3個積んでいます。

そして大型のバスを動かすモーターは・・・

熊本大学の大学院先端科学研究部の松田俊郎准教授は、

リーフのモーターを2個並列で減速機につなぎ、一つの出力を出している。

大学で調べた結果、リーフのモーターが2個分。

リチウム電池はリーフ3個分あれば十分走ることがわかった。

このEVバスを開発した熊本大学の松田准教授。

2010年に発売されたリーフのモーターにはパワーがあり、信頼性が高いと見て中古のバスの車体に移植したのです。

量産されているリーフのEVシステムを使うことで改造費は部品代を含めて1,000万円ほど。

1から作るのと比べて8分の1ほどの価格です。

実は松田准教授は元日産の技術者でリーフの開発に携わっていました。

2005年に開発トップからEVの再開検討を言われ2~3人で検討。

日産の最新技術を組み合わせれば非常に良いものができると分かり、ゴーンさんが2007年、良いものだと、戦略的に使えると認めてくれた。

日産はゴーン体制の下、電気自動車リーフを発表し、2010年に発売。

日本だけでなくアメリカやヨーロッパ、中国市場にも投入され、日産のEV技術の高さをアピールしてきました。

EVの日産、EVのリーダーというイメージは浸透。

EV技術開発の経験、市場での豊富なデータも持っている。

これが日産の強み、EVの技術は日産がトップを取り続けると推測。

国内販売

EVへのシフトを鮮明にした日産。

一方で、この間に力を失ったのは国内販売の現場です。

リーフ投入の翌年、2011年度には2位につけていた日産の国内販売シェアですが、昨年度は5位と低迷しているのです。

日産の元営業マンは、

もともと新車のモデルチェンジが平均6年などだったが、それが伸びてきて10年そのままとか。

売りづらいというか売る車がない状況だった。

ゴーン前会長にはどんな狙いがあったのでしょうか?

株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパン

J.D.パワージャパンのオートモーティブ部門、木本卓執行役員は、

極端な見方で言うとすれば見捨てる、もしくは現状維持で留めるのはあるかもしれない。

「日本市場を?」

日本市場を。

J.D.パワーが行った日本市場における自動車の魅力度調査では販売シェア2位だった2011年はコンパクトミニバンなど4つのジャンルでジュークやエクストレイルなど4車種がベスト3にランクインしていました。

軽自動車 1位 スズキ・ラパン
2位 ダイハツ・ムーヴ
3位 ダイハツ・ムーヴコンテ
コンパクト 1位 日産・ジューク
2位 ホンダ・フィット
3位 日産・キューブ
トヨタ・ラクティス
ミッドサイズ 1位 フォルクスワーゲン・ゴルフ/ゴルフヴァリアント
2位 スバル・インプレッサ
3位 日産・エクストレイル
ミニバン 1位 トヨタ・アルファード
2位 日産・エルグランド
3位 ホンダ・ステップワゴン
トヨタ・ヴェルファイア

しかし今年の調査ではベスト3はゼロでした。

この間、日産が日本で発売した新型車や全面改良車の数を見てみると、かつては年間6台だった年もありますが、今年度はまだ1台もありません。

残念ながら日本市場は販売台数は頭打ち。

なかなか日本市場の優先順位を上げられない。

一方で世界市場で見た場合、ゴーン前会長は日産の販売台数を確実に伸ばしてきたといえます。

自動車業界は100年に一度の大変革期。

日産は一歩先を進んで決めたのかもしれない。

ゴーンさんがいなくなったときに意思決定のスピードをどう維持・促進できるかが大きな課題。