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[がっちりマンデー] デジタルの影に超アナログが!「隠れ人力ビジネス」(3)

2016年10月16日

デジタルの影に超アナログが!「隠れ人力ビジネス」

モリサワ文研株式会社

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注目したのが「フォント」。

「フォント」というのは明朝やゴシックなど文字の形・デザインのことです。

テレビのテロップ、本や雑誌、パソコン、スマートフォン、世の中にあるあらゆるものでフォントは使われています。

そのフォントをゼロから開発するすごい会社が、創業は1924年のモリサワ文研株式会社。

作ったフォントは約1,000種類。

わたしたちの周りにはモリサワ文研株式会社の溢れていて、電車内の案内板「タイプバンクUDゴシックB」、カーナビには「新丸ゴシックR」、預金通帳には「UD書体」、商品のラベル表示に「UD新ゴシック」といった具合です。

日本の印刷物、出版物にいたっては日本の文字の約8割がモリサワ文研株式会社のフォントとなっています。

そして、その使用料でがっちり!

フォントのデザイン

でも、今の時代、フォントもパソコンを使いデジタル制作では?

兵庫県明石市のモリサワ文研株式会社のフォント制作現場を訪れました。

満面の笑みでのお出向かいはデザイナーの小田秀幸さん。

フォント作り39年の大ベテランです。

主に出版物に使われている「黎ミン」という有名なフォントを作ったすごい人です。

とは言いながら、コンピュータで結構お手軽に作っているのでは?

入力するのはコンピューターですが、元は全部手書きで!人力で書いています。フォント(本当)です。

「あんまり取材こないんですか?」

私も取材を受けたのは初めてです。

テレビ初取材で上機嫌ですが、デザインを真似されたら大事。

制作の現場は超極秘、今回は特別に作業の様子を見せて頂くことに。

「うわ!なんか書いてる!書いてる!」

方眼紙の上に文字を手描しているようですが。

定型文字といって500文字ほどまず書きます。それによってデザインやコンセプトを決めていく。

モリサワ文研株式会社では1つのフォントでの文字数は2万3,000文字。そのうち、まず500文字を先に作ります。

この500文字は「はらい」「はね」「止め」など文字の基本パーツが万遍なく入った文字をチョイス。

例えば「永」という漢字には「右はらい」「左はらい」「点」「横棒」「角うろこ」「はね」と重要なパーツが6つも入っています。

「街」という漢字も定型文字のひとつです。

残りの498文字は?

どの文字を使っているかはヒミツ。

じゃあ特別なんですか?「永」と「街」は?

今日は特別の!

「2文字?」

2つです。

基本の500文字が出来たら、それを元に2万3,000文字に増やしていきます。

例えば樹木の「樹」という漢字なら基本パーツを参考にしながら全部手書き。

ここでようやくコンピュータに入力。

しかし、人力での作業はここで終わりではありません。

熟語の検査

熟語の検査をしています。

熟語の検査?

例えば「歳月」という字。「月」が少し右にずれて見えないですか?

熟語にした時の文字の微妙なバランスをチェック。

続いて「採用年月日」、月という漢字が今度は少し左にずれている感じがします。

熟語にした時のバランスまで考えて文字をデザインするのも人力。

手書きでコツコツと2万3,000字の文字を完成させる。

2万3,000字のひとつのフォントを作るのに短くて1年、長いものは5年もかかる気の遠くなる作業です。

ギネス記録

でも、その甲斐あって

ジャーン!

「あっギネスだ!」

「黎ミン」はフォント一つで74万を越える文字数を生み出し、文字数世界一のギネス記録に認定されています。

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