
今注目!儲かる元素 原子番号7 窒素 N
-196度で瞬間冷凍&ポテチ袋に!?
儲かる元素、1つ目は原子番号7番「窒素」。
ってさすがに窒素くらいは聞いたことあるけど、どんな元素なのか、そもそもどんなビジネスでがっちりなのか全然分からない。
そこでやって来たのは大阪市内にある国内大手の窒素メーカー「エア・ウォーター」。
辻工場長、窒素の売り上げってどれくらいなんですか?
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

大体300億円。
これは結構でかい。
で、どうやって窒素を作っているんですか?
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

窒素は空気中に78%含まれている豊富な元素。
そう、窒素は空気中に断トツで多く存在する元素ってことはこの空気の中から窒素だけを取り出せばいいんですが、それが結構大変らしい。
どうやっているのかというと…
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

こちらです!
これが窒素を作る分離塔。
高さ59m近くあるタワーの中である道具を使って窒素と酸素を分けているんですが…
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

酸素の沸点が-183度。窒素の沸点が-196度。
冷たいものから上に溜まる性質を利用して分離している。
空気は-183度まで冷やすと酸素だけが液体になる。つまりタワーの中は窒素だけに。
で、液体酸素を抜いたらさらに冷やして-196度以下に。すると今度は窒素が液体になり始めるのでこれを集めれば窒素だけのゲットに成功ってわけ。
こうして空気中から取り出された窒素は隣の巨大タンクに貯蔵。
今回、特別にとれたてホヤホヤの窒素を見せてもらえる事に!
液体状の窒素が勢いよく出てくる出てくる!
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

こんな感じですね!
液体窒素です。
-196度の液体窒素に木工用のボンドを入れるとぶくぶく泡立って瞬時にカチコチに凍っちゃった!
急速に冷やせるとあって魚や野菜の冷凍保存に使われる液体窒素。
そして窒素にはもう一つ私たちの身の回りでよく見かけるあれを支える大事な使い道があるという。
それが…
エア・ウォータ 枚方工場
辻清仁さん

ポテトチップスの袋の中に入れたりもします!
そう、ポテトチップスの袋は窒素入り。
これどういう事かというと空気中の酸素は食べ物の油にくっつきやすく、くっつくと酸化して傷んでしまう。
ところが窒素は何ともくっつきにくい、何もしない、まさに沈黙の元素。
そこで袋の中にあえて窒素だけ入れ、酸素を追い出すことで酸化を防ぎ、長持ちさせるってわけ。
水使わず消化するガス!空飛ぶ肥料に!
さらにこの酸素を追い出し、何もしないという窒素の特徴を生かしたがっちりビジネスがあるという。
やって来たのは兵庫県にあるエア・ウォーターの小会社「エア・ウォーター防災」。
番組スタッフ
売上げは?

エア・ウォーター防災 常務取締役
四方厚さん

発売から24年で累計1,000億円を計上。
がっちり!
一体窒素をどう利用してがっちりかというと…
部屋の中で火災が発生!
すると…

火事です!火事です!消火剤を放出します!
天井に取り付けてあった消火器具から窒素を噴射!
すると部屋の中の酸素がどんどん減っていく!そして酸素が13%まで減ったところで火が消えた!
消化直後の部屋に入ってみると…
エア・ウォーター防災 開発部長
後藤秀晃さん

大丈夫です!
酸素が残っているから呼吸ができる。
エア・ウォーター防災 開発部長
後藤秀晃さん

酸素濃度が14=13%位まで下がると火が消える。
こちら、エア・ウォーター防災は窒素で火災現場の酸素を減らして消化する設備を製造販売している会社。
現在、水や泡などで消化できないデータセンターなどで大活躍ってことはがっちり!
エア・ウォーター防災 常務取締役
四方厚さん

がっちり!
ですよね。
さらにさらに儲かり元素窒素で新たなビジネスを開拓している人物がいるというので、やって来たのは北海道旭川市にある神楽農機って会社。
早速、社長の市川範之さんに伺うと…
神楽農機JAPAN
市川範之さん

これなんですけど。肥料でがっちり!
実は窒素は動植物が成長するのに欠かせないたんぱく質やアミノ酸の素となっているとっても重要な元素。
だから肥料には窒素が欠かせない!
そんな窒素肥料を市川社長、さらにパワーアップさせちゃった!
神楽農機JAPAN
市川範之さん

通常の肥料の3倍の高窒素肥料。
市川社長が協力会社と一緒に開発したのは窒素の濃度を従来の3倍に高めた高窒素肥料。
1袋6,000円で500個限定で販売したところ…
神楽農機JAPAN
市川範之さん

売上げは約300万円!
がっちりですね!
なんと完売状態!
この窒素濃度3倍肥料、実はある状況でとっても役に立つのだという。
それが…
田んぼにドローンが現れた!
そして空中からパラパラ撒いている。
そう市川社長が作った高窒素肥料はドローン用。
神楽農機JAPAN
市川範之さん

ドローンの場合、積載量が10~20kgしか積めない。
窒素の濃度を3倍にしてドローンでまけるように省力化。
メリットは的確な量をまけるのが一つ、そしてスピーディーにまける。空中から散布ができるので穂を傷めない。
追肥が空中からできるというのがメリット!
冷夏や天候不良で稲が育ちにくい時でも安く簡単に追肥で肥料がまければ、平年並みの収穫が見込めるとあって、いま注目されているんです。
神楽農機JAPAN
市川範之さん

高窒素肥料でがっちり!