[WBS] 世界卓球の舞台裏で・・・メーカーの開発競争に独占密着!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

4月24日、世界卓球女子の3回戦で平野美宇選手が快勝し、ベスト16に進出を決めるなど日本代表選手の活躍が続いています。

その舞台裏で繰り広げられているもう一つの熱い戦いに密着しました。

美津濃株式会社

ハンガリーの首都、ブダペスト。

世界最高峰の大会で頂点を目指す戦いが始まっていました。

豊島晋作記者、

同じ会場の中ですが、卓球のボール、ラケット、実はこの会場は各スポーツ用品メーカーがこうした卓球関連商品をアピールする場所でもあります。

競技の裏側でスポーツメーカーもしのぎを削っていました。

そこへ今回初めて出展したのが日本のミズノ。

新製品を持ち込み会場に乗り込んでいたのは開発責任者の樋口直矢さん。

新製品の卓球ラバー「Q5」。

Q5

5月に発売予定の「Q5」。ミズノが新たに開発したラバーです。

ラケットの表面に貼るラバーはボールの回転やスピードに影響する選手にとっての生命線。

日本代表の伊藤美誠選手に聞いてみると、

ラケットは体の一部みたいなもの。

ラバーは消耗が激しく頻繁に貼り替えるため卓球用品市場にうちおよそ4割を占めるといいます。それだけにメーカー間の競争も激しい。

シューズやユニフォームでは世界的に有名なミズノですが、ラバーの販売ではほぼ無名。

そんな中、新たに開発したQ5で市場に風穴を開けようと定めた舞台が世界卓球。世界のトッププロに試してもらって売り込もうというのです。

開発現場

4月17日、大阪にあるミズノの本社。

その開発部門を覗くと・・・中ではQ5を使った試し打ちの真っ最中。

開発責任者の樋口さんの姿がありました。世界卓球に向けての最終チェックです。

ハイスピードカメラで打つ様子を撮影。その映像から玉の回転数などを割り出しています。

60秒で何回転なのか出すと大体6,000回転。

トップ選手だと1万に近づくと思う。

世界卓球の会場でもその場で回転数を測り、ラバーの性能を具体的にアピールしようと考えていたのです。

一方、こちらの部屋では・・・

ラバーの上下を強く引っ張る。これは耐久性のテストです。

ボールが当たったときの反発力だけでなく、激しい試合に耐える耐久性も求められます。

さらに山積みになったラバーをなにやら1枚ずつ計測。

適正な厚みで狙った硬度になったかみたい。

材料の配合や厚さの違うゴムを作り、最適なものを探り続けています。今年だけで800枚ほど測定してきました。

「嫌にならない?」

データとして欲しい。この配合がこうだったと。我慢して最後までやるけど、あまり面白くない。

Q5の性能

今回、新たに投入するQ5。その実力を見せてもらいました。固定したラケットに玉を打ち出す実験でミズノの従来品とQ5を比べてみると・・・

こちらが従来品。

そしてQ5。

比べてみるとこの通り。Q5の方がより多く回転し、遠くまで飛んでいるのが分かります。

市場の他のものに負けない自信がある。

選手は自分の人生や競技生活がかかっているので使ってみようというところでもハードルが高い。シビアな判断。

ブースを出して打ってみてもらう機会を作るのが今回非常に大きなチャンス。

卓球市場

ミズノがいま卓球に力を入れるのには理由があります。

もともと野球用品の製造から始まったミズノ。イチローさんのバットを手掛けるなど野球市場で圧倒的な存在感を示しています。

しかし、少子化もあり野球人口が減少し続けている。一方でゆるやかな増加傾向にあるのが卓球です。

そこでミズノは卓球市場の攻略に本格的に乗り出しました。

旗艦店の一部を先月リニューアルして開いたのが卓球場。もともと野球用品を売っていた場所です。

スクールを運営し、卓球人口の底上げと用具市場のシェア拡大を狙います。

ミズノの第2事業企画販促部、鳴尾幸次郎部長は、

専門的なラケット・ラバーでは新参者。これから伸ばしていかなければ。

世界卓球

そして臨んだ世界卓球の舞台。果たしてQ5は世界のトッププロに受け入れられるのか。各国の代表選手やコーチなどに必死に性能を説明する樋口さん。

しかし・・・

彼にはマッチしなかったのかな。

手ブラで帰るわけにはいかない樋口さん。慣れない英語や本社で準備をしてきたハイスピードカメラでの解析データを駆使し必死にアピール。

するとイスラエルの代表選手が試し打ちを始めました。

すぐに営業担当者と何やら話し込む。

営業担当者、

契約してくれませんかと。

イスラエル代表、

ミズノがラバーを作っているとは知らなかった。驚いた。

かなりいい。スピンもかかるし、パワーも申し分ない。

さらにブースにやって来たのは日本代表の平野美宇選手。試し打ちをしてみた感想は、

打ちやすかった。

ラケットで打つことが一番の競技。命の次に大事って選手もいる。

気がつけばQ5に興味を惹かれた人々でブースが満員。樋口さん、ホッと一安心。

初めてQ5を世界の人に打ってもらうので不安が大きかったが、楽しそうに打ってもらえて、触れてもらうのにいい機会になった。

新たな市場を狙うミズノの戦いは始まったばかりです。