[ガイアの夜明け] 巨大「規制」に挑む!~バターの闇 新たな戦い~(4)

巨大「規制」に挑む!~バターの闇 新たな戦い~

株式会社MMJ

北海道阿寒町。

自由な取引を求める酪農家と農協組合長が対立していました。

組合長への反発から福田さんに続いて7軒の農家がMMJに出荷を始めたのです。

2018年3月、その動きがさらに加速しようとしていました。

MMJの茂木さんと酪農家の福田さんが揃って向かった先は・・・

宮高敏祝さん

宮高敏祝さん(57歳)、4月から出荷先をMMJに変えたいと考えていました。

農家が売り先を選べるんですよ。それが制度改革の肝なので。

いい制度をつくってくれました。

実は半世紀以上続いた生乳の制度がこの4月、法改正で変わることに。

これまで全国に10ある農協系の指定団体だけが生乳を卸売する団体だと国が定めていました。

それが今回、MMJも指定団体に並ぶ事業者として国から認められたのです。

宮高さん、国のお墨付きがあるならとMMJに出荷先を変えようとしていました。

50代後半になって体も無理が利かなくなって、まだそこそこ借金がある。

少しでも有利な方に売りたいと思うのが普通な考えだと思う。

農協を通して農協経由でMMJに売る。

農協を通してMMJに出荷すれば農協との対立も避けられると考えたのです。

JA阿寒

3月6日。

宮高さん、阿寒農協を訪ねました。

組合長と話に来たのです。

茂木さんと福田さんもMMJに出荷する人を増やそうと同席します。

しかし、野村組合長は、

少なくとも今回の制度改革については生産者が販売の自由を得て、どこにでも売れますよ、ということであって農協がそういうかたちを取りなさいという指導はない。

農協にとって個々の農家の所得増につながることだからもう少し広い心で認めてくれたらな。

法改正で制度が変わっても組合員の求めに応じて農協が出荷先を変えることはないというのです。

なぜみんながハッピーになれる制度改革なのにそれをやらないのか。

基本的には農協系統への販売を「販売規定」でうたっている。

農協が系統のホクレンさん、MMJさん、2者に販売を、という選択はなかなか難しい。

結局、組合長は販売規定を理由に高く売れるMMJに出荷したいという要望を拒否しました。

出荷先を農協が勝手に選んでしまったら今と変わらない。

何のための法改正なんだ。

おかしいですね。

その後、昭和38年に制定されたという阿寒農協の販売規定を調べてみると「原則として系統機関」、つまりホクレンに委託すると定められているものの、「系統機関外に販売するときは」とホクレン以外に売ることもできると書かれていたのです。

ちゃんとと読んだら、これ全然断る理由にならない。

書いてある「販売していい」って。

このことについて阿寒農協の組合長に取材を申し込むと弁護士から文章で回答が届きました。

そこには「販売業務規定上もあくまで『できる』と定めているだけであって、阿寒農協が、組合員の希望に従い、系統機関以外の販売先と出荷契約と出荷契約を締結する義務はございません。」と書かれていました。

結局、宮高さんはMMJも出荷することは叶わなかったのです。

せっかく有利な販売ができるところを見つけたのに本当に阿寒農協は組合員のことを考えて運営しているのかな。

JA北海道中央会

そこで阿寒農協の上部組織「JA北海道中央会」に話を聞くため札幌にある本部へ。

ここの記者クラブのメンバーの定例記者会見なので。

この日は地元のメディアだけに向けた定例の記者会見だといいます。

JA北海道のトップ、飛田稔章会長。

それはダメ。

後日、改めて飛田会長に阿寒農協の対応についてインタビューを申し込むとメールで回答が・・・

そこには「番組の趣旨と、質問の意図について理解しかねるため頂いた質問事項への回答は、控えさせて頂きます。」とありました。

国産バター

一方、値段が上がり続ける国産バター。

世界のバターを知り尽くしたプロたちも、

日本のバターはとても高い。

安くて美味しいバター作りを目指すMMJの茂木さん、3年がかりでついに・・・

やっとここまで来た感じ。

乳業コンサルタント

2月下旬、北海道。

ホテルの会議室に現れた外国人の一行。

バターを試食してください。

MMJの茂木さん、酪農先進国のデンマークやオーストラリアから専門のコンサルタントを招いていました。

日本の家庭で買えるバターはこれだけ。

普通に買える国産バターは大手4社の製品だけ。

国産バターの味はどうなのか?

専門家に試食してもらいます。

とてもいい品質ですね。気泡もない、いい製品だ。

品質は上々の評価ですが、

どれも似たような味だね。

ヨーロッパではスパイスを使ったり、いろいろな味のバターがある。

バター200グラムが大体4ドル。

とても高いですね。

デンマークの2倍ですよ。

実は日本のバターの価格は主要国で一番高いのです。

やはり高すぎる。

もう少し使いやすい値段にしていかないとバターの消費自体が落ちてしまう。

バター工場

7月下旬。

この日、茂木さんはMMJの本社に北海道から福田さんを呼んでいました。

見ていたのは工場の完成予想図。

MMJが自らバター工場を建設するというのです。

現状、バターの小売りの値段は史上最高値になっている。

リーズナブルな値段でバターを提供したい。

1キロあたりの製造コストを10円で加工してくれと言っている。

国内のバターの製造コストは生乳1キロあたり23円。

ヨーロッパの最新の機械なら製造コストを10円にまで下げられるといいます。

小売価格も十分下げることが可能ということですね。

冷蔵庫から茂木さんが取り出したものは、

やっと協力していただけるメーカーがあって。

MMJの生乳を使ったバターでした。

あるメーカーの協力で試作品を作ってもらえたのです。

自社工場の稼働は3年後ですがすでに商品名を決めていました。

「北海道デイリーみんなのBUTTER」。

やっとここまで来た感じ。

長かった。

試食販売

7月30日、千葉県習志野市。

茂木さんと福田さんがやって来たのは江口さんが訪ねたあの人気ベーカリー「ピーターパン奏の杜店」です。

ここでMMJのバターの試食販売をさせてもらえることになったのです。

この日用意したのは有塩バターと無塩バター合わせて90個。

早速茂木さん、お客様に声を掛けます。

価格も一生懸命頑張っていますので。

安い。

お値段びっくりするくらい安くて。

主婦も驚く値段!

一体いくらなのか?

MMJのバター

規制にとらわれないバターを初めて作ったMMJの茂木さん。

千葉の人気ベーカリーでバターの試食販売をさせてもらえることになりました。

今回の値段は100グラム税別150円。

大手の国産バターだと100グラムおよそ250円。

100円は安くなりました。

このくらいの値段で出せるかな、今のところ概算だけれど。

パンにバターをたっぷり塗っていよいよ試食販売開始です。

今日初めて私たちが作ったバターを持ってきたんですけど。

買ってくれました。

お値段びっくりするくらい安くて。

一時期バターが値上がりしたり、品薄でマーガリンに代えた時期もあったけど、この値段だったら欲しいな。

家のバターよりおいしい。

子どもたちにも大好評。

安い!

値段の安さに思わず手が・・・

安いね。

次々に売れていきます。

この日用意した90個はあっという間に完売。

農家の所得は増え、消費者は安いバターが食べられる。

規制の壁を超えた日本の新しい農業が始まります。

安くて安全でおいしいバターを届ける。

既得権益の人たちは当然逆らってくる。邪魔してくる。

だけど、そういう人たちの「既得権益」を自分たちが開放していくのが仕事。

山は大きければ大きいほどやりがいもある仕事なのでこれからも頑張っていこうと考えている。

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