35年前に発売されたロングセラー商品にも関わらず並ばないと買えないという幻のクッキーがあります。
その人気のヒミツに迫ります。
幻のクッキー
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兵庫県西宮市の高級住宅街。その一画に行列ができています。
週末の午前8時過ぎですが20人以上が並んでいます。早い人は6時半から、横浜から来たお客様もいます。
そのお目当ては、
なかなか買えない。
死ぬまでに1度は食べたい幻のクッキー。
お客様にここまで言わせるクッキーとは、35年前、洋菓子店ミッシェルバッハで生まれた「クッキーローゼ」です。
ミッシェルバッハ
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午前9時、オープン1時間前ににも関わらず転院が整理券を配り始めました。
「クッキーローゼ」は電話予約も受け付けています。しかし年内の分の予約は3月で終了。さらに通信販売はクッキーが崩れるため一切行っていません。
この入手困難さが「幻のクッキー」と呼ばれる所以です。
前回は贈り物のために買ったが、結構並んで手に入れたので、どうしても気になって食べてしまった。今日は本来贈るべきものをもう一度買いに来た。
クッキーローゼ
クッキーローゼは花形のクッキーの中心にアプリコットジャムを乗せたものとチョコレート味の2種類です。
これが35年間、支持され続けています。
では、その裏にどんな職人技が?
「すごい早いですね。」
ミッシェルバッハの従業員は、
慣れてくるとこれぐらいだと思う。
「なぜ穴が貫通しない?」
2層になっていて薄い部分だけが抜ける。
意外に簡単なのか?
調理場を見ると若いスタッフが多いことに気付きます。
須波宏晋シェフは、
誰でも作れるお菓子だと思う。ただ時間をかけて作り状態を見極めて手間暇かけて作っている。
手間暇
「幻のクッキー」の決め手は手間暇だといいます。
まずは生地作り。気温や湿度の変化に合わせて配合をその都度変えています。
その生地を1日寝かせた後、薄く伸ばし花の形にくり抜いていきます。
これで焼き上げるのが一般的ですが、この生地をもう一度冷蔵庫の中へ。
さらに1日寝かせるといいます。
通常は長くて2日の作業を「幻のクッキー」は3日かけて作っています。
2日と3日、置いた時の味の違いを知ってしまうと3日かけて作るのが普通になる。
1日多く寝かせることで生地にかかるストレスが減少し熟成が進みます。
それによって上品かつあと引く味わいに仕上がるといいます。
その味にお客様は、
素朴な味だけど止まらない。ありそうでない味。そこらへんに売っていそうだが売っていない。
35年間、ブレずに手間暇をかけ続け今や幻となったクッキー。
来年分の電話予約は1月6日から受け付けるといいます。
みんなが思っているほど手間暇だと思っていない。そこはぶれないでお客様の期待に応えていく。お客様が自慢したくなるような店にしたい。