株式会社リバネス
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ベトナム第三の都市、ダナン。
市内でも名門とされる公立のタイソン中学校です。
物理室と書いてある部屋には白衣を着た中学生たち。生徒たちの視線の先には日本で市販されている浄水器。オレンジジュースを入れておくと濾過され透明になって落ちてきます。
こんな形で最先端のフィルターを使い、きれいにするという方法がある。
理科の出前授業を有料で行う日本のベンチャー、リバネスの藤田大悟さんは理系の研修者を増やす気運が高まっているベトナムで出前授業を展開しようとしています。
この日は現地の生徒に実際の授業に参加し体験してもらいました。
見学をしていたベトナムの先生は、
いい授業だ。ベトナムの理科は知識重視で実験が少ないから。
この日の実験は「水をきれいにする」というテーマです。
「貝殻ペプチド」と言って、ここにある貝殻の粉を入れると糸のように汚れが絡まって落ちる。
みんな、早速粉を入れて、ボトルを思いっきり振って、少し待つと汚れが固まって沈んでしまう。最後は違いがはっきり分かるほどペットボトルの透明になります。
科学の力を実際に目の当たりにして目を輝かせる中学生たち。
だが、楽しいだけで終わりではありません。
経済が急発展したベトナムでは生活排水などによる水の汚染は全国的な課題。
先程の実験ではあえて近所の川の汚れた水を使いました。
すると生徒たちに問題意識が生まれます。
川が汚染されている理由は人がゴミを捨てていることと工場からの排水が流れ込んでいるためではないか。
そして最後に伝えるのは理科を勉強すれば世の中の問題を解決できるというメッセージ。
皆さんでも調べて発表すれば大人たちに対して新しい課題を、例えばどうきれいにしたらいいか提案できる。この町を良くできるような担い手になってもらいたい。
実験を経験した生徒は、
事件をやってみて科学の研究に興味がわいた。今日から勉強を頑張ろうと思う。
これまでベトナムは海外企業から「生産のための拠点」として見られがちでした。
しかし国を「生産国」から次の段階にステップアップさせるため理系の人材を育てるニーズが高まっているといいます。
ベトナムも自分たちで新しいものを生み出さないといけない時代に絶対なる。
ダナン越日文化交流フェスティバル
7月末、ダナンで開かれた日本とベトナムの交流フェスティバル。
その一角で藤田さんが何やら説明をしていました。
この2つを混ぜて、よく見ると、実はこれ、光を作り出す液体です。
ここでベトナムの子供たちに実験教室をPRしていました。
藤田さんの後ろには日本語で書かれていたのは「ダナン市教育学園都市構想コンソーシアム」。
このコンソーシアムには教育関連ビジネスでベトナムへの進出を目指す約20社の日本企業が参加しています。
藤田さんのリバレスも実はその一社。一緒にいる女性がコンソーシアムの仕掛け人です。
子供向けの起業家教育を手掛けるセルフウイングの平井由紀子社長。
「1社が」とか「競合」とか、そういうことではなく「オールジャパン」で出て行こうと、こういう活動を始めた。
株式会社セルフウイング
[blogcard url="http://www.selfwing.co.jp/"]
企業がまとまって進出するメリットのひとつが行政との折衝です。ダナンの市役所にあたる建物、ダナン市行政センター。
訪ねたのはダナン市の教育行政のトップ、教育訓練局のグエン ディン ヴィン局長。
教育関連ビジネスを進めるため相談に訪れました。
平井社長は、
先生たちの指導者教育のトレーニングセンターを作りたい。教育訓練局から支援をいただくためお願いに来た。
いい考えだ、ダナンのためにもなる。日本の皆さんはベトナムの先生に教える専門家を連れてきてほしい。それ以外のクラス編成や学費、施設のことはすべて、われわれダナン市が準備する。
理系の研究者だけでなく、さまざまな専門家を育てる拠点づくりがこれから始まります。
それにしても、なぜ「日本」が期待されるのか?
日本
ベトナムと日本の間には、文化の共通点や友好関係、経済協力関係がある。だから日本の教育から学ぶことが最も近道だと考えている。
日本の教育という分野は新たな輸出産業として育っていくのでしょうか?