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[WBS] 極寒・強風の平昌に挑む!軽くて暖かい魔法のウエア!

2018年2月8日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

平昌オリンピックの競技が行われる会場の映像を見ると風が強くて雪が舞い上がっていますが晴れているそうです。

ただ現地はとにかく寒いということです。

平昌のいちを確認してみると緯度は日本の福島県や新潟県と同じくらいです。

しかし気温を見てみると、2月7日の最高気温は氷点下6.1度、そして最低気温は氷点下23.4度。

2月7日
最高気温-6.1度
最低気温-23.4度

まさに極寒、風も強くて耐寒温度はもっと寒くなるといいます。

2夜連続でお送りする「極寒・強風の平昌に挑む日本の技術」。

今回は日本選手を寒さから守る魔法のウエアのヒミツです。

株式会社アシックス

[blogcard url="http://www.asics.com/jp/ja-jp/"]

オリンピックの舞台、平昌は山間の町。

日中にもかかわらず気温は氷点下10度以下です。

好本洋記者、

先程、濡らしたタオルですが一瞬で硬い状態になっています。

会場近くを流れる大きな川も完全に凍っています。

選手やスタッフは分厚いダウンを着たり、重ね着したりするなど防寒に頭を悩ませています。

2月4日、その極寒の地に日本選手団が入りました。着ているのは揃いの公式ウエア。

他の国の選手達と比べて日本選手のウエアは随分と薄く見えます。

フィギュアスケートペアの木原龍一選手は、

これ1枚着ているだけで大丈夫。

スピードスケート・ショートトラックの菊池悠希選手は、

普段ダウンを着ているので寒いかなと思ったが、意外と風を通さないし暖かくて軽い。

一般的なダウンと比べても見た目もスッキとしています。

このウエアを手掛けたのがアシックス。

室内や野外、更には山岳などそれぞれの競技会場のある環境に合わせて12種類のアウターやインナーを用意。

特に技術が詰まっているのがジャケットです。

暖かさだけでなく、薄く軽いことが特徴。

なぜなら冬のオリンピック選手はスキー板など用具や荷物が多くウエアはなるべくかさばらないことが求められているからです。

しかし、アシックスのスポーツマーケティング統括部、松下直樹統括部長は、

暖かくするということは厚くなることを意味する。でも軽量化しなければいけない。矛盾している問題点を解決していかなければいけない。

アシックス スポーツ工学研究所

その問題点を解決したのがアシックスの研究施設。

ここでアシックス全製品の研究う、開発を行っています。

公式ウエアが開発された人工気象室。温度や湿度を自由に設定できる部屋です。

ウエアの開発はどのように進められたのか?

体のあちこちにセンサーを貼ります。これで体の部分ごとに温度がどう変化しているのかを測定します。

ウエアを着て人工気象室の中に入ります。

室温は平昌のスキー会場と同じ氷点下10度。

さらに扇風機で強い風を当てます。

こうして冬の平昌とよく似た気象条件を再現したのです。

「今の寒さ感覚を教えて下さい。」

寒くも暖かくもありません。

室温やウエアを細かく変え、体温の変化の分析を続けます。

「今の寒さ感覚を教えて下さい。」

風が冷たいです。

1年近くデータを集め続け、導き出された結論。

アシックス・スポーツ工学研究所の松本直子さんは、

背中は非常に体温が高いところ。熱を逃げにくくすることが体の温度を保つのに非常に大切。

いかに背中を暖かくするか。

そこである特殊な素材をつけました。

この中に吸湿発熱綿が入っている。

吸湿発熱綿という汗などを吸うと暖かくなる特殊な綿です。湿らせてみると温度がみるみる上昇しました。

最大で4度ほど温度が高くなるといいます。

吸湿発熱綿の内側はメッシュになっていて、汗をかいたときに吸湿しやすいようにしている。

汗の水分が綿に染み込みやすい構造にして発熱を促すのです。

サーモグラフィーで確認すると背骨部分が暖まっているのが分かります。

その分、余分な綿を減らして軽量化。

さらに外気や水が極力入らないように特殊な縫製を施し、防水加工もしました。

こうした日本の技術を駆使して軽くて暖かいウエアの開発の成功したのです。

選手のベストなパフォーマンスが見たい。それを私たちが支えていると思って応援したい。

東京オリンピック・パラリンピック

実はアシックスは平昌に続き、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも公式ウエアを手掛けます。

すでにそれを睨んだ準備も始まっているといいます。

スポーツマーケティング統括部、松下統括部長は、

オリンピックと同時期の東京の環境・気象・空気、いろいろな競技場周辺の調査をすでに行っている。東京五輪に関しては暑い中でどう対応していくか課題。われわれのイノベーションで解決できるよう、しっかり対応していきたい。

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