残業時間の削減に取り組む会社が増える中、社員がなるべく本業に集中して効率良く働けるようにするサービスが登場しています。
ホテルで宿泊客などのさまざまな要望に応えるコンシェルジュのオフィス版ともいえるのがビジネスコンシェルジュです。
その実力を取材しました。
働き方改革
働き方改革。
あなたの会社では上手くいっていますか?
早く帰っても仕事がたまってしまい結局残業してしまう。
個人で効率良くというのは限界がある。会社的に何か工夫が必要。
三菱地所株式会社
[blogcard url="http://www.mec.co.jp/"]
こうした中、あるシステムを導入したことで残業が劇的に減ったという会社があります。
三菱地所です。
三菱地所の総務部、田中文康さんは、
文具の購入と管理、検索にかかる月の総延べ120時間がゼロになった。
その秘密がオフィスの一角に置かれたこちらのカウンター。
一体、何をする場所なのか?
そこにやって来た1人の社員。
夕方までに手土産を手配してほしい。
手土産でしたらいくつかご用意が。
こちら3種類の中から。
男性が差し出したのは土産の定番、洋菓子の詰合せが書かれたリスト。
社員が1つを選ぶとカウンターの男性はすぐさま奥の部屋へ。
ロッカーを開けると洋菓子の箱がいくつも並んでいます。
1つ取ってすぐに社員の元へ。
わずか1分でお土産を用意することができました。
きょうの夕方までに手土産が必要で。
自分で買うと1時間の休憩を丸ごと使わないといけないくらい。
ここなら階段で下りてすぐなので本当に何分の一かで済む。
ビジネスコンシェルジュ
実はこの男性、社員のさまざまな業務上の要望に応えるビジネス版コンシェルジュなのです。
手土産の購入代行はよくある相談事で多い月で50件ほどの注文があるといいます。
一方、こちらの社員は会議で使うプロジェクターの接続に苦労しているようです。
そこに呼び出されたコンシェルジュ。
ビジネスコンシェルジュの岩田和也さん、
点滅が点灯に変わったら真ん中を押していただいて…
これで投影完了です。
社員が本業に専念できるようにあらゆる困りごとを解決するのがコンシェルジュの役割です。
パンフレットの在庫が残っているか、まめにチェックしなければいけなかったが、そこに意識を向けなくても良くなった。非常に助かっている。
前は文房具の発注もいちいち自分でちまちまやっていた。
コンシェルジュがいないのは考えられない。
コクヨアンドパートナーズ株式会社
[blogcard url="http://kokuyo.jp/bpo/"]
実はこのビジネス版コンシェルジュを請け負っているのは文具メーカー、コクヨのグループ会社。
現在、60社に同様のサービスを提供しています。
その強みはどこにあるのでしょうか?
1ヶ月で86万円のコスト削減を実現することができ、お客様からも大変喜んでいただいた。
この日、各社に派遣されているコンシェルジュのリーダーが集まっていました。
このような手書きの原稿がある。こんなようなことを表現したいんだけど。
僕の力量ではここまでしかできないんです。
この作業を担うことで実際にこの原稿を作った方、この方が自分のコアの業務に集中できる。きれいに作ることが本来の仕事ではない。
社員が作った走り書きの原案をコンシェルジュがプレゼン資料として作り直したという報告です。
各社での手助けの実例を組織として共有していたのです。
さらにこうした実例を現場のコンシェルジュに細かく伝えることが重要だといいます。
若手コンシェルジュは、
美品の棚でお客様からもちょっと言われていて困っている。
散らかっていて、物の数が読めなくて。
どこに何があるか分からないね。
そうなんですよ。
一番減っていくウエットティッシュとかも奥に入れていて、パッと見て数が分からない。
ベテランコンシェルジュが後輩を連れて向かったのは…
すでに文房具の整理整頓が解決している会社の一角です。
これがサプライピットというもので、例えばハサミの置き場所はハサミの形に切り抜かれている。
これを使った人は必ずここに戻したくなる仕組みになっている。
さらに消耗備品は無くなったら商品カードをカゴに入れておきます。
何が無いのか一目瞭然で、補充も簡単にできる仕組みです。
これ分かりやすいよね。
分かりやすいですね。
これまで積み重ねてきた解決策をコンシェルジュ全体が共有することで別の顧客の業務改善にもつながるといいます。
コクヨ&パートナーズの榎本淳一取締役は、
オフィスのコンシェルジュが社会的に認知される。
そのことによって今いる300人のメンバーがやりがいを持って、皆にも認知されるようなポジションを作っていくというのが役目。