いま再び木造建築が注目されています。WBSのスタジオも木をふんだんに使っています。
技術の進化とともに木造のビルや大型の施設などが続々と誕生しています。
今回の白熱ランキングです。

美しい木造建築
東京・江東区にある賃貸マンション「フラッツウッズ木場」。

部屋に入ってみると壁には国産の木材が使われています。

さらにトイレは…
竹中工務店の松崎裕之さん。
木の壁がつながっている。

12階には床から天井まで木に包まれた共用スペースも。

環境建築として木造建築が世界のトレンドになっている。

そこで今回は環境意識の高まりと共にいま日本で注目される木造建築をランキングで紹介します。


7~10位
まずは7位から10位。
7位 | 真庭市落合総合センター | 岡山・真庭市 |
---|---|---|
8位 | このはなアリーナ | 静岡市 |
9位 | 亀山市立関中学校 | 三重・亀山市 |
10位 | ふれあいキューブ | 埼玉・春日部市 |

真庭市落合総合センター
7位にランクインしたのは岡山県にある公共施設「真庭市落合総合センター」です。
町を走ると見えてきたのは材木市場です。


実は真庭市、日本有数のヒノキの産地。

真庭木材市売の井原敬典乗務。
真庭の木は扱いやすい、クギが打ちやすい、カンナもかけやすい。

その真庭のヒノキを使った町のシンボルがこちらの公共施設です。

建物の大半に木材が使用され、天井は木漏れ日のような光が降り注ぐ木のカーテンで覆われています。

真庭市の建設部、川端次男課長。
木は経年変化があるので一緒に年を取っていくようにやさしく育てていければいい。

そして建物の裏に案内されると…
これは木のチップとペレットを使ったボイラー。

木材を作るときにできた廃材などを燃料として利用。

建物からエネルギーまで地産地消を実現しています。

4~6位
続いては4位から6位。
4位 | 屋久島町役場 | 鹿児島・屋久島町 |
---|---|---|
5位 | 認定こども園 ミライズそら | 兵庫・丹波市 |
6位 | 江東区立有明西学園 | 東京・江東区 |

江東区立有明西学園
番組が注目したのは6位に入った江東区立有明西学園です。

2018年に開校した小中一貫校で木の温もりを生かした学び舎として注目されています。
吹き抜けの階段の壁には国産の唐松が使われています。
壁には何やら文字が…
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」

江東区教育委員会事務局の太田邦彦さん。
子どもたちを図書室にいざなう。

図書室から知識や言葉が漏れてくるような考えのもと、こういう字を刻んでいった。

そしてこちらの学校、実は特殊な木材を使用しています。
大きい太い柱、耐火の柱が5本。

教室の柱と梁には「燃エンウッド」と呼ばれる耐火木材が使われています。

こちらは実験の映像。

燃やすこと1時間、表面は真っ黒に焦げています。

しかし、中はこの通り焼けていません。木の中に埋めこまれたモルタル材が木の燃焼を食い止めるといいます。

1~3位
そして1位から3位はこちら。
1位 | 有明体操競技場 | 東京・江東区 |
---|---|---|
2位 | おしゃっち | 岩手・大槌町 |
3位 | 新柏クリニック | 千葉・柏市 |

有明体操競技場
1位に輝いたのは有明体操競技場です。

こちらの競技場といえば東京オリンピックの体操競技の会場です。
この競技場の屋根、木材を使ったものとしては世界最大級。一体どうやって作られたのでしょうか。

清水建設の設計本部、石川慎一郎さん。
下で組み立てたものを20mぐらい上げる「リフトアップ工法」というのを使った。

木材を組み合わせ、屋根のパーツを組み立てていきます。
一部分といってもトラックの荷台いっぱいのこの大きさ。
幅70メートル、重さ200トンの屋根のパーツをリフトを使って高さ20メートルまで引き上げます。

1回あたりにかかる時間は3時間以上。
この作業を5回繰り返し、屋根が完成しました。
脱炭素の動きが加速する中、木造建築の存在感は今後も高まりそうです。