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[モーニングサテライト]【ふちこの突撃マーケット】ステーブルコインってなに?[マネックス証券株式会社]

2022年5月31日

モーニングサテライト

「ふちこの突撃マーケット」です。

今回のテーマは「ステーブルコインってなに?」です。これは暗号資産の一種ですが、ステーブルというのは安定したという意味でドルなど信頼性の高い資産と価格が連動するように設計されているものです。しかし、米ドルと1:1で連動するはずのテラUSDというステーブルコインが今月急落して5月30日は一時2セント台となりました。安定が売りのステーブルコインですが一体何が起きているのでしょうか。

"安定"のはずが"急落"?ステーブルコインとは

まずステーブルコインというのはどういったものなのでしょうか。

番組でもお馴染みマネックス証券の大槻奈那さんを訪ねました。

片渕茜キャスター

ステーブルコインが生まれた背景は?

マネックス証券
大槻奈那さん

ビットコインやイーサリアムを買って投資する人が多いが一時的に暗号資産の相場動向が分からないので少しだけ安定的なものに置いておきたいというニーズを満たすものがステーブルコイン。

このステーブルコインは大きく分けると担保型と無担保型の2種類があります。

まず担保型は法定通貨や金、石油など裏付けとなる資産を持つことで価格を安定させています。世界で最も取引量が多いステーブルコインのテザーは米ドルを裏付け資産とする担保型です。

一方で急落したテラUSDは無担保型です。これはアルゴリズム型とも呼ばれていますが価格に応じてコインの供給量を増やしたり減らしたりすることで自動的に価格を米ドルに連動させるという仕組みです。

しかし今月上旬、テラUSDの価格が急落。アメリカの金融引き締め強化を警戒して暗号資産から資金を引き上げる動きが強まったことがきっかけです。

マネックス証券
大槻奈那さん

テラとドルの価格が1:1から乖離してすぐに戻らなかった。
そもそも裏付け資産をドルで持っていないので本当に価格が戻るのか市場が疑心暗鬼になった。

片渕茜キャスター

一回信頼が崩れると早いんですね、暴落までが。

マネックス証券
大槻奈那さん

難しいですね。
本来ならアルゴリズム型で担保がなくてもステーブルに安定できると思う。
ただテラの件を見ても今の段階でアルゴリズム型で安定性があるということを市場全体に納得させるのは難しいかも。

信頼で成り立っていたということですね。

ロシアで活発?ステーブルコインに資金流入

そして実はウクライナ情勢にもステーブルコインは関わりがあります。

欧米によるロシアへの制裁でロシア・ルーブルの相場は急落しました。

そんな中、米ドルと連動している担保型のステーブルコイン「テザー」へのロシアからの資金流入分が一時活発になりました。

片渕茜キャスター

なぜテザーにロシアから資金が流入?

マネックス証券
大槻奈那さん

テザーを手に入れることで事実上ドルを手に入れることができる。
購入者がどういう人かは追えないが比較的大きな取引ではないので個人や富裕層。
ウクライナ侵攻当時には暗号資産の取引所で出金のチェックは厳しくなかった。
制裁対象者でも取引ができた可能性は否定できない。

矢内雄一郎キャスター

先ほどのテラと同様にテザーも暴落した場合はロシアにも影響がありそうというということですね?

片渕茜キャスター

大槻さんによるとテザーは担保型なので暴落の危険性はそもそも低いということでした。

そしてテザーはホームページでこういったものを公開しています。

現金などがおよそ85%、車載などがおよそ4%という風に裏付け資産を公開しています。実はこの裏付け資産は会社は開示の義務はありませんが、開示するとによって信頼を得ているというわけです。

またステーブルコインの中で最も取引量が多いということもテザーの信頼の理由のひとつです。

矢内雄一郎キャスター

テザーは日本でも取り扱っている?

片渕茜キャスター

日本の取引所では取り扱いがありません。
そんな中で日本円に連動するステーブルコインも生まれていて消費の現場で活用する試みが始まっています。

日本円に連動!ステーブルコインが店で使える

老舗デパートの松屋銀座。

宝飾品や家具などの一部の売り場でステーブルコインを使って買い物ができる仕組みを試験的に導入しています。

使用できるのは去年誕生した「JPYC」です。

日本円に連動していて発行学は今月10億円を突破しました。

片渕茜キャスター

JPYCを導入している理由は?

松屋
中野恭彦さん

今後ブロックチェーンがどんな技術に発展するのか分からないが、小売りとの親和性があるのかトライする意味で初めの一歩として取り組んでいる。

店頭で商品を選んだ後は取り置き票に記入します。そしてその後、JPYCで支払い手続きをして決済が確認後、商品を受け取ることができるという流れです。

松屋
中野恭彦さん

暗号資産保有者は20代、30代が半数と聞いている。
20代、30代は松屋とは距離が遠いかなと思っているので距離を縮められればいいなと。

JPYCを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。

コインを発行・運営するスタートアップ企業「JPYC株式会社」に聞きました。

JPYC
岡部典孝代表

クレジットカードなどと比べて低い手数料になっている。
クレジットカードだと3%くらいが店舗側に手数料でかかるがJPYCは1%未満にできるといいなと。

片渕茜キャスター

可能なのか?

JPYC
岡部典孝代表

ブロックチェーン技術を使うことでサーバーの管理費用をかなり浮かせられ、その分が安くできる。

手数料は店舗側のメリットで買い手側のメリットは何でしょうか。

JPYC
岡部典孝代表

最近は"ブロックチェーンゲーム"といわれる暗号資産が稼げるようなゲームもあり、実際の店舗で買い物ができると稼いだ実感がわいてくる。
便利な決済手段が日本にはたくさんある。JPYCは多様な決算手段がある中の一つ。
暗号資産を持ってない、分からないという人にどこまでメリットを打ち出せるかを広げていきたいので松屋で使えるのは嬉しい。

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