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[モーニングサテライト]【CFO参上】ブリヂストン 吉松CFOに聞く!「成長につながるM&A」とは[株式会社ブリヂストン]

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「SFO参上」、財務のトップが未来を語る、今回の企業はタイヤ大手のブリヂストンです。

ブリヂストンというとタイヤの売上高が長らく世界シェアトップにいたと思いますが、2019年にミシュランに抜かれて現在2位という位置です。

ここ数年はタイヤをただ売るだけでは生きていられないと事業構造の大改革を行いました。

その財務を去年から担うのが日本電産で永守会長の右腕としてCFOを7年務めた吉松加雄さんです。これまで培ったM&Aなどのノウハウをブリヂストンでどう活かし、収益を高めていくのか聞きました。

業績給回復のキーパーソン

東京・小平市にあるブリヂストン・イノベーション ・パーク。タイヤメーカー、ブリヂストンの技術開発の拠点です。

今年4月、新たな建物が完成し、本格稼働しました。施設内のショールームは一般公開されています。

建物の入口には一際目を引くタイヤが…

塩田真弓キャスター

オブジェですか?

ブリヂストン
吉松加雄CFO

鉱山の採掘現場で使われる車両のタイヤ。

建設機械向けのタイヤ、そして乗用車やトラック、二輪車などさまざまな車両のタイヤを手掛けるブリヂストン。日本を代表するグローバル企業ですが、2020年12月期の決算は工場などの再編の費用がかさみ、69円ぶりに赤字に転覆。

そこで稼ぐ力の再構築を掲げ、海外経験の豊富な石橋秀一社長の強いリーダーシップのもと、収益性の低い事業の売却や工場の閉鎖を敢行。

2021年12月期は最終損益が過去最高と急回復を果たしました。

そのブリヂストンの財務を任されたのが吉松加雄氏。数々の企業で財務を担い、日本電産では永守現会長の右腕として売上1兆円を超える成長に貢献しました。

2019年に大学教授や経営コンサルティングに転身しましたが、去年再び財務の最前線に戻ってきました。

塩田真弓キャスター

2021年の就任直後に事業の売却報道、会社としてはかなり大きな決断?

ブリヂストン
吉松加雄CFO

過去の課題を正面から取り組み先送りしない。
痛みも伴う事業再編を進めてきた。

去年12月、自動車のエンジンの振動を低減する防振ゴムと車のシート部材などの化成品事業の売却を発表しました。

グループ全体のおよそ6%にあたるおよそ7,900人がブリヂストンから転籍。そして売却損は1,000億円以上。まさに痛みを伴う再編でした。

タイヤに次ぐ柱 育成へ

そして、攻めに転じるブリヂストン。今年8月に発表した長期戦略では売上収益5兆円強、営業利益は8,000億円強を目指しますが、その成長のカギとなるのがソリューション事業です。

その一部を見せてもらいました。

ブリヂストン
吉松加雄CFO

ホイールにセンサーがついている。
センサーがタイヤの空気圧と温度をリアルタイムに測定。
運送事業者の運行管理室でリアルタイムで監視ができる。

タイヤの内部の状況をリアルタイムでモニタリングし、異常があれば顧客に知らせるシステムを提供します。

こうしたソリューション事業の売上を現在のおよそ1兆円から2030年には2兆円レベルへと拡大。高機能のプレミアムタイヤ事業と並ぶ経営の二本柱に据える計画です。

M&A成否「融合」がカギ

その計画を実現させるためこの数年、運行管理サービスを展開する企業などを次々と傘下に収めています。

企業買収を繰り返して成長してきた日本電産の出身の吉松氏、M&A成功の秘訣を聞くとカギはPMI(買収後の融合)をいかに買収前から社内にも積極的に関わらせるかにかかっているといいます。

ブリヂストン
吉松加雄CFO

譲渡完了はM&A全体の2~3割の意識。
買収後の融合に重点を置いた対応が必要。
PMIを推進する部門が買収する過程に密接に入り、買収後にどういうシナジーを上げていくか、買収前に社内でコミットメントを形成する。
買収前の計画にこだわってPMIを推進していく。

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