新型コロナウイルスの影響で経済の回復に陰りが見える一方で活況となっているのが金融市場です。
この1ヵ月あまりでアメリカのナスダック総合指数や日経平均株価に加えて原油やビットコインが大きく上昇しています。
そしてビットコインの次に上昇しているのが商品市場で取引されるトウモロコシです。25%という急上昇となっています。
このトウモロコシ価格の高騰がいま意外な場所に影響を与えています。
有限会社北川鶏園
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都心から車でおよそ1時間、千葉県袖ケ浦市にある「のうえんカフェ」。
地元で採れた野菜を使ったロールキャベツグラタンが人気といいます。
新型コロナの影響はこちらの店にも及んでいました。
のうえんカフェの小溱伸二さん、
前は2~3時間、お客様が並んでいたが今は普通に入れる。
お客様が平日半分ぐらい減った。
1月22日、店に運ばれてきたのは…
段ボール箱には「ぷりんセス・エッグ」と書かれています。
この卵、店内で提供するデザートのほか、店頭で販売するシフォンケーキやプリンなどに使っていますが来店客の数が減ったことで発注量は1割から2割ほど減ったといいます。
お客様が減ると卵の消費も減る。できるだけいっぱい取りたいが。
この店に納品しているのが卵を運んできた養鶏農家の北川貴基さんです。
お客様を目の前にして話しづらいが飼料価格のアップによる負担を自助努力で吸収できなくなったときは価格改正をお願いせざるを得なくなる。
同じ袖ケ浦市内にある養鶏場「北川養鶏」に行ってみると…
やって来た北川さん、そのエサを見せてくれました。
大きい粒状に見えるのがトウモロコシで約50%、大豆が約20%。
エサのおよそ半分がトウモロコシ。
年間330個もの卵を生むニワトリには栄養価の高いエサを与えなければ体が維持できないといいます。
北川さんが頭を抱えているのはこのエサ代が上がっていること。
見せてくれたのは業者からの請求額です。
今月の価格は1トンあたり4万7,000円。1ヵ月で10%近く上昇しています。
北川さんが経営する養鶏場では毎月110トンのエサを使っているため45万円ほどのコストアップとなります。
コロナの影響で加工用・飲食用からの発注にブレーキがかかり卵が余っている。
そこに飼料価格が上がり"ダブルパンチ"という状態。
エサの価格を押し上げているのが原料となる穀物の高騰です。
去年の12月1日を基準とするとトウモロコシは25%、大豆は18%と急激に上昇しています。
背景には異常気象などの影響で生産量が減り、需給がひっ迫する懸念がありますが専門家は別の要因を指摘します。
楽天証券経済研究所のコモディティアナリスト、吉田哲さん、
数年に一回くらいの急騰といえる。
金融緩和時に価格が上がっている一因にやはり投機的な動きがある。
金融緩和が今後も続くなら穀物価格上昇が続く可能性がある。
世界的に大規模な金融緩和が行われ金あまりの状態が続く中、投機マネーが流入しているといい、今後わたし達の食卓への影響も懸念されます。