桃といえば甘いフルーツの代表格ですが、世界一の称号に輝いた桃があるのをご存知でしょうか?
行列も納得の甘さの秘密を探ります。
道の駅「愛彩ランド」
大阪府岸和田市、道の駅にある野菜直売場に長い行列ができています。その数、週末には150人を超えます。
彼らのお目当ては?
桃です。
すっごく甘い!
ギネスブックってあるでしょ。あれに糖度で載った。
ギネス世界記録に認定された桃とは一体どれほどの甘さなのか?
午前10時の開店とともに直売所に流れ込むお客様たち。
6~8月にかけては岸和田市内で産出される桃が大半のお客様のお目当てとなります。
買い物客は、
初盆のお供えに送る。3万円くらいは買う。
多くのお客様が1箱4,000~5,000円の高い桃を贈答用に、自分が食べる分は1箱1,000円の安いものと分けて買っています。
なかにはこんなお客様も、
これいくら?
知らない。
やめてよ!いやだ!絶対に買わない!
買う!買う!買う!
なぜここまで人気なのか?
その答えは桃の甘さです。一般的に桃は糖度が12度くらいあれば十分甘いといわれます。
岸和田の桃はそれよりも高いものばかり。
縦に積まれた桃の箱、下から糖度が15度、16度、17度、18度、一番上が19度と上がっていきます。
この一番上の甘い桃をゲットしたいお客様が開店前から行列をするのです。
甘さの違い
では12度と19度の桃はどのくらい甘さに違いがあるのか?
お客様に食べ比べてもらいました。
12度の桃は、
おいしい。すごく甘い。
そして19度は、
全然違う。
思わずのけぞる甘さです。
マルヤファーム
この桃を有名にした一人の桃農家がいます。岸和田生まれのマルヤファームの松本隆弘さんです。
これなかなかいい感じ。糖度高そう。
松本さんは10年ほど前からリンゴに使われる土壌改良材を桃作りに応用するなど、独自の研究で糖度を上げていきました。
そして2年前、「世界一甘い桃」としてギネス世界記録に認定されました。その糖度22.2度。
本当にそんな糖度が日頃から出るのか、この日採れた桃を測ってみると、
27.8度。
ギネス記録を遥かに超える数字が表示されます。
実はギネスに挑戦したきっかけは糖度を測る機械「糖度測定器」にあったといいます。
開発担当者に「25.5度までしか出ない」と電話したら、開発者の方が「あらゆる果物をサンプリングした結果、日本国内に糖度25度を超える果物は存在しないと判断した。まさか超える人が出てくるとは思わなかった。」といわれた。
これは、ひょっとしたら日本一が取れるなと思った。
松本さんはギネス認定を足がかりに岸和田市包近地区の農家の再生を目指しています。
専業農家で一番若いのが45歳。次の世代が増えるようにしっかり儲けてみせたい。
世界一甘い桃。ギネス世界記録の名に恥じないさらに甘い桃を目指し、松本さんの挑戦は続きます。
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