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[ガイアの夜明け] 百貨店はどう生きるか?(2)

2017年11月7日

百貨店はどう生きるか?

株式会社三越伊勢丹

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バイヤーミーティング

苦境にあえぐ伊勢丹。8月にガイアのカメラが入りました。

婦人服売り場を担当するバイヤーとそのアシスタント、総勢100人以上が週に1度集まります。

伊勢丹のバイヤーは買付けだけでなく販売戦略やオリジナル商品の開発まで担う精鋭部隊です。

今、そんな彼らに求められているのは百貨店の常識を越えた新たなチャレンジ。

新宿婦人・子供商品部の中川一部長は、

新しいブランドやスタイリングでは付加価値にならない。そこを超えたファッションの提案をちゃんと持ってください。

伊勢丹のバイヤーはパリコレなどのファッションショーでも最前列に招かれ有名ブランドから一目置かれてきました。

バイヤーがどれだけ時代を読み、新しいファッションを提案するか、それが伊勢丹の生命線だったのです。

三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は、

昔はバイヤーがものすごく権限を持っていた。そのバイヤーが自分の意志で自由に与えられた店を組み立てていた。何とか今のバイヤーたちにもう一度しっかりとした権限を与えて彼らが自由にやれるような体制を築いていく。バイヤーが徹底的に自分から物事を発信していく。

関根千紘さん

伊勢丹復活を託させるバイヤーのひとり、新宿婦人・子供商品部バイヤーの関根千紘さん。

この日やってきたのは名古屋の商店街。

これまであまり通うことがなかったお店です。

物色し始めたのはなんと古着。

日本の人気デザイナーや海外のブランドの商品を主に仕入れてきた関根さん。

若い女性に人気が出始めてきた古着に興味を持っていました。

百貨店のお客様は一番ビンテージや古着屋と遠いところにいる人たち。

古着がみんないいなと思っているタイミングでビンテージをやったらお客様の期待に応えられると思って探し始めた。

入社当時はリクルートの販売員だった関根さん。

百貨店の花形バイヤーに惹かれ、まずはアシスタントとして修行。入社から7年、いち早くバイヤーに抜擢されたのです。

古着の常設売り場

伊勢丹に古着の常設売り場を作れないか?

関根さんはこの日、上司の中川さんに直談判です。

実は中川さんも以前、古着を扱ったことがありました。しかし仕入れた古着がお客様に受け入れてもらえなかった苦い経験を持っています。

百貨店に来ない人たちにもう一回来てもらおう。

なんで古着なの?

古着は1点1点違うのが特徴。同じような洋服はどこでも手に入るけど、自分らしい着こなしが古着でできるところが発信しているものを受け取るだけのマインドから、今の若い人たちが自分がいいなと思ったものを逆に発信したいというマインドになっている。足を運んで買ってもらうきっかけなのかなと。

古着で再びお客様を取り戻す。上司もその意気込みを買ってくれました。

関根さん、勝負に出ます。

PERK

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やってきたのは大阪で古着を扱うショップ。

奇抜な衣装を着た店主が出迎えます。

ここは民族衣装の古着で定評のある店です。

この辺はアフガニスタンの民族衣装。

タイの少数民族の衣装(1万7,280円)。

宝探しするみたいな感じ。

古着の中でも特に珍しい品ばかり。関根さんは300点もの仕入れを決めました。

古着の問題点

伊勢丹新宿本店。

閉店後、仕入れた古着を店頭に並べる関根さん。

一体何をしているのでしょうか?

検針器をかけています。お直しをして針が残っているとお客様がケガをするので。通常の洋服だと工場で大きな検針器を通ってくるが…。

手間はかかる。

もう1つの問題は品質表示のタグ。

これタグ付いていると思う?

付いています。

伊勢丹では素材や洗い方を表記した新たなタグを付けなければ古着を売ることは出来ません。

新品の服にはない手間。それでも新しい可能性に掛けます。

MALIONvintage

もう1つ、関根さんにはとっておきの秘策がありました。

この日、向かったのは都内のマンション。

これだ!

初めて訪ねます。

訪れたのは若手デザイナーのオフィス。

押し入れから出してきたのはアメリカやヨーロッパから仕入れた大量の古着。

彼女たちはこれをオリジナルの服に作り変えていました。

自信作のジャケット。

すごい!かわいい!

何着ぐらい使っているんですか?

2着で1枚ができる。

リバーシブルにもなる奇抜なデザイン。

女の子がとっつきやすい。男っぽすぎず。

古着の買い付けを行っていた粕谷栄莉子さんは2016年に2人でMALIONvintage(マリオンヴィンテージ)というブランドを立ち上げました。

上質な生地にこだわりリメイクして商品化をしています。

1着数千円で仕入れたメンズのジャケット。1着1着解体します。

それをデザイン画とともに茨城県かすみがうら市の縫製工場「ソーイングスタジオ セキグチ」へ。

メンズジャケット2着を利用して丁寧に縫い上げると1点ものの女性用ジャケットに変身していきます。

値段は5万9,400円。

関根さんはこのジャケットを15着。これが目玉商品です。

きっかけ

ところで関根さん、彼女たちとどうやって知り合ったのでしょうか?

関根さんがインスタグラムで探してくれた。

デザイナーの清水亜樹さん、

ラッキーなこと。うれしかったです。

伊勢丹でできるかな、販売したことがなかったので。

古着販売

8月30日、この日から古着の販売が始まります。

デザイナーにも売り場に立ってもらいます。直接接客をしてもらい商品のこだわりを伝えてもらうことが狙いです。

開店です!

早速、一人目のお客様です。

これと…。

即決ですね。

すぐに気に入ってくれました。

こだわりが詰まっている。みんなとかぶらずにオリジナルの着こなしができる。

平日にも関わらすず大賑わい。関根さん、迷っているお客様に声を掛けます。

私もすごくかわいいなと思って。

古着のジャケットから作ったショートパンツやベストも店頭に並んでいました。

素材の割にガーリー(女性らしい)。

午後5時、関根さん売り上げが気になります。

目標の予算に対してはいいと思う。

目標の1.5倍を売り上げたこのブランド。来年早々にもまた売り出すことが決まりました。

関根さんの狙い通り。若い女性たちの心を掴んだようです。

目玉のジャケットは初日で15着完売しました。

百貨店は気軽に足を運んでもらって、気張ったところじゃなく、より身近な存在になれるようにしたい。

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