分厚いステーキを立って食べるという斬新さがヒットし、6年間で500店舗近くを出店するなど急成長を遂げてきた「いきなり!ステーキ」が1月13日、26店舗を一斉に閉店しました。
3月末までには全店舗数のおよそ1割となる44店舗を閉める計画です。
消費税増税に人手不足など逆風化にある外食産業ですがいきなり!ステーキにブレーキをかけたのは一体何だったのでしょうか?
株式会社ペッパーフードサービス
[blogcard url="http://ikinaristeak.com/home/"]
ペッパーフードサービスが展開するいきなり!ステーキは2013年に東京・銀座に1号店を出店。
上質なステーキの量り売りや立って食べる斬新なスタイルがブームとなり急成長を遂げました。
2017年にはニューヨークに進出。
わずか6年で500店舗にまで規模を拡大しました。
しかし…
北村まあさキャスター、
いきなり!ステーキの銀座6丁目店ですが店の入口に張り紙があります。「1月13日を以て、当店は閉店させて頂く事になりました。」。
1月13日、全国の26店舗を一斉に閉店したのです。
都内では4店舗が閉店。
「きょうで閉店と知っていた?」
知らなかった。
新しい店を探さないといけない。
悲しいですね。
その要因は何なのか?
一瀬邦夫社長
いきなり!ステーキを運営するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長、
ひとつめはカニバリゼーション。
どんどん店を出したから勢いに乗って。
店舗同士が近いためカニバリゼーション、つまりお客様の奪い合いが起きているのだといいます。
1月13日に閉店した銀座6丁目店から最寄りの店舗まで歩いてみると…
5分44秒。5分で着いちゃいましたね。近い。
特に店舗数が多い都内のビジネスエリアでは店舗が密集しているのが分かります。
全国26店舗の閉店に店の利用客は、
この近くにも結構店舗がある。1店無くなっても他にも行ける。
店舗を増やしすぎた。最初は物珍しい感じはあった。
いきなり!ステーキを苦しめた要因はほかにも。
いきなり!ステーキならぬ「やっぱりステーキ」など、似たようなコンセプトのステーキ店が低価格を武器に相次いで出店。
これに対し、いきなり!ステーキは店舗数を増やすことで対抗しようとしました。
そのスピードに人材育成が追いつかずお客様からのクレームが増加したといいます。
「人材育成に目が届かなくなった?」
届かないままここまで来てしまった。勢いで。
当然来るべくして来たピンチ、うぬぼれもある。
今回の店舗一斉閉店で既存店の質を高めることに注力していく考えです。
今は踊り場。
階段の踊り場ではなくてロッククライミングしているときに上の高いところを狙うために途中の空いたスペースで休んだりしてまた上を目指す。その所だと思っている。
いま消費税の増税でお客様の財布の紐が固くなっている上、人手不足などで逆風が吹く外食業界。
去年の飲食業界の倒産件数は732件で過去最多となっています。
ワタミ株式会社
[blogcard url="https://karaagenotensai.com/"]
こうした中、新たな需要を取り込もうと動き出している外食チェーンがあります。
商店街の真ん中にあるから揚げ専門店「から揚げの天才」。
自慢の商品は60グラムの大きなから揚げ「デカから」。
税抜1個99円です。
から揚げの天才梅屋敷店の中山健店長、
こちらが黒しょうゆ。
こちらが白の塩こうじ。
24時間漬け込んでいる。
味がしっかり入っておいしい。
実はこの店を運営しているのは居酒屋チェーンのワタミ。
この店は店内での飲食に加え、持ち帰り需要を重視した店です。
改めて店頭をよく見ると、店内への入り口とは別にテイクアウト専用の窓口が。
店内にもカウンター席が10席ほどありますが売り上げの8割が持ち帰りだといいます。
持ち帰りの中食需要に目をつけた背景にあるのが消費税増税。
から揚げ1個の値段は店内で食べる場合は109円ですが、テイクアウトの場合は軽減税率が適用されるため106円です。
子どもたちが好きなのでよく買う。持ち帰りで家で食べている。
「外食は減った?」
ちょっと気にするようになった。消費税が10%になったから。
ワタミは今後、中食需要を取り込むこのから揚げ店を3年間で300店舗出店する方針です。
ワタミのから揚げ事業部、渡邉真部長、
外食はここ10年上がり下がりがあったが、中食は一定して伸びている。安定して伸びていくと見込む。
ロイヤルホールディングス株式会社
[blogcard url="https://www.royal-holdings.co.jp/"]
ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスも中食に力を入れ始めています。
先月発売したのはレストラン品質の冷凍食品「ロイヤルデリ」です。
温めるだけで高いクオリティーの料理ができるので良い。
簡単に調理できるショートパスタなど25種類でレストランの味を家庭でも再現できるといいます。
かなり本格的です。トリュフの香りがフワッと広がります。リコッタチーズとほうれん草が中に入っていて、家で作るのは相当難しいです。
ロイヤルホストの店頭などで販売し、2030年に100億円の売り上げを目指しています。
冷凍食品を事業の柱として育てていく考えです。
ロイヤルホールディングスの野々村彰人常務、
外食、中食、内食がボーダーレスになってきている。
これだけのクオリティーがあれば可能性はマーケットとして十分ある。