株式会社ホーブ
北海道旭川にある「株式会社ホーブ」という少し変わった名前の会社です。
髙橋巖会長に北海道で何の問屋をしているか聞いてみました。
いちごの問屋です。
いちごの問屋でがっちり?
はい。
お店に卸したりしている?
業務用のいちごを専門に扱っています。
株式会社ホーブは全国の市場から業務用のいちごを仕入れて、ケーキ屋さんやパンメーカーに卸しているいちご専門の問屋です。
業務用だから年間を通して安定した数が確保しないといけません。
なので株式会社ホーブのようないちご問屋が欠かせません。
年間売上
年間売上はどれくらいですか?
52億円です。
昨今のスイーツブームに乗っかって、かなりがっちりの株式会社ホーブ。
業務用いちご
業務用のいちごと普通のいちごは何がどう違うの?
やって来たのは株式会社ホーブの東神楽物流センターです。
毎朝、農家さんが収穫し、パック詰めした業務用のいちごが集まってきます。
蓋を開けて、いちごを触ってジロジロ…
これは何を見ているんですか?
例えば、こういった果実がケーキの上に乗ってしまうと、先が白いので見栄えが良くない。
これだめですか?
見た目が大事なんですよ、業務用は。
業務用いちごは見た目重視。
髙橋巖会長曰く、円錐形で程よい大きさ、まんべんなく色がついているのが、儲かりストロベリーとのことです。
先白と呼ばれる先端が白いいちごはダメ、ちょっとだけ先が凹んでいてもNG、色が付きすぎてもダメです。
色が付きすぎ、赤くなると柔らかくなる。そうすると手の跡が出てくる。
色が付きすぎて完熟しちゃうと?
手で押した跡のような指紋の跡が出てしまう。
業務用いちごは堅さも重要な儲かりポイントのひとつです。
形・色・大きさ。食味とかは関係なし。
味は二の次?
こんなこと言ったら怒られるかもしれませんけど、本来はそうなんです。
夏いちご
業務用いちごを卸してがっちりの株式会社ホーブ。
いちご業界では誰も成し得なかった事に成功したといいます。
それが、
暑い時にもできるいちご。夏に獲れるいちご。
株式会社ホーブが作っているんですか?
そうです。
夏いちごを?
そうです。
いちご問屋の株式会社ホーブの最大の儲かりのタネは、国産としては初の夏いちごの大量栽培に成功したことです。
元々、日本国内では6月~10月の間は暑すぎてほとんど作れませんでした。
それでもいちごケーキを作らなきゃ、ということでスイーツメーカー各社はアメリカから輸入していたのですが、輸入のいちごはけっこう堅くて、あまり業務用向けではありませんでした。
ところが21年前の1995年、株式会社ホーブが夏いちご「ペチカ」の開発に成功。
形・色・大きさ、そして堅さも程よく、冬いちごと比べても遜色のないレベル。
ということでメーカーから注文が殺到します。
その結果、
ホーブはそれまで売上げが1~2億円の会社だった。それが一気に10~20億円になった。
なんと売上げが10倍もアップ。
しかし、なぜいちご問屋の株式会社ホーブがそんなスゴイいちごを作ることができたのか?
元々、この会社の30年前は育種や培養をやっていた。
元々、卸じゃないんですか?
違います。
そもそも、株式会社ホーブは1987年の創業以来ずっといちごの品種開発をしている会社なんです。
4月の終わり頃になるとペチカの苗を契約農家に販売して栽培してもらいます。
収穫したいちごを仕入れて全国のメーカーに卸しています。
こうして国産の夏いちご市場を開拓したことで、問屋業にも進出。
創業からわずか10年で、業務用いちご問屋の最大手になりました。