ハンドドリップで1杯ずつ入れるコーヒーがブームとなる中、コーヒーを楽しむ場所にも注目が集まっています。
2月に出た雑誌「Hanako」の喫茶店特集号は書店からの追加発注が相次ぎ異例の売り切れに…。
喫茶店やカフェに関する多くの書著があるライターの川口葉子さんに今のトレンドを聞いてみると、
最近、文化財のカフェが増えている。歴史的な価値ある建物が廃れてしまうところをリノベーションして多くの人にその場所の魅力を知ってもらえるのはカフェならでは。
明治や大正時代などに建てられ文化財に登録されている文化財カフェ。
今回はその中から訪れたいカフェをランキング。
文化財カフェランキング
7位~10位
7位 | 青森 | 大正浪漫喫茶室 |
8位 | 千葉 | トレイクル マーケット&コーヒー |
9位 | 京都 | デザートカフェ長楽館 |
10位 | 青森 | スターバックス弘前公園前店 |
まずは7位から10位。
青森県弘前市から2ヵ所がランクイン。
今回注目したのは8位のトレイクル マーケット&コーヒー。
TRAYCLE Market & Coffee
[blogcard url="http://trayclemarket.com/"]
館山湾のほど近くに建つ白い洋館。
大正時代に鴨川市に建てられた銀行を昭和初期に移築したものです。
店内にはその当時の名残りが…
三重の扉になっている金庫です。
オーナーは元々東京でIT関連の仕事をしていた知識さん夫婦。
絵理子さんの祖父が所有していたこの建物を活用したいを思い、2年前に脱サラしてカフェを始めました。
開業資金集めにはクラウドファンディングを活用。
2ヶ月で250万円の支援が集まったといいます。
応援してくれた人が今もリピーターとして来てくれる。価値のあるチャレンジだった。
1階はモダンな作りですが、階段を上がると雰囲気が一変。
和室にソファと和洋折衷です。
家具は建物の年代に合うものを集めました。
レトロな感じと他にない雰囲気がいい。
ゆっくりしたい時にいい。
絵理子さんお手製のおからマフィンも人気。
週末には映画の上映会を開催。
コーヒーを片手に映画を楽しめます。
4位~6位
4位 | 大阪 | スモーブローキッチン ナカノシマ |
5位 | 大阪 | モール&ホソイコーヒーズ |
6位 | 北海道 | タチカワカフェ |
続いては4位から6位。
5位のモール&ホソイコーヒーズは豪商が昭和2年に建てたビルの金庫室を活用した変わり種。
4位に入ったスモーブローキッチン ナカノシマもユニークです。
smorrebrod-kitchen
[blogcard url="http://www.smorrebrod-kitchen.com/"]
カフェが入っているこの建物は1904年に建てられた国内最古の現役図書館「大阪府立中之島図書館」です。
バロック様式を基本とする重厚で格調高い内装。
長い廊下の先に2年前にオープンしたのが今回のカフェです。
窓から注ぐ自然光や北欧風のインテリアがくつろぎの空間を演出します。
中央にあるキッチンは本棚をイメージしました。
店名にもなっている「スモーブロー」はデンマークのオープンサンドのこと。
ここは国内では珍しいスモーブローの専門店です。
大倉信宣店長は、
料理もだが建物に入る時から目で楽しんで、食べながらゆっくり空間を楽しんでほしい。
1位~3位
1位 | 京都 | フランソア喫茶室 |
2位 | 東京 | 自由学園明日館 |
3位 | 神奈川 | 富士屋ホテル オーキッド |
気になるトップ3はこちら。
1位に輝いたのは創業84年の京都の老舗「フランソア喫茶室」。
フランソア喫茶室
[blogcard url="http://www.francois1934.com/index.html"]
細い路地にひっそりと佇む小さな喫茶店。
しかし中に入ると奥行きもあり、全くの別世界が広がります。
ドーム状の天井やレトロな調度品が印象的。
イメージしたのは豪華客船です。
美術学校の予科生だった創業者が思想や芸術を自由に語り合えるサロンとして作ったこの喫茶店。
コーヒーを飲みながら熱い議論を交わした場は安らぎの空間として受け継がれています。
コーヒーが苦手なお客様のために作ったクリームたっぷりの珈琲が看板メニューです。
待ち合わせはいつもここだというこちらの男性たちは、
変わらないよね。
なんとなく落ち着くから、なんとなくここで。
創業者の長男の立野隼夫さん、現在の経営者です。
両親が苦労して店を作り上げたひとつの遺産だと思う。
このスタイルを維持してお客様が求めるものを満たせる店経営をしたい。