企業の6月選考が解禁となり就職活動が盛り上がりを見せています。
2018年は人手不足で売り手市場の中、就活生に「こんな会社は行きたくない」という調査を行ったところ、「ノルマがきつそう」「休日・休暇が取れない」「残業が多い」というものが多数を占めました。
こうした働き方を気にする学生が増える中、ある弁護士集団が始めたのはホワイト認証制度です。
人材獲得に悩む企業の救世主となるのでしょうか?
株式会社富士国際旅行社
[blogcard url="http://www.fits-tyo.com/"]
新宿にあるとある会社。
社員20人ほどの小さな旅行会社です。
この会社に今年入社した遠藤秀徳さん。
入社の決め手となったのは?
「ブラック企業かホワイト企業か気になったか?」
本当に気になった。就職活動中に過労死の事件が大きく取り上げられたので。
彼が入社の参考にしたのがホームページに大きく掲げられているホワイト認証。
ホワイト認証
会社の労働環境が規則だけでなく運用実態でも守られていることを証明する制度です。
太田正一社長はホワイト認証を受けた理由をこう語ります。
来年度はより一層人材確保が厳しくなると聞いているので、労務管理、ホワイト認証を受けるのは人材確保に欠かせない。
一般社団法人ホワイト認証推進機構
[blogcard url="http://whitemark.jp/"]
このホワイト認証を始めたのはブラック企業ゼロを目指す弁護士集団。
労働問題の専門家が労働環境を厳しくチェックし、問題のない法人を「ホワイト」と認証します。
認証機関は2年間。
費用は20万円からで従業員の人数によって変わります。
シグマ自動車株式会社
[blogcard url="http://www.sigma-auto.co.jp/"]
この日、弁護団が訪ねたのは自動車の修理や車検を手掛けている中小企業。
従業員は8人。
この6年間、新卒は入っていません。
前田匡社長は、
本当に人手不足。町の整備工場はまず人材確保できない。
新入社員獲得のため今回、新規でホワイト認証の取得を目指すといいます。
ホワイト認証の取得
ホワイト弁護団の石原正貴弁護士、
労働法制を順守しているかヒアリングする。労務関係の書類は社労士がチェックする。
まず提出を求められるのがタイムカードや賃金台帳、就業規則などの資料。
社会保険労務士がすぐさまタイムカードをチェックします。
さらに、
派遣とか正社員とかパートは?
1人はパートで他は正社員。
弁護士が事細かな聞き取りを行います。
ホワイト認証には約200のチェック項目があります。
労務法制への対応や労働時間、賃金、休暇を始め、ハラスメントへの対応、配置転換、休憩などもチェックします。
並行して従業員も無記名のアンケート調査を行います。
36協定は知ってましたか?
小規模の企業は必要ないと思ってた。
聞き取りのあとは社内をチェック。
従業員の休憩スペースは十分なのか、効果的な場所にタイムカードが設置されているかなどを確認します。
弁護団はチェックした内容を持ち帰り、改善点を洗い出します。
議題に上がっていたのは社員の有給休暇の所得についてです。
有給休暇が消化されていないのはよくない。
後日、
「自分が休んだら他のメカニックに迷惑がかかる」と社員が考える場合もある。有給を消化するように社長から声をかければ解消するのではないか。
この会社は200満点中153点で企業としては優秀な成績だといいますが、さらに社員の満足度を上げるために弁護団は有給休暇の取得だけでなく36協定を結ぶアドバイスなどをしました。
小さな企業体でもちゃんとやっているところもあるとアピールする大きな材料になる。
現在、1,000人規模の医療法人からも問い合わせがあるというホワイト認証。
弁護団長は3年後に1万社の承認取得を目指すと意気込みます。
大川原栄団長は、
買い手市場にブラック企業やグレー企業は支えられてきた。ブラック企業が5割程度あると思う。
ブラック企業はこれから厳しい時代に入っていくだろう。