11月18日から3日間の予定で国内外からおよそ150社が出展する本格的な防衛装備品の見本市が国内で初めて開かれています。
戦車などのいわゆる武器をはじめ、様々な装備品が並んでいますが、この見本市を後援する日本政府の狙いは何なのでしょうか?
DSEI Japan
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11月18日午前、防衛省や自衛隊関係者などが詰めかけたのは…
松山拓生記者、
千葉県の幕張メッセでは防衛装備品の見本市が開かれています。
展示されていたのはアメリカの会社が作った戦闘機の模型や、特殊な樹脂で作られた拳銃。
さらには各国の特殊部隊に納められているドイツ製の装備品など。
日本の防衛予算が膨らみ続ける中、日本に売り込みに来たのです。
ドイツ武器製造企業、
これらの武器をたくさん購入してほしい。日本は非常に有望な市場。
三菱重工業株式会社
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そんな中、会場内でひときわ目立っていたのが…・
三菱重工が手掛けている装甲車の最新車両。
元々陸上自衛隊向けに販売していましたが、今後は海外向けにも展開していきたい考えです。
その他にも電機メーカー大手のNECや総合重工メーカーのIHIなど、この見本市ではおよそ60の国内企業が出展し、海外から訪れたバイヤーに売り込みます。
株式会社アイティーコスモス
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愛知県にある中小企業のアイティーコスモス。
アイティーコスモスの齋藤隆則部長、
振動センサーを使った監視装置。
これまで三菱重工の下請けとしてミサイルのセンサーなどを製造してきましたが、ここ数年は発注が激減。
今回の見本市では歩いた時に出る振動で不審者を検知する自社開発のシステムを出展しました。
ブースには興味を持った外国人が次々と訪問。
バッテリーはどれくらい持ちますか?
10日以上持ちます。
今後は海外の軍隊や警備会社に向け輸出を目指します。
下請け。受注メインの会社だったが開発した製品を使い、どんどん世の中に広めていく。積極的なPRをしていきたい。
武器輸出三原則
この見本市は3日間でおよそ5,000人の来場者が見込まれています。
一方、会場の外では…
防衛装備品の見本市に反対する人たちが抗議活動を行っていました。
そもそも武器輸出三原則を定め、いわゆる武器の輸出を原則禁止してきた日本。
転機が訪れたのは2014年。
安倍政権は日本の安全保障に貢献することなど一定の条件の下で輸出を解禁したのです。
しかし、5年経ったいまも完成した装備品を輸出した実績はありません。
通常動力型で世界最強ともいわれる、そうりゅう型潜水艦のオーストラリアへの輸出も契約に至らず、受注競争でフランスに負けた形になりました。
コスト面を始め、輸出のノウハウ不足などで手探りの状態が続いています。
森本元防衛大臣は、
日本の製品は非常に高いといわれるので、なかなか輸出の実現が難しい。
今回の見本市の後援に防衛省や外務省だけでなく、経済産業省が名を連ねているのも防衛装備品の輸出を成長戦略につなげたいという安倍政権の狙いが見え隠れします。
中谷元防衛大臣は、
日本の防衛産業が立ち行くような体勢をとっていく必要がある。
そうでないと海外から購入する一方だ。