9月1日からまた電気料金が値上がりします。東京電力では13ヵ月連続で値上げが続いていて標準的な家庭の場合、1年前に比べ3割程度値上がりし、およそ9,100円です。こうした状況にいま注目が集まっているのが発電した電気を蓄えることができる蓄電池です。最近では蓄電池を活用した新たなサービスも登場しています。その現場を取材しました。
冷たい料理で我慢…また上がる電気料金
電気料金の値上げに街では…
30代

気分がどんどん下がる。このご時世だし、どんどん気分が下がる。
50代

「この間上がったのにまた上がるの?」と心理的には「どこまで上がるのか」と思う。
LNG(液化天然ガス)などの資源価格の高騰や円安による調達コストの上昇が値上げの主な要因です。
こうした中、節電の工夫をする人も。
70代

朝、家を出るときにコンセント、電子レンジとか抜くときはある。
60代

何でもかんでも冷めた料理を温めて食べようというのはなくなった。
常温でも平気なものはそのまま食べるし、少しぐらい冷めていても食べてしまう。
40代

オール電化だったりすると節電といっても限界がある。
蓄電システムで料金格安?売電で9万円のプラス!
消費者にのしかかる電力値上げの波。そんな中、注目されているものがあります。
千葉県に住むハンドルネーム「なあたンさん」5人家族の主婦として節約の知恵をインスタグラムなどで発信しています。
なあたンさん

ここまで値上がりするとは正直思っていなかった。
こちらのお宅は2年前に新築したばかり。オール電化で一般の家庭より電気を多く使いますが…
なあたンさん

8月は5,270円だった。
なぜここまで安いのでしょうか。その秘密を見せてもらうと…
なあたンさん

ソーラーパネルで発電したものをこちらを経由して使う。
こちらでは新築の際に家庭用の蓄電池を設置しました。日中、太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に充電し、必要なときに電力を使います。
そのため発電しない夜は電力会社からの電気を購入していますが、その他は自家発電で電力を補っています。
年間の電気料金は…
なあたンさん

5万6,000円ぐらい。電気代はかなり下がったのでびっくりした。
こちらの発電システム、機器と設置費用でおよそ195万円かかりましたが…
なあたンさん

売電収入が年間で14万円ぐらいある。差し引くとプラス9万円ぐらいになる。
実はこちらの家庭では蓄電池がいっぱいになり充電しきれない電力は電力会社に販売していて売電による収入も得られるといいます。
なあたンさん

今は買電単価が売電単価を上回っているので、なるべく売らずに自分の家で電気を使い余った分を売る。
実はこうした家庭用の蓄電システムは出荷台数が年々増加していて、今後も成長が期待されています。
需要高まる家庭用蓄電池!"0円"設置プランも登場
千葉県の幕張メッセで開かれた太陽光発電の展示会「太陽光発電展」。
藤田拓也記者

太陽光発電のエキスポに来ています。こちらではシャープやパナソニックといったさまざまな企業の蓄電池が出展されています。
家庭用蓄電池のブースでは多くに人が商品の説明を聞いていました。
こちらの蓄電システムは太陽光発電の関連事業を手掛ける会社が去年9月の発売したモデル。蓄電池の容量は戸建てに住む5人家族が使う1日の電力量に相当するという10kWhで価格は440万円。
スマートフォンのアプリで発電量などを確認できます。
販売の担当者は近年多発する停電などを受け、販売台数は倍増しているといいます。
エクソル
山川拓支店営業部長

昨今の災害による停電の多発。
ウクライナ侵攻から始まったエネルギーの供給不足による電気料金の高騰の対策として購入する人が多くなってきている。
6月、7月で前期比で2倍の販売台数。これからますます伸びる市場。
こうした人気の高まりを受けて地方自治体などと協力して始めたのが0円で蓄電池などが設置できるプランです。
通常、蓄電池の発電システムを設置するには数百万円の費用がかかりますが、このプランの場合、利用者が特定の新電力会社の定額サービスに加入すると無料で蓄電池や太陽光パネルなどが設置されます。
太陽光パネルで発電したエネルギーは蓄電池に充電して利用できますが、余った電力は新電力会社に送るというもの。余った電力を無料で新電力に送るため初期費用が抑えられるのです。
契約期間は10年。その後、蓄電池は利用者に譲渡されるため余剰電力を売ったり、電力会社を変更したりすることも可能になります。
現在、契約件数はおよそ100件に上っています。
エクソル
山川拓支店営業部長

今どんどん提携が進んでいて、水面下で2~3社と話は進んでいる。
あらゆる屋根に太陽光パネルをつけることを目標にしている。