働き方改革を進める政府が普及を促しているのが副業や兼業です。
副業を認めているかどうかを企業に聞いた2017年の民間調査では容認・推進しているが23%となっています。
容認・推進している | 23% |
禁止している | 77% |
まだまだ少ないように見えますが徐々に増えてきています。
2017年秋にソフトバンクやディー・エヌ・エーが副業を解禁した他、新生銀行も3月29日、4月から副業や兼業を認めると発表しました。
こうした流れを受けて自分が持つスキルや知識を売りたいという人と、それを買いたいという人をつなぐスキルシェアのサービスが広がり始めています。
その中には1回10万円するスキルが売買されている例もあるといいます。
その現場を取材しました。
株式会社ココナラ
[blogcard url="https://coconala.co.jp/"]
3年前まで家具メーカーで働く傍ら副業でデザインを請け負っていたデザイナーの山本昂二さん。
「いま何をやっている?」
「とみぱん」と包丁をコラボした商品のデザイン案を出している。
岐阜県の刃物を作っている企業からの依頼で地元のゆるキャラとコラボした包丁のデザインを作っていました。
「カワイイ感じ」という漠然とした要望にも複数の案で応え、料金は格安の1万円です。
「スキルがお金になったとき、どう感じた?」
お金になったというより、自分が主体になってクライアントとやり取りして、認められて、報酬をもらうという感覚は新鮮だった。
これまで3年ほどで300件以上のロゴデザインの依頼を受けています。
実は山本さん、ココナラという個人のスキルや知識を売り買いするサイトに登録しています。
このサイトでは500円からスキルを売ることができ、能力に応じて料金設定を変えられます。
今では山本さん、1件で10万円の仕事も舞い込むようになり独立のきっかけになりました。
ココナラは気軽に500円から出品できる。そこから実績を上げていくことができる。
ココナラでは山本さんのようなデザイン制作だけではなく、さまざまなスキルを売る人がいます。
例えば「MBA取得者が教える勝てるプレゼン資料作り」は5万円。おすすめの読書本15冊を提案するスキルは3,000円。フリアナウンサーが2,000円からナレーションを読むケースまで…
当初、スキルの販売価格は一律500円でしたが、個人スキルのニーズが高まり今では最高20万円までの価格設定ができます。
南章行社長は、
参加者が増えてクオリティーが洗練されてきて、品質が前より全体的に上がってきた。個人が自分の名前で働くこと自体が社会的に止まらない流れ。
ストリートアカデミー株式会社
[blogcard url="https://www.street-academy.com/"]
もう一つのスキルシェアの形が学びのシェアです。
講師を務める稲垣沙夜香と申します。
アクセサリー作りの講座を開く稲垣さん。
下にパールを敷き詰めると見た目も立体で派手になる。
多くの材料を揃え、本格的な講座に見えますが実はプロの講師ではありません。
アクセサリー作りをやってみたとき自分がすごくはまって楽しかった。この楽しさを他の皆さんに伝えたい。月に3~4回のペースで開き、昼に別の仕事をしている。
稲垣さんはストリートアカデミーというサイトを通じ、アクセサリー作りのスキルを教える講座を開いています。
価格は2時間で4,800円。
習い事教室ほどは堅苦しくならず、これまで合わせて300人以上が講座を受けたといいます。
受講者は、
月額の習い事教室はいくつか入っている。月額払っても行ったり行けなかったりで1回あたり高くついているのも多い。そう考えるとこの講座は安い。
1万8,000件近くの講座が開かれているストリートアカデミーでは女性がスキルを教えるケースが目立つといいます。
藤本嵩CEOは、
女性は昔から資格を取っている人が多く、その資格を使う場がなかなかなかった。好きな時間に講座を開催してお金も稼げるということが起きている。
株式会社メルカリ
[blogcard url="https://www.mercari.com/jp/"]
スキルシェアに参入を決めたのがフリマアプリ大手のメルカリです。
メルカリは「ティーチャ」というサービスを今年4月~5月のうちに開始する予定。
WBSのカメラがその開発会議に潜入しました。
ガチなカレーを作りたい。学びたい。スパイスから作るカレー。
最短の道を示してくれたら最高。英語の勉強とか無駄なところがあった。
詳細はまだ秘密ということですが、自分の身につけたスキルを他人にレッスンするというコンセプトで開発が進んでいるようです。
メルカリのアプリは6,000万回以上ダウンロードされ圧倒的な会員数を誇ります。
その豊富な会員情報を生かしたメルカリならではのスキルシェアサービスを展開するといいます。
メルカリの鶴田浩之さんは、
たくさんの個人がメルカリでフリマという体験を楽しんだように、ティーチャでも特技や学びのシェアリングができたらいい。
メルカリの参入でスキルシェアにますます注目が集まりそうです。