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[がっちりマンデー]儲かる億ヒット!(3)[三菱鉛筆株式会社]

儲かる億ヒット!

儲かる!億ヒット 年間1億本

ジェットストリームのスゴい先端

続いてやって来たのは東京・品川にある三菱鉛筆。

こちらは億ヒット商品を開発した市川秀寿さん。あの~早速ですが見せてもらえます?

このジェットストリームです。

三菱鉛筆の億ヒットは2003年に発売された油性ボールペン「ジェットストリーム」。

3色タイプや1本5,500円もする高級タイプなどいまや200種類以上作られる大ヒットシリーズ。

年間1億本以上売れてます。

それでがっちりです!

発売してからグングンと売上げを伸ばし2014年に1億本を突破。絶好調のジェットストリーム。

でもどうやって1億本以上もボールペンを作っているのか?山形県にある工場へ。

ところが!

ジェットストリームを作る工場は今までテレビの撮影は一切許可が出たことがないという。

一応、ダメ元で頼んでみますと…

三菱鉛筆 経営企画室 広報担当の奥村華奈子さん。

それを少しやってみようということで、やっと許可が下りたところなんです、

なぜかリモートでちょっとだけよっと工場を見せてくれることに!ありがとうございます!

経営企画室の奥村さんがカメラを担当。工場長の武藤広行さんが案内をしてくれます。

今回2回目のリモート取材スタート。

広さ3,000坪のこちらの工場で日本中、世界中で使われているジェットストリームを製造。

一番最初の工程はジェットストリームの本体に三角の先端の部分を取り付ける。

先端の取り付けは8本ずつ同時に!

小さな部品を組み合わせて年1億本以上作るには正確さとスピードの両立が欠かせない!

続いてクルッとボールペンの向きを180度回転させたら…

ペンの後ろからバネの部品を入れていきます。

すると隣のマシンに運ばれて今度はインクの芯を投入。

スピーディで無駄のない連携作業です!

続いてはノック式ボールペンの後ろのノック部分の取り付け。

これで組み立ては完了なのですが、ボールペン作りはここからが大変!

ノックをすることによってノックの作動に問題がないかの検査。

ノックをして芯がちゃんと出るか全てチェック。

とにかく動作に精密さが求められる!

ノック検査やシール貼り検査、筆記検査など全部で18個の検査が!

とくに一番精密さが求められるのがこのペン先。

実は工場長の武藤さん、ジェットストリームのペン先の開発をされた方なんです。

「ペン先の開発は何が難しかった?」

市川さんのリクエストに応えることが大変でした。

今までのペン先の作り方から概念を外さないと難しい

ミクロン単位の調整どうのこうの…

ということで開発チームリーダーの市川さんに聞いてみると…

鬼のようになって開発をしてました。

鬼になった市川さんがこだわったのは線の色を濃くすること。

従来の油性ボールペンの線とジェットストリームの線を比べてみると…

確かにジェットストリームの方が色が濃い。この濃さを出すために必要なのが…

2ミクロン。

ジェットストリームのペン先にある直径わずか0.7ミリのボールとそれを包むカバーの隙間を書く時にピッタリ2ミクロンにすること。

ボールペンの仕組みはインクがペン先にあるボールに移り、ボールが紙の上で回転するとインクが外に出てくる。だから書くことが出来るんですが…

市川さん、ボールとカバーの隙間をぴったり2ミクロンにすればインクがよく出て、線の色を濃くできることを発見。

でも、この隙間を2ミクロンピッタリにすることが難しい。

2ミクロンといえば髪の毛の直径の40分の1ほどの幅。

たくさん作るものですからいかに安定させるか非常に苦労する。

不良品がたくさんできてしまうので。

さらにジェットストリームのペン先にはさらに市川さんのスゴいこだわりが!

ジェットストリームは書き味が非常になめらか

実際にスタッフが普通の油性ボールペンとジェットストリームで書き比べをしてみると…

「あ!違いますね!」

「ほんとだ!滑らか。」

ただスタッフの感覚だけだといまいちよく分からないので、坂の上から普通のボールペンとジェットストリームのペン先を走らせて滑らかさをスピードの違いで検証。

果たして…

あらま!スピードの違いはまさに桁違い!

さらにその筆跡を見てみると、普通のボールペンは一番重みがかかる1本しか線が書けていませんが、ジェットストリームは3本の線がきれいに書けている。これはジェットストリームが少ない力でなめらかに書けるってこと。

どうして?

そもそもインクの内容自身がまるっきり違います!

普通の油性ボールペンのインクはかなり粘っこくてドロドロしている。なので書き味が重かった。

これをサラサラにしたのがジェットストリームのインク。軽くなめらかに書けるようにしたんです。

この最適な原材料と組み合わせを見つけるのが大変だった。

このインクを作るまでに1万通り試作をしまして。

完成するまでに6年くらいかかってますので。

6年、ご苦労様です。

ジェットストリームを億ヒットさせてがっちり!

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